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このところの環境騒ぎには何か胡散臭さを感じていたが、こういう形で影響が出てきたか。
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http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070527p101.htm
たこ焼き、うどんも値上げ?…バイオ燃料注目で
うどん店に張り出された「値上げ」のお知らせ(高松市内で)
たこ焼きも、讃岐うどんも値上げのピンチ――。再生可能なエネルギーとして注目されるバイオエタノール。欧米を中心とした需要拡大が、「食」の価格に影を落とし始めている。温室効果ガス削減効果が期待できるとされ、日本でもガソリンと混ぜたバイオガソリンの試験販売が首都圏で始まり、8月には大阪にも登場する。一方で原料となるトウモロコシやサトウキビの争奪戦や転作で、穀物の国際価格の高騰を引き起こしている。「庶民の味を守れるやろか」。ソースの香り、湯気の向こうから、こんな声も聞こえてきた。
■たこ焼き■
大阪市北区。軒先にちょうちんが揺れるたこ焼き店で、女性店主(45)は「この値段でやっていけるかなぁ」と漏らす。12個500円。開店以来14年間変わらぬ価格だが、マヨネーズの値上げが気にかかる。
最大手のキユーピーは6月からマヨネーズの主力商品を約10%値上げする。サトウキビへの転作で大豆、菜種の作付けが減り、マヨネーズの原料となる食用油が高騰しているためだ。
大阪府内には5000店とも6000店とも言われるお好み焼き、たこ焼き店があるが、上方お好み焼たこ焼協同組合の宮原寿夫理事長(ぼてぢゅうコーポレーション社長)は「粉(小麦粉)も上がるかもしれない。小さい店が多い業界。安くておいしい庶民の味を守れるか、心配ですわ」と話す。
■うどん■
日清製粉などは、政府の売り渡し価格引き上げに伴い、今月から一部の業務用小麦粉を値上げした。昨年、オーストラリアを襲った「百年に一度」の干ばつの影響が大きいが、「エタノール需要で穀物全体の価格が上がっている」という。
〈値上げのやむなきにいたりました。ご迷惑かと存じますが、ご協力を〉
安くてうまいうどん店がひしめく高松市。「源芳」の大槻正弘社長は今月、無念の張り紙を出した。24年ぶり、平均で7%のアップ。「天ぷらを揚げる食用油も値上がり。このままでは、倒れてしまいます」
今回の小麦粉の値上げは、うどんに使う中力粉で25キロあたり60円程度。値上げを見合わせているうどん店も多いが、ある製粉会社の担当者は、今後の小麦価格について「さらに、エタノール需要の影響が大きく反映され、秋にはまた上がるだろう」と予測する。
■高級和牛■
庶民の味だけではない。極上牛として知られる但馬牛の産地も悲鳴を上げている。JAたじま(兵庫県豊岡市)などによると、輸入しているトウモロコシ、大豆、大麦の配合飼料は、この1年で1トンあたり約1万円も跳ね上がっている。
その負担は約280軒の生産者にのしかかる。山崎勇喜・畜産課長は「牛の値段はセリで買い手が決める。飼料代が上がったからといってすぐには価格に上乗せされない。いつまで耐えられるか」と嘆く。
柴田明夫・丸紅経済研究所所長の話「世界の穀物在庫率は1999年に31・4%だったが、2006年には15・7%まで下落した。エネルギー市場と食糧市場間、国家間でも穀物の奪い合いが行われており、食料品の値上げは避けられないだろう。国によっては食料危機を招く恐れもある。食物以外を原料にするバイオ燃料の技術開発や、国際協力を進める必要がある」
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【バイオエタノール】植物を発酵させて作るアルコール。二酸化炭素(CO2)を吸収して育った植物を使用するため、京都議定書ではCO2排出量はゼロと計算される。米政府は2012年までに年間75億ガロン(1ガロン=約3・8リットル)をガソリンに混ぜて販売するように義務付け。日本は10年度まで原油換算で50万キロ・リットルを使用する目標を掲げている。
(2007年5月27日 読売新聞)
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