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物理学者でもある竹内薫の「よくわかる最新宇宙論」(秀和)は、宇宙論の最新の知見を図解で解説していて、読み易い。
アインシュタインは、宇宙が膨張しているという事実を当時まだ知らなかったので、宇宙が重力によって縮んでしまわないためには、後に自ら否定する「宇宙項」によって斤力がはたらく静止宇宙モデルを考えた。この「宇宙項」の考え方は、現代の物理学者によって再び復活しつつある。
斤力を生み出すと考えられる「宇宙項」は、未知のダークマターあるいはダークエネルギーではないかとも考えられている。(宇宙の構成物は、4%が通常の物質だが、残りの96%は見えない物質またはエネルギーであり、これらについてはまだ何も分かっていない。過日のNHK教育でもやっていた)
宇宙論には宇宙観測も欠かせない。すばる、COBE、WMAPなどの高性能望遠鏡により得られた数々の精密な観測結果は、インフレーション宇宙論の正しさを裏付けている。今や現代宇宙論は、一気に精密科学の領域へ進化している、としている。
なお、竹内氏はビックバン理論が優勢だが、これが数学的に証明されたとは言っていない。他の宇宙論学者でもビッグバン宇宙論が証明された、と言い切っているのは見たことがない。いずれにしても、宇宙論の正しさは、観測によって確かめられて始めてその理論の正当性が定着するのである(数学的証明で終わりなのではない)。
アインシュタインの宇宙モデルは、空間の曲率kが「+」、宇宙項λも「+」だが、この二つが釣り合って、宇宙の大きさは、時間の経過に対して不変であるというものだった。アインシュタインは、宇宙は膨張も収縮もしていないと考えていたのだ。
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