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火山灰の有効な性状を前にして、一体どういう理由で火山が噴火して火山灰が噴出されるかを考察するに際して、地球の内部構造に大いに関心が引き付けられるものだ。現在、地球の内部は宇宙ほどには殆ど解明されていないのが実状であろう。単純に考えてみても、火山噴火のエネルギーは一体どこから来るのであろうか。大量の降雨があって山野が削られ洗い流されて海洋に運ばれて次から次へと堆積されていくのに、海洋は一向に堆積物で埋まってしまうことなく、半永久的に海洋のままであるのは一体どうしてだろうか。陸地がどんどん削られていけば、陸地は次第に平坦化され、海洋も土砂で埋まり、地球全体が平準化されてしまうことになるはずだが、そうはならないのは一体どうしてだろうか。
当方は、地球物理学の専門家でもないが、現在の地球物理学における火山の爆発の原理や地震の発生メカニズムに関する通説に対しては、大いなる疑問を抱くものである。現在の定説となっているプレートテクトニクス理論によると、地球上に数枚のプレートが存在して、それらが相対的に移動して、相互の摩擦熱により、歪みエネルギーが蓄積されてきて最後に火山の爆発や地震の発生に繋がっていくというものである。ところが、年間数センチしか移動しない巨大プレートの単なる摩擦熱ぐらいで巨大エネルギーが発生するというのは、余りにも単純極まる子供騙しのような図式的な思考であろう。一体何を根拠にしてそうした結論を自信を持って提起され、支持されていったのか理解に苦しむものである。
プレートテクトニクス説による単なる巨大プレートの上昇と沈降、そして相互の摩擦熱と言った単純な説明では、複雑な地球内部の種々の動きに関しては何も解明できないものと思われる。今日、地球を被っているプレートは、数枚どころか数百枚にも及ぶ程に膨大なものであることも解明されている。既に、プレートテクトニクス理論は、欧米の一部の専門家の間でも疑問視されており、既に破綻しているものと思われる。また現在、新たなプルームテクトニクス理論なるものも登場しているが、似たり寄ったりの大して変わりの無い理論であろうと思われる。
更に、最近は、プレートの境界に該当しない場所での地震の発生場所について、かつての活動があった地点をピックアップして活断層なる理論が提唱されているが、これとておかしな理論であろう。地殻の変動が生じた場所等は世界中至る所に存在し、全てが活動した可能性のある場所で活断層に該当するものであり、何処でも地震が起きることを正当化するようなものであろう。そうした理論は、単なる経験則にも似た確率的なものであろうと思われる。あたかも、昔、怪我をして出血したところは再度出血しやすいと言う類のようなもので、後からのこじつけ的理論にしか過ぎないのではないかと思われる。これでは、地球の地殻変動の壮大な歴史を振り返ってみれば、世界中全てが活断層の地点になるであろう。今後の火山活動を予測するにおいても、大して参考にもならず、過去の地震の発生場所と今後の発生場所とは、確率的にはある程度の関連はあっても、直接の因果関係は無いものと思われる。
多くの書籍や研究論文が氾濫する中で、可成り昔の本であるが、当方の疑問に答えているものがあった。それは先に紹介した旧ソ連の研究者達によるもので「水−地球の彫刻家」と言う本だ。恐らく、これを超えた研究は未だに成されていないのではないかと思われる。それどころか、この本で紹介されている説は、殆ど日本の学界では無視されているものだ。もっとも、翻訳者の当時の日本人研究者自身も、電話で確認したところ、単なる理論を紹介した程度であり、全くの半信半疑、疑心暗鬼の感想であった。
まず、彼等は、現代の通説であるプレートテクトニクス説に関して、次のように限界と問題点を指摘する。
「現在の主流であるプレートテクトニクス理論は、単に現在の地球上での動き、或いは現在から比較的簡単に遡れる精々八〇〇〇万年前までの海洋底の拡大過程を、幾何学的に説明しているに過ぎず、細部の現象については何も解明してもいない。プレートテクトニクス理論は、大きな現象は上手く説明できても、複雑な地球表面層の性質に対しては全く無力であり、地球内部の本質的なところまで何も説明し尽くしてはいない。即ち、例えば、
・海洋下より大陸下の地殻が厚いのは何故か。
・海洋下の地殻に花崗岩がないのは何故か。
・花崗岩に集中している殆どあらゆる放射性元素が、地殻内部からどんな経路と過程を経て地殻へと上昇したのか。
・陸地が北半球に集中しているのは何故か。
・陸地に比べて海底に火山が非常に多いのは何故か。
・大陸地殻が上部は花崗岩、下部が玄武岩で構成されているのは何故か。
・河川は大量の降雨水により一〇〇〇万年程で全陸地の土砂を海洋に流失させるはずであるが、何故に大陸は消滅しないのか。
・南極大陸には火山があるのに殆ど地震がないのは何故か。
・数千億トンのマンガン、鉄、ニッケル、コバルト等の鉱物資源を含む地層が海底にあるのは何故か。
・塩化カリウムの方が水によく溶けるのに、何故それは海水中に塩化ナトリウムの五〇分の一しかないのか。地球内部を暖めている主要熱源は放射性元素であると推定されているが、この種の元素の殆どは陸地の地殻の上半部や高さ数キロに及ぶ山脈を構成している花崗岩表層の中に含まれているのは何故か。
・火山の瞬間的な大爆発は如何なる化学反応原理で生じるのか。そして何回も継続し得るのは何故か。
プレートテクトニクス説により、以上の地球内部の基本的なことを説明できるだろうか。単なるプレートの浮上と四散と言った説明では、地殻の複雑な性質を解明できないであろう。」
今回の画期的な火山灰技術の登場により、火山灰の有する特殊な性状に遭遇して、改めて現在の通説である様々な地球物理化学の諸理論に対して再検討をし、様々な疑問点を解消して新たな理論を構築していく必要性が生まれてきたものと思われる。即ち、火山の大爆発という物理化学反応の入り口と出口と途中の過程に関する解明への取り組みが始まるであろう。そして、火山灰の各種の物性に対しても、実に様々な分野の専門家による総力を結集して取り組んでいく必要性が出てきたようだ。
http://www4.ocn.ne.jp/~mukzke98/kazanbainokosatu.html
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