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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/73856.html
日銀総裁選び 国民の痛み分かる人を(2月2日)
福井俊彦日銀総裁の任期が三月十九日で切れるのを前に、後継者選びが本格化している。各方面に広く人材を求め、国民本位の視点で選んでほしい。
日銀総裁と副総裁の人事は衆参両院の同意が必要で、参院第一党の民主党の対応が注目されている。
政府・与党は元財務事務次官の武藤敏郎副総裁の昇格を軸に調整を進めているようだ。これに対し、民主党は財政政策と金融政策を分ける「財金分離」の立場から異論を唱えていたが、ここにきて容認論が広がっている。
五年前に「官僚出身」を理由に武藤氏の副総裁就任に反対した民主党は、従来の主張とどう整合性をとるのか。国民に分かりやすい説明が必要だ。
国の厳しい財政状況を考えれば、財務省OBが日銀総裁に就くことで、出身官庁への配慮から金融政策に過度の負担がかかって中央銀行としての独立性が揺らいでしまう。そんな不安もぬぐえない。
武藤氏が昇格すれば、日銀と財務省(旧大蔵省)のOBが交互に総裁に就任する「たすきがけ人事」が復活するのも懸念材料だ。
速水優氏、福井氏と日銀出身者が続き、そのあとさらに財務省出身者が就任することは時代に逆行しているとも言える。
総裁候補は日銀や財務省だけでなく学者やエコノミスト、経済界などから幅広く選ぶべきだ。場合によっては国会などの場で金融政策についての基本的な考え方を聞いてもいい。
福井氏は衆院財務金融委員会で後任総裁の条件について《1》通貨安定への強い信念《2》鋭い国際感覚《3》市場を大切にする《4》政策委員会の議論をリードする−の四つを挙げた。
もっともな指摘だが、もう一つ忘れてはならないことがある。
福井氏は就任前に村上ファンドに出資し、多額の運用益を得ていたとして国民の批判を浴びた。
「通貨の番人」ともいわれる日銀のトップが再びこのようなことを起こせば、国際的な信用にもかかわる。
米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した世界的な株安や景気減速懸念という難局に立ち向かわねばならない次期総裁は、内外から信頼される人物でなければならない。
むろん総裁人事が政争の具にされ空白期間ができることは避けなければならないが、だからといって十分な議論もされず総裁が選ばれるようなことがあってはならない。
国民は日銀の政策によって超低金利を余儀なくされている上に、賃金の伸び悩みや物価上昇で苦しいやりくりを強いられている。
新総裁はそんな国民の痛みが分かる人であってほしい。
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