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英仏首脳、インド詣で 経済成長、増す存在感【asahi.com】
http://www.asahi.com/international/update/0126/TKY200801250348.html
2008年01月26日06時50分
フランスのサルコジ大統領は25日、ニューデリーでインドのシン首相と会談し、主要国首脳会議(G8)の参加国を「インドを含む13カ国に拡大すべきだ」とする共同声明を発表した。英国のブラウン首相も21日の訪印時に、インドの国際的役割の増大に支援を表明。気候変動問題など今後の国際問題への対処に、急速な経済成長を遂げるインドや中国の参加が不可欠とされる時代を迎えつつある。
仏印の共同声明では、インドの国連安全保障理事会の常任理事国入りを支持し、G8をインドを含むG13に拡大する必要性を表明。「その結果、国連を21世紀の必要性に見合ったものに改革し、インドが世界的な課題に役割を果たせるようにする」とうたった。また両国の貿易額を12年までに、06年の3倍の120億ユーロ(約2兆円)に増やすとした。
サルコジ大統領は会談に先立ち、ヒンドゥスタン・タイムズ紙に「インド、中国、ブラジル、メキシコ、南アフリカ抜きで気候変動や貧困、国際的な商取引といった世界的な問題に対処することはできない」と述べ、G8に加わるべきだとする5カ国名を明示。7月の北海道洞爺湖サミットで、議題として取り上げる意向を示した。
ブラウン英首相も21日、シン首相との会談でインドの国連常任理入りに支持を表明。ニューデリーでの講演では「世界銀行や国際通貨基金(IMF)、G8にはインドとアジアの台頭を反映した変革がなされるべきだ」とも述べた。
主要国の相次ぐインド支援表明には近年、年9%前後の経済成長を続ける新興大国としての存在感の高まりがある。
11億人の巨大市場を目指し、海外からの直接投資は06年度は157億ドル(約1兆7500億円)と前年度の3倍近くに達した。一方、インドの製鉄大手タタ・スチールが昨年、英国大手のコーラスを62億ポンド(約1兆3200億円)で買収するなど、インド企業の海外進出も目立ち始めている。
この2年間で、G8のうちカナダを除く7カ国首脳が相次いで訪印。米国がインドの核兵器所有を容認して民生用の原子力協力で合意するなど、各国が経済や防衛、エネルギー分野での戦略的関係の強化をうたった。
インド側も、英仏首脳の相次ぐ後押しを「グローバル化が進むなかで、欧州の強国は中印との関与を強化するしか選択肢がない。この4世紀で初めて、欧州とインドの勢力バランスがインドに有利になり始めた」(インディアン・エキスプレス紙)と歓迎する。
ただ、インドは中国とともに、貧困を減らすために経済発展を最優先課題とする「途上国の代表」を自任してもいる。例えば、地球温暖化ガスの削減問題では、経済成長に影響が出る数値目標の設定に反対。大国化は必ずしも環境対策に熱心な先進国の「仲間入り」を意味しない。
インドの強みは、欧米から民主主義国の「仲間」と見なされていることだ。安全保障専門家のスブラマニアム氏は「世界は米国、日本、中国、欧州連合、ロシア、インドの6大勢力の構図になりつつある。だが唯一、民主国家ではない中国は今後、他の民主主義勢力から挑戦を受けるだろう」と、中国との違いを強調する。
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