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http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0802/200802_032.html
2004年に米エネルギー省と国防総省は「信頼性のある代替核弾頭(RRW)」計画を打ち出した。製造以来,兵器庫に長期間保管され,老朽化した核弾頭は適切に作動しない恐れがあるとして,一部を新しいものに交換するというのだ。核実験の凍結が宣言され,世界中で核軍縮と核拡散防止が叫ばれる中,新たな核弾頭は本当に必要なのだろうか。
2007年には計画の第1弾として,まもなく30年の寿命を迎える核弾頭W76に替わるRRW1の設計が決まった。この新核弾頭RRW1は,すでに実験で性能が確認された兵器を基礎に造られるため,新たな爆発実験の必要はないという。計画推進派は,有害物質の使用を減らせることや,保管の際の安全性が高まること,万一,盗難に遭っても使用される可能性を低くできるなど,代替核弾頭の利点を強調している。
しかし,W76は現在,改修して寿命を延長する計画が進んでいるし,潜水艦で輸送され,厳重に警備された兵器庫で保管されているので,安全面の心配はないとの指摘もある。RRW計画の必要性を疑問視する意見は少なくない。
RRW計画の真の動機は,米国の核兵器製造能力の維持にあるのかもしれない。冷戦時代に核関連事業に携わった人々は引退する年齢にさしかかっている。その技術やノウハウを継承する専門家や技術者を養成する機会は,今しかないのだ。もっとも,そうした後継者の必要性があるのかどうかは,また別の話だ。
原題名
A Need for New Warheads?(SCIENTIFIC AMERICAN November 2007)