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国際
米政権が温暖化隠し? 「研究者に圧力」 下院委が報告書(12/25 07:29)
ブッシュ米政権が、政府機関に属する科学者らに対し、地球温暖化問題を矮小(わいしょう)化するため、「圧力」や「検閲」を繰り返していたとする米議会の報告書が公表され、大きな議論になっている。政権側は真っ向から反論するが、先にインドネシア・バリ島で開かれた国連の気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)で、温暖化対策への「後ろ向き」姿勢をあらためて露呈した同政権だけに、国内の風当たりは強い。(ワシントン・三浦辰治)
報告書は十六カ月間の調査の末、下院政府改革委員会のワックスマン委員長(民主党)がこのほど公表した。報告書によると、ブッシュ政権は、地球温暖化の科学的根拠や二酸化炭素排出との関連をなるべく薄めるよう、政府機関の研究に政治介入を行ったという。
具体例として、二年前、米航空宇宙局(NASA)に勤務する研究者にメディアから取材依頼が来た際、政府から派遣されているNASA幹部が取材に応じさせないよう広報担当者に強く働きかけたとされる。研究者が地球温暖化の深刻な影響を唱えていたからだ。
報告書は、同幹部が組織内の協議で「大統領の顔をつぶすな」「取材に応じさせれば恐ろしい結果になる」など脅迫めいた発言をしたことも明らかにしている。
また、政府各機関による研究の連携強化のため設立された気候変動科学プログラム(CCSP)が二○○三年七月、「戦略プラン」と題した温暖化対策を打ち出した際、ホワイトハウス環境問題委員会(CEQ)が発表前に文言を数多く手直ししたという。
例えば、草案にあった「温暖化は北極海域に影響を与えるだろう」という表現が「与えるかもしれない」などと、少なくとも二百九十三カ所が改変されたと報告書は指摘している。
これに対し、ホワイトハウスや与党共和党は即座に反論。報告書を「民主党の党利党略による中傷」などと批判した上で、「ブッシュ政権は温暖化問題の緊急性を理解しており、研究予算として百二十億ドルも費やしている」と強調した。
しかし、これと前後して開かれたCOP13で、米国は温室効果ガス削減の数値目標設定に強く反対。相変わらず「抵抗勢力」であることを国際社会に印象づけており、報告書への反論も説得力を欠く結果となっている。
環境保護団体「全米環境トラスト」は最近発表したリポートで「ブッシュ政権は温暖化防止に向けた国内の取り組みに、ことごとく抵抗している」と批判を強めている。
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