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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007121302071735.html
膨大な資料、捜査長期化 難航ポト派特別法廷 4幹部起訴来年後半に 運営費不足も必至
2007年12月13日 朝刊
【プノンペン=林浩樹】一九七〇年代後半のカンボジアの国民大虐殺に関与し、人道に対する罪などで特別法廷に逮捕された元ポル・ポト政権幹部五人のうち、同政権ナンバー2だったヌオン・チア元カンボジア人民代表議会議長(81)ら四人の起訴が、来年の後半にずれ込むことが分かった。関係筋が本紙に明らかにした。開廷の遅れは特別法廷の国際的な信用低下につながりかねず、同法廷は対応に苦慮している。
特別法廷は、外国人弁護士の参加条件などをめぐる内部規則の調整が長引き、今年半ばをめどとした開廷時期が先延ばしされていた。四人の起訴がさらにずれ込めば、審理開始は当初予定から一年以上遅れることになる。運営費不足は必至で、同国政府と国連は年明けにも新たな拠出を国際社会に要請するとみられる。
関係筋によると、起訴が遅れる理由は、膨大な資料の選別、翻訳など捜査作業の長期化に加え、逮捕者の保釈申し立てに対する審理に時間を要するため。カン・ケ・イウ元政治犯収容所長(64)の申し立ては今月三日に棄却されたが、新たにヌオン・チア元議長らが保釈を申し立てている。
開廷の大幅な遅延を避けるために、同法廷は今年七月に五人の中で最初に身柄を拘束したカン・ケ・イウ元所長の捜査を来年六月までに終え、先行して起訴、審理を開始する方針という。
一方、日本が四割近くを拠出した約五千六百万ドル(約六十二億円)の運営費用に関しては、人件費増や法廷記録のデジタル化導入などで、支出が予想以上に膨らんでいる。新たに必要な運営費は「一億ドル前後」(関係者)との試算も浮上。カンボジア政府と国連は米国など未拠出国にも働きかけ、資金確保を図りたい考えだ。