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http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200712061237&page=2
【Technobahn 2007/12/6 12:37】中国当局が捏造したのではないかとの疑いがかかっている中国初の月観測衛星「嫦娥1号」が撮影したものとされている月面映像に関して、米専門家の解析によって映像は実際に中国の衛星によって撮影された可能性が高いことが3日までに米惑星協会(Planetary Society)のウエブサイトに掲載された資料により明らかとなった。
この分析作業を行ったのは米惑星協会のエミリー・レクダワラ(Emily Lakdawalla)さん。
レクダワラさんはこれまで米国の衛星が撮影してきた月面の映像と中国が先月26日に発表した月面の映像を丹念に比較。その上でまず、中国のメディアが似ていると指摘をしていた「2005年のNASA」の映像とは、1994年に米国防総省のクレメンタイン観測衛星(Clementine Orbiter)が撮影した月面映像であるということを突き止めた。
その上で、この両者の映像を比較した結果、中国の映像の解像度が120メートルであるのに対して、クレメンタイン観測衛星の解像度は145メートルで、中国の映像の方が解像度が高いこと。また、中国の映像は太陽の向きが北西方向から注がれているのに対して、クレメンタイン観測衛星は北方向から注がれているなど、異なる点が多く、中国の映像は実際に中国が打ち上げた観測衛星によって撮影されたものである可能性が高いという結論に達した。
ただし、中国の月面観測計画の最高責任者となる欧陽自遠氏が本物説の根拠として説明を行ったNASAの映像では写っていない新しいクレーターが存在するという点に関しては、複数の画像を合成する際に左右がずれてしまったために、実際は1つのクレーターが2つになってしまっただけだと、実際に補正を加えた画像を使って中国側のミスを指摘した。
レクダワラさんによると、この種の映像は観測衛星が軌道を周回しながら経度を徐々に移動しながら撮影していくものとなるが、中国は技術度が未熟のために衛星が周回するごとに軌道高度に微妙な変化が生じ、そのために同一条件で月面の映像を撮影することができなくなったことが、このように合成時にずれが生じた原因なのではないかと推測している。
また、レクダワラさんは、このように映像にずれが生じてると科学研究用としては利用することができないとも述べ、中国の技術はまだ発展途上の状態にあるとの見解を示した。
ただし、欧陽自遠氏が嫦娥1号で撮影したオリジナルのデータを公開すると述べた点に関しては評価をしており、オリジナルのデータが公開されれば、こうした捏造説が飛び交うこともなくなるだろうとも述べている。
画像は中国が公開した月観測衛星「嫦娥1号」の映像
(画像提供:中国科学院)