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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=360
アムネスティ・インターナショナルは、西アフリカのギニアビサウ共和国での薬物取引を報道したために、ジャーナリストや人権擁護活動家への脅迫や嫌がらせが続いているという報告を強く懸念している。アムネスティは、4人のジャーナリストと有力な人権擁護活動家である、マリオ・サ・ゴメスが、逮捕され拷問を受けることを恐れて身を隠した、という情報を入手している。マリオ・サ・ゴメスは、殺害されるかもしれないという恐れを抱いている。
ギニアビサウ共和国は、最近、同国内における薬物取引の報道により国際的な注目を浴びている。国連の2007年世界薬物報告書の中で、ギニアビサウは、薬物取引と中継の主要地点として名前を挙げられたことを受けて、4人のジャーナリスト、アレン・イエロ・エンバロ、アルベルト・ダボ、エヴァ・マリア・アウゼンダ・ビアヘ、フェルナンド・ジョルジュ・ペレイラらは、政府や軍の高官が薬物取引に関与していることを示唆するさまざまな報道を行った。アムネスティが入手した情報によれば、こうした報道を受けて、軍幹部は国営ラジオに登場し、アレン・イエロ・エンバロとアルベルト・ダボに対し、国営ラジオ放送で公式にこうした報道を否定するよう通告した。2人が通告に従わなかったところ、またも軍によるものと思われる通告が出され、4人のジャーナリスト全員に対して最寄りの警察署に出頭するよう告知された。この直後、4人は、逮捕されて拷問を受けるのを恐れ、ただちに身を隠した。
2007年7月、ギニアビサウ共和国の人権擁護活動家マリオ・サ・ゴメスは、国営ラジオ放送において、国内の薬物取引問題に取り組む最も効果的な方法は、薬物取引に関与している政府および軍の高官を全員ただちに解任することだと公言した。複数の報道によれば、軍司令官はマリオ・サ・ゴメスに公式に謝罪を求めたがマリオはこれを拒否した。その結果、彼に対する逮捕令状が出され、マリオは命の危険を感じて身を隠した。
アムネスティは、これらのジャーナリストと人権擁護活動家に対する嫌がらせや脅迫について懸念している。こうした行為は彼らの表現の自由、およびすべての人びとの知る権利の侵害である。こうした権利はギニアビサウ共和国憲法や同国の報道の自由に関する法律、さらに同国も締約国となっている人および人民の権利に関するアフリカ憲章(アフリカ憲章)にも規定されている。また市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)や世界人権宣言など、同国が締約国となっている他の国際人権諸条約や世界人権宣言にも規定されている。
アムネスティは、ギニアビサウ政府に対し、同国が締約国となっている国際人権諸条約および、法的拘束力はないものの、アフリカにおける表現の自由に関する宣言のように、アフリカ憲章のすべての加盟国が実務でおこなうべき原則が規定されている国際基準などを遵守するよう要請する。ギニアビサウ政府は、上記の宣言にもとづき、違法な行為を誠実に報道することによって何人も制裁を受けることがないように保証すべきである。さらに同国政府は、メディア関係者や人権擁護活動家に対する威嚇や脅迫などの攻撃をやめさせることを保証するべきである。そのような制裁はジャーナリズムの独立や表現の自由、情報が自由に社会に流れることを阻害することになる。表現の自由が絶対的なものでないことは、同宣言も認めている。しかし、宣言は、そうした自由に対する制限は、法律によって規定されたものでなければならず、民主的な社会おける正当な利益と必要性が認められるものでなければならない、と規定している。アムネスティが知る限り、薬物取引の報道を規制する同国の法律は存在しない。
アムネスティは、また、ジャーナリストたちが抱いている、逮捕された場合に拷問を受ける恐れがあるという危惧、またマリオ・サ・ゴメスが生命の危険を感じていることを懸念している。アムネスティは、ギニアビサウ政府に対し、自由や身体の安全についての権利、拷問や虐待を受けない権利などを保障し、国内外の義務を遵守するよう要請する。こうした権利は、ギニアビサウ憲法にも規定されており、アフリカ憲章や自由権規約その他同国が締約国となっている国際人権条約にも規定されているものである。
AI Index: AFR 30/003/2007
2007年8月16日