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ポーランド右派政権崩壊 『道徳』復活醜聞で幕【東京新聞】
2007年8月20日 朝刊
【ベルリン=三浦耕喜】ポーランドの右派連立によるカチンスキ政権が、閣僚のスキャンダルがたたって崩壊し、今秋に総選挙の前倒しを余儀なくされている。道徳の復活を掲げ、美しい国づくりを目指した政権だったが、身内の不祥事に支持率は低迷。政権交代の可能性も浮上している。
カチンスキ首相は十三日、首相率いる右派政党「法と正義」と連立を組んでいた「自衛」、「ポーランド家族同盟」の二つの極右政党に所属する四閣僚を解任した。連立解消を宣言した同首相は、九月初めに下院議会で解散を決定し、早ければ十月二十一日にも任期を二年残して総選挙を実施したい考えだ。
連立崩壊の原因は、自衛のレッペル党首をめぐるスキャンダルだ。同党首は養豚業から政界入りした人物。欧州連合(EU)の進めるグローバル化路線に反対する同党首が、昨年五月の連立政権発足で副首相兼農相に就いたことが、カチンスキ政権がEUと距離を置く一因となった。
だが、同党首をめぐって昨年十二月、党員の女性に対し、役職と引き換えに性的関係を強要した疑惑が発覚。今年に入ると、農地転用許可をめぐる汚職疑惑が明らかになった。道徳の復活と汚職追放を政権のスローガンに掲げていたカチンスキ首相は先月、同党首を解任。反発した自衛側が閣僚の引き揚げを宣言し、政情が混乱していた。
一方で、支持を高めるのは最大野党の中道勢力「市民プラットフォーム」。世論調査では「法と正義」への支持率23%に対し、「市民」は33%に浮上。「法と正義」内でも敗北を見越して「市民」との連立を模索する動きもあり、総選挙がポーランドの対EU政策の節目になる可能性がある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007082002042378.html