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安保法制懇:棚上げ覚悟の報告書 9条解釈変更の布石狙う(毎日新聞)
「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が24日まとめた報告書は、見直しに積極的だった安倍晋三前首相から、慎重な福田康夫首相に政権が移ったことで、存在意義が薄れた。それでも柳井氏が「棚上げ」覚悟で報告書を提出したのは、将来の憲法9条の解釈変更に道を開く布石としたい狙いがあるようだ。
懇談会は福田政権下で一度も開かれず、最後は柳井氏が一人で首相の執務室を訪れて報告書を提出した。政府が設置した有識者会議としては異例の結末となった。
集団的自衛権の解釈変更に強く反対する福田首相への報告書提出という事態を受け、委員からは(1)公海上の米艦の護衛(2)米国に向かった弾道ミサイルの迎撃−−の2類型は「棚上げすべきだ」との声も出た。提言の内容を、福田首相も積極的な自衛隊派遣の要件を定める一般法(恒久法)制定に関する武器使用などに絞るべきだ、との主張だ。
最後は「当初の想定通り、すべての解釈を変更すべきだ」と主張する柳井氏と岡崎久彦元駐タイ大使らが押し切る形で、報告書を提出することが決まった。24日の記者会見で柳井氏は「内閣それぞれの方針がある。これからの検討を待つ」と語り、「ポスト福田」政権での解釈変更への期待をのぞかせた。
首相は同日夕、報告書について「中身はまだ見ていない」と素っ気なく語った。【古本陽荘】
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<「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書要旨>
▽公海上の米軍艦船が攻撃された際に自衛隊艦船が反撃するために、集団的自衛権の行使を容認
▽米国を狙った弾道ミサイルの迎撃のために、集団的自衛権行使を認める以外にない
▽国連平和維持活動(PKO)に参加中、他国の部隊や要員が攻撃された際の「駆け付け警護」のための武器使用を容認
▽戦闘地域で他国の活動をどの程度支援するかという問題は、憲法上の観点から議論する従来の「一体化」論議をやめ、政策的観点から決定する
▽集団的自衛権の行使、集団安全保障への参加のために憲法解釈を変更。改憲の必要はない
▽自衛隊艦船による米軍艦船の護衛、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃は、法律で範囲と手続きを定める
▽PKOに参加する自衛隊の武器使用基準は一般法で定める
▽自衛隊がPKO以外の活動で海外派遣される場合も国会の承認が必要
▽米国との集団的自衛権の基本方針を盛り込んだ安全保障政策を策定し、手続きを経て国民に明らかにする
毎日新聞 2008年6月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080625ddm005010132000c.html