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「9条世界会議」記者会見 ダグラス・ラミスさんら訴え(JANJAN)
http://www.asyura2.com/07/kenpo2/msg/204.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 24 日 21:36:11: twUjz/PjYItws
 

(回答先: 「9条世界会議」の呼びかけ 投稿者 gataro 日時 2008 年 2 月 23 日 12:51:40)

http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802231332/1.php

ひらのゆきこ2008/02/24

この5月に幕張メッセで開催される「9条世界会議」の記者会見が22日青山で行われました。「9条世界会議」日本実行委員会共同代表の吉岡達也さんからの趣旨説明に続き、ダグラス・ラミスさんら呼びかけ人から、この会議へ寄せる思いについて、コメントがありました。

 2月22日、東京・青山の青学会館で、5月に幕張メッセで開催される「9条世界会議」の記者会見がありました。主催は「9条世界会議」日本実行委員会です。最初に、実行委員会共同代表の吉岡達也さんから、「9条世界会議」の趣旨について説明がありました。


記者会見の様子(22日午後1時頃、筆者撮影)

吉岡達也さん「9条世界会議」の主旨説明

 今回のイージス艦の衝突について憤りを感じています。なぜこのようなことが起きたのか。国民を守るための自衛隊の護衛艦が、なぜ国民をこんなひどい目に遭わせるのか。この問題は9条と深くかかわっていると思います。

 イージス艦は1隻1,400億円。全部で6隻あるので8,400億円。調べてみると、日本の国家予算の障害者施設関係の予算が8,000億円。障害者の人たちの予算とイージス艦の予算が同じ。全世界の初等教育の予算とイージス艦の予算もほぼ同じです。世界の人々に安全な水を供給するために必要なお金や、温暖化による砂漠化対策費も、イージス艦6隻分とほぼ同じ。

 なぜ軍備にお金をかけるのか。なぜ人々を殺すものに資源を使うのか。そうでなく、世界中の人々が安全な水を飲め、地雷を撤去し、温暖化や砂漠化を防ぐために使うべきです。世界の軍事費を減らすと世界が変わる。それが「9条世界会議」の本質的な問いかけではないかと思います。軍隊をなくすことによって人間が平和に生きていく。そのためのメッセージとしたい。

 イラク戦争の泥沼化をみても、世界最大の軍事大国がこの5年間でバグダッドという1つの都市の治安維持さえできないことを世界に証明しました。9条の理念や存在が世界に大きな意味を持つ。これからの世界がどうなっていくか、そのことに対して大きなインパクトを与える。それが「9条世界会議」の本質的な趣旨です。この問題はイージス艦とつながっています。漁に出ていた2人を、このような状態に追い込むために、なぜ1,400億円のカネが使われなければならないのか。

 「9条世界会議」には、ノーベル平和賞受賞者も含め、世界の多くの人々が参加してくれます。地球市民として、日本市民として、9条を持っていること、また、9条を世界に広めることを誇りに思っています。日本のもっともっと多くの人々に、そして世界の人々に、こういう大会があることを知ってほしいと思っています。

 次に、「9条世界会議」日本実行委員会事務局長の川崎哲さんから、「9条世界会議」のプログラムについての説明がありました。


川崎哲さん「9条世界会議」のプログラム説明

 昨年1月より実行委員会として5月4、5、6日の準備をしてきました。初日の5月4日は、北アイルランドのノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさんと、ハーグ平和アピール代表のコーラ・ワイスさんの基調講演。「世界の中の9条の意義」などについて語っていただきます。そのほかにも、世界から多数のゲストの方々がきます。イラク戦争に抗議をして軍隊をやめたアメリカの女性大佐、元イラク帰還兵、イラクの青年が一緒にセッションをもちます。

 音楽やパフォーマンスなど、多彩な催しを用意し、1万人の方に集っていただく。そのほか、参加型のイベント、オープニングで実写版「火垂る(ホタル)の墓」の出演者の方々に舞台挨拶の交渉をしています。分科会やシンポジウムでは、紛争の平和的解決、アジアの中の9条、核の問題、環境の問題などについて話し合っていただきます。また、手作りイベントや、20くらいの自主企画(ライブハウス、シネマなど)で、日本の落語、和太鼓、獅子舞などを披露します。

 最終日の5月6日には、「9条世界宣言」。明後日(2月24日)から9条ピースウォークが広島を出発します。5月4日に幕張メッセに到着するように歩いてきます。若者のウオークリレーは、大きなバナーにメッセージを集めていきます。携帯の書き込みなどブログ形式。手作りでやっているので、ボランティアや賛助金を募っています。ご協力をよろしくお願いします。

 次に、呼びかけ人の方々から「9条世界会議」の意義についての発言がありました。88名の呼びかけ人のうち今回は15名の方が参加し、それぞれ1分ほどの持ち時間で思いを語ってくださいました。その中から以下の方々のお話を紹介します。


星川淳さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)のお話

 9条の今日的意味について、1つは、環境問題であると思います。たとえば、地球の温暖化を防ぐために、2050年まで排出ガスを全世界で50%削減しなければならない。先進国は80%削減。非常にチャレンジングな課題を抱えている。戦争をしているヒマはない。軍備にお金をかける余裕はない。そのためのお金は人間の生活のみならず、地球上の生命が生きていくことに、人類的な努力を傾注しなければならない。戦争や軍隊のためでなく、平和や環境のためにお金を使うことに努力すべきだと思います。

 憲法は国民が政府に対して命令するものです。政府は戦争をするなと、国民が政府に命令するのが憲法9条。イージス艦、沖縄の米軍による中学生のレイプ問題。核心にあるのは政府を国民がコントロールしていない。制度らしきものはあるが、全然機能していない。納税者が自分たちの税金の使い道をコントロールする。それを日本人は認識していない。(世界会議が)それをきちんと確認していく始まりになるとよい。


高遠菜穂子さん(イラク支援ボランティア)のお話

 2008年はイラク戦争から5年目。ある意味で節目の年です。イラクの状況を一言で説明するのは難しい。去年、一昨年あたりから大きな変化がありました。9条の意義については、この会議で日本人として国際社会の役割を模索していきたいと思っています。イラクに留まってイラクの現状を見続けてきた青年がイラクからやってきます。アルグレイブ刑務所にいた人や、米軍の元陸軍大佐も来ます。現場を知る人たちの意見をよく聞いて、日本人が国際社会でなにができるのか模索してほしい。


ジャン・ユンカーマンさん(映画監督)のお話

 世界が一番求めているのは、武力による問題解決ではなく、新しい21世紀にふさわしい世界中の人々が共存できる考え方。簡単ではないからこそ、世界会議の内容を充実し、対話をすることに意味がある。9条だけでなく、核兵器、戦争、基地など、あらゆる問題を一緒に考え、日本から戦争をしないことを世界に向けて考えることは、日本の本当の意味での国際貢献だと思います。

香山リカさん(精神科医)のお話

 いまの日本の社会の健康をめぐる問題を考えると、若い人たちや働く世代の鬱病の激増や、自殺者が毎年3万人を一向に下回らないという、非情に悲惨な状況があります。その背景にあるのは、この社会に対する不安であり、さらにその背景には、平和が揺るがされていることへの不安が大きく関わっていると思います。

 その象徴が、9条を含む憲法改正への動きではないかと思っています。世界会議では、日本の状況を世界に広め、世界の人たちに人間の本当の幸福のためには、平和への歩みは欠かせないということを、ぜひ一緒にストレートに率直に討議してみたいと思います。


池田香代子さん(翻訳家)のお話

 イージス艦と衝突して行方不明になっている吉清哲大さんは、ホームレスの人たちを支援している会に、余った魚を運んであげていました。会の代表は、「魚の命を大切にする、すごくいいやつなんだよ。優しいやつなんだ」と言っていました。哲大さんは、憲法25条の「人として最低限の生活」というものを、黙々とやっていました。それを踏みにじったのがイージス艦。漁船は逃げると思っていたということですが、20年前の「なだしお」(30人の犠牲者を出した海上自衛隊潜水艦の事故)と同じ。この事件は憲法の問題とぶつかっている。

 9条は世界中に広まっています。それをみんな知らない。ジョン・レノンの「イマジン」の2番を日本語に訳すとき、「国境がない」と訳しますが、あれは「ノーカントリー」です。どういうことかというと、戦争がないということ。つまり、交戦権を制度的に持っていた近代国民国家ではない、あれは憲法9条を歌っている歌だということなんです。その歌を世界中の人々が歌っている。つまり、世界の人々が9条を歌っている。そのことを伝えたい。

 アメリカではいま大統領選が行われています。きっと民主党が政権をとるのでしょう。どちらがなっても海外から基地を引く方向が定まっています。そのとき、日本の米軍への「思いやり予算」や自衛隊が穴埋めすることを、市民の多くは望んでいない。そのことを今度の世界会議で示すための大切な機会としたい。政府のいうことではなく、市民の願いがどこにあるか、メディアは是非是非報道してほしい。


ダグラス・ラミスさん(沖縄国際大学非常勤講師)のお話

 米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学で教えています。日米安保条約を語らないで9条を守ろうという運動があります。日米安保条約によって沖縄には(全日本の)75%の米軍基地がありますが、そのことをなるべく議論をしない9条運動が存在しています。この問題についてなるべく議論せず、日米安保をタブーとするような運動。9条を守りましょうと言いながら、そのことに触れない。

 9条の意義は、「米軍に守ってもらって、自分たちは戦争に行きたくない。その代わり米軍に守ってもらいたい」ということだったら、国際会議を開く必要はないと思います。気持ちはわかりますが、その国際会議はタブーを破って、米軍基地が日本にあるということを充分理解した上で9条を議論する、ということならとても意義があると思います。

 多くの人は心の奥で、米軍が日本からいなくなると怖くなるのではないかと思っているのではないか。9条の運動をやっている人からそう言われたことがあります。基地がなくなると危ないと言われたこともあります。しかし、米軍はイラク戦争に勝っていません。気づいていない人が多いと思いますが、第2次世界大戦のあと、アメリカは大きな戦争では1つも勝っていません。

 朝鮮戦争は引き分け。ベトナム戦争は見事な敗北。第1次湾岸戦争が勝っていれば、第2次湾岸戦争をする必要はなかった。いまイラクで負けているし、アフガニスタンでもどうも負けそうです。勝ったのは、グラナダとパナマへの侵略だけ。そのような国と軍事同盟をつくって安全だと思うこと自体が危ない。

 沖縄の暴行事件を沖縄の新聞は毎日トップで報じています。新聞報道によれば、この海兵隊員は自分の家に中学生を連れていって断られ、暴行しています。男の立場から言えば、自分の家を教えてから犯罪を起こすことはありえない。戦略的に賢くない。それで捕まった。その人は極端に愚かなやつか。でも、そうじゃなくて、(被害者は)警察に絶対行かないという自信があったのではないか。そっちの方だと思うんですね。

 こういう被害に遭っても警察に行かず、泣き寝入りをする女性は多い。その海兵隊員は自信があった。強姦しても平気だ、と思っていたことがこの事件の構造から読み取れる。そういう人たちが安全を守ってくれているとは、基地の近くに住んでいる人はまったく感じていない。その人たちがいるとかえって怖い、危ない、危険だ(と思っている)。沖縄で基地の近くに住んでいない人間はいないから、今回の事件のように(米軍が日本を)守ってくれるという考え方はまったく通用しないことがわかります。


小森陽一さん(東京大学教授)のお話

 イージス艦の事故は、漁船との衝突事故の前にイージス艦がなにをやっていたか、そのことがわからないと本質が見えてこない。このイージス艦は、1月21日から25日までハワイでアメリカとのミサイル防衛計画の対空ミサイルの発射実験をやった帰りだった。平和な海であるはずの太平洋が日米軍事同盟によって汚されたのが、この事故を生み出した要因だと認識しなければならない。

 アメリカ軍はこの太平洋で2月21日に操作不能となった人工衛星を対空ミサイルで打ち落とした。これは太平洋が世界の宇宙戦争の舞台になる可能性を示している。そして同じ日、インド洋の給油が再開された。インド洋も日米安保に基づく戦争の海になろうとしている。日米安保条約こそが世界を危機に陥れている、それが9条の考え方に反することであることを改めて日本から発することによって、唯一の被爆国である日本からこそ本当の意味で核を廃絶する平和への道筋ができることを、世界に示す大きな機会としたい。

 最後に、吉岡さんから、今回のイージス艦と漁船の衝突事故について、9条世界会議日本実行委員会から「事故の真相究明と9条遵守の安全保障政策を求める声明」を出すことが伝えられました。吉岡さんは「自衛隊や米軍基地を縮小、撤廃していくべきだ。外交で安全保障をやっていく。それをしないから何度も同じような事故が起こる。そのことを訴えていきたい」との発言がありました。

質疑応答

質問: 洞爺湖サミットに向けた訴えかけと活動は?
答え: 軍事費削減が大きなテーマ。世界の軍事費を削減し、環境や貧困問題に向ける。そのことを最終文書に盛り込む。7月のサミットに提出したい。

質問: 「9条世界会議」に、9条の会など草の根の取り組みをしている人たちの活動をどのように生かしていくのか? また、実行委員会はどういうふうに構成されて、どんなふうに運営しているのか?
答え: 広範な草の根レベルで広げていきたい。9条は日本だけではできない。相手と話し合わなければならない。9条は世界とどう向き合うのか、市民が主体となって世界に発信していく。実行委員会については、07年1月に実行委員会を立ち上げた。50団体・個人が参加し、月1回会議を開きながらやってきた。20くらいの自主企画が決まっている。ブースの展示は60枠きている。草の根団体から応募がきている。

◇ ◇ ◇

関連記事:
・9条を巡る「断層」
・「護憲運動の重要性と限界」 C.ダグラス・ラミスさん講演会
・立ち上る市民〜「9条世界会議」 来年5月開催

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