★阿修羅♪ > 憲法2 > 198.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.kamiura.com/new.html
少女暴行 米兵逮捕
普天間移転に暗雲
(産経 2月13日 朝刊)
[概要]沖縄で中学3年生の少女(14)が米海兵隊員に暴行される事件が起き、政府が進める普天間飛行場移転問題に暗雲が漂い始めた。
政府は沖縄県と移転先になる名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部の環境影響評価(アセスメント)調査を月内開始で合意している。しかし繰り返される同種の事件に対し、政府が抜本的な再発防止策を打てなければ、再び県民世論の反発を受けて、移転計画が暗礁に乗り上げる可能性もある。
政府は山口県岩国市の市長選挙で空母艦載機の移転容認派が当選したことで「米軍再編が着実に進む環境ができた」(町村官房長官)と期待していただけに、事態の沈静化に追われている。政府・与党の幹部には、1995年に沖縄で起きた女子暴行事件で、米軍基地返還運動が高まり、普天間飛行場の返還に合意するきっかけとなったことが脳裏をよこぎっている。
石破防衛相は12日の記者会見で、日米が共同で再発防止策を検討する考えまで踏み込んだ。背景には米軍による再発防止策が実を挙げていないことへの根強い不信感がある。福田首相は米軍再編を最重要課題の一つにするが、関係自治体で駐留米軍への信頼が揺らげば、政府の努力も水泡に帰す。外務省は藪中外務事務次官が在日米大使館のドノバン臨時代理大使を呼び、綱紀粛正を要請した。また13日には小野寺外務副大臣を沖縄県に派遣し、米軍との折衝に当たらせる考えだ。
[コメント]この女子中学生への暴行事件を米軍再編問題と切り離せという主張がある。沖縄の反米軍・反安保サイドがこの事件を活用し、米軍基地への反対運動を高めるからだそうだ。あくまで暴行事件は刑事事件であって、米軍再編や普天基地移転は政治・安保上の問題だから違うという。
しかしそれは被害者側の立場を無視した手前勝手な論理でしかない。この異常な犯罪を生んだ土壌こそ、沖縄の米軍基地問題があるからだ。もともとの元凶を無視して、そこから派生する悪だけ対処しても解決策にはならない。
ところで沖縄に転勤した自衛官が米軍嫌いになるのが多いということをご存じだろうか。転勤で沖縄に住んで初めて米軍基地の大きさに驚き、沖縄で米兵の勝手な振る舞いに嫌気がさすという。沖縄に勤務した自衛官は「ここは日本だ。アメリカではない」という気持ちが強まると聞いたことがある。
ともあれ今回の暴行事件を受けて、これから沖縄で超党派の「県民抗議集会」が開かれるかに焦点が集まってきた。もし県民大会が開催されれば、今回の暴行事件は政治問題として今後の米軍再編への影響は避けられない。もし県民大会が開催されないなら、この事件は刑事事件として日米地位協定で処理されることになる。すべては沖縄の人々の怒りの程度が今後の推移を決定することになる。
間違っていけないのは、今後の推移を決定するのは政府や在沖米軍ではない。あくまでも沖縄県民の感情である。その県民感情に政府もアメリカも鈍感である。