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今こそ国際安全保障の原則確立を、日本は国連の活動にのみ参加、米国の戦争への参加は憲法上不可、民主党代表 小沢一郎
http://www.asyura2.com/07/kenpo2/msg/145.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2007 年 10 月 14 日 21:57:19: 4sIKljvd9SgGs
 

今こそ国際安全保障の原則確立をhttp://www.dpj.or.jp/special/jieitai_kyuyu/sanko.html
9月23日
民主党代表 小沢一郎
日本は国連の活動にのみ参加
米国の戦争への参加は憲法上不可
小沢一郎代表 『世界』11月号(10月9日発売 反論寄稿 公開書簡 国連本部政治局政務官 川端清隆様)の要旨。


 日本の国連中心主義と日米同盟の「ねじれ」について先に結論を申し上げると、私は、日本のやり方次第で「ねじれ」は解消できると考えます。国連中心主義と日米同盟は全く矛盾しない、むしろそれを両立させることによって日本の安全が保障されると主張しています。

 現実に、米国はもはや、一国で世界の平和維持、すなわち国際社会の警察官の役割を果たすことが不可能になっています。今日のアフガニスタンやイラクの実態は、その結果にほかなりません。米国単独では収められず、国際社会に助けを求めているのが現実ではないでしょうか。

 結局、日本国憲法の理念の通り、それはとりもなおさず国連憲章の理念の通り、世界の平和は国際社会みんなで力を合わせて守っていく以外に、論理的にも現実的にも他に方法がありません。湾岸戦争のような侵略の排除であれ、テロリズムとの戦いであれ、同じことです。

 ところが、米国は自分自身の孤立主義(単独行動主義)と過度の自負心が常に、国連はじめ国際社会の調和を乱していることに気が付いていません。本当に日本が米国の同盟国であるなら、米国にきちんと国際社会の重要な一員として振る舞うよう忠告すべきです。そのためには、日本自身が世界の平和を守るために率先してあらゆる努力をし、平和維持の責任をシェアする覚悟が不可欠です。

 俗に言う国連中心主義か日米同盟かという問題は、国際社会の平和維持に対する日本人自身の覚悟次第で解消できることです。また、それを両立させることが、本来あるべき日米同盟関係を築き上げることになると、私は確信しています。

 次に、我が国の安全保障の原則について私の見解を申し上げます。

 言うまでもなく、日本国憲法第9条は国権の発動たる武力の行使を禁じています。国際紛争を解決する手段として、自衛権の発動、つまり武力の行使は許されないということです。したがって我々は、自衛権の行使(武力の行使)は我が国が直接攻撃を受けた場合、あるいは我が国周辺の事態で放置すれば日本が攻撃を受ける恐れがあるという場合に限定される、と解釈しています。

 しかし、一方において日本国憲法は、世界の平和を希求し、国際社会で名誉ある地位を占めたいと、平和原則を高らかに謳っています。そのためには、国連を中心とした平和活動に積極的に参加しなければなりません。それが憲法の理念に適うものだ、と私は考えています。

 ところが、自民党政府(内閣法制局)は今も、国連の活動も日本の集団的自衛権の行使に当たると解釈し、したがって国連憲章第7章第42条に基づく武力の行使(PKO、国連の認める多国籍軍等を含む)に参加することは憲法第9条に違反する、という解釈を続けています。では、それならなぜ、アフガンで「不朽の自由作戦」を主導する米軍を自衛隊が支援できるのでしょうか?集団的自衛権の行使を、ほぼ無制限に認めない限り、日本が支援できるはずがないのです。

 湾岸戦争時の内閣法制局の憲法解釈は、国連活動の後方支援であっても、武力の行使と一体のものだ、だから、それに参加することは憲法第9条に抵触する、という論理でした。

 後方支援すなわち兵站線こそ、戦争の行方を決する最大の要素であり、その意味で後方支援は武力の行使と一体だというのは、正しい認識です。しかしそれなら、いま、国連活動でもない米軍等の活動に対して補給すなわち後方支援をやっていることについて、内閣法制局はどんな詭弁を弄しているのか。アフガンについても、イラクについても同様です。後方支援は武力の行使ではない、戦争するわけではないから問題はない、と自民党政府は言う。正に、子どもにも通用しない詭弁を弄して、現実に海外派兵を行っているのです。こんないい加減な国が他にあるでしょうか。

 私は、日本国憲法の考え方からいって、米国であれどの国であれ、その国の自衛権の行使に日本が軍を派遣して協力することは許されないと解釈しています。同時に、国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致するという考えに立っています。

 分かりやすく説明します。自衛権は正当防衛と言い換えられます。例えば、お巡りさんは自分自身の正当防衛権(国家では自衛権)に基づいて、銃器を所持し、強制力を行使し、必要な時は武力を使うことが許されているのでしょうか。そうではありません。それはあくまでも、社会の役割として警察官に与えられた権能であって、警察官個人の正当防衛ではありません。また例えば、たとえ自分の目の前で殺人が行われても、一般国民はその犯人を殺してはなりません。それはリンチにほかならず、絶対に許されないことです。

 そのことを国際社会に当てはめて考えてみると、よく分かります。国際社会で合意を得ないまま勝手に武力を行使するのは、リンチでしかありません。それを認めたら、国際社会の秩序と平和を保つことはできません。つまり、個々の国家が行使する自衛権と、国際社会全体で平和、治安を守るための国連の活動とは、全く異質のものであり、次元が異なるのです。国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。

 私は、国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動に日本が参加することは、アフガンのISAF(国際治安支援部隊)であれ何であれ、何ら憲法に抵触しないと言っているのです。もちろん、具体的にどんな分野にどんな形でどれだけ参加するかは、その時の政府が政治判断をして決めることです。

 テロリズムとの戦いは、米軍の軍事行動に協力することではありません。実際上は、出入国管理や金融管理から始まっていることであり、あらゆる場面でテロに毅然とした態度をとり続けることが戦いの要諦です。もちろん、今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、ISAFへの参加を実現したいと思っています。我々は米軍活動という枠組みから離れ、ISAFのような明白な国連活動に参加しようと言っているのです。

 イラクについて言えば、イラク特措法の根拠とされている国連決議1483号(2003年5月採択)は、米英主導の治安維持を認めただけであり、多国籍軍の設置をオーソライズしたものではありません。また、前述したように、私の主張は、国連の決議に基づいて参加する活動は日本国憲法に抵触しないということですが、合憲なら何でもやるということではありません。国連の決議があっても、実際に日本がその活動に参加するかしないか、あるいはどの分野にどれだけ参加するかは、その時の政府が総合的に政治判断することです。

 たとえ、あとになってから出された国連決議で形式は整ったとしても、政治の判断としては、大義のないイラク戦争に自衛隊を派兵することには賛成できません。

 最後に、もう一つ重要な点を付け加えます。紛争やテロの根底にあるのは貧困という人類の根本問題だ、ということです。貧困を一つ一つ克服し、人々の生活を安定させることが、何よりも大事なことなのです。

 アフガンは本来、食料自給率が90%以上で、自給自足で生活していましたが、戦争と大干ばつで自給率が40%以下に下がり、医者にかかるより先に、まず食べなければ死にそうだという悲惨な状況にあります。

 政治の使命、役割は結局、「民のかまど」を豊かにすることに尽きます。仁徳天皇は、民のかまどから煙が立っていないのを見て、民の困窮を悟って税を免除したと伝えられています。皇居は朽ち果て、修理する費用もなくなりましたが、国中の家々から煮炊きの煙が再び上がるようになって、仁徳天皇は「私は豊かになった」と語られました。「天皇の位は、そもそも人々のために作られたもの」という仁徳天皇の言葉にこそ、政治の本質が示されていると、私は思います。政治がまず一生懸命に考えなければならないことは、昔も今も、「どうやってみんなが豊かに、幸せに、そして安全に暮らせるようにするか」ということです。

 どんなに困難であっても、どんなに時間がかかろうとも、貧困を克服し、生活を安定させることこそが、テロとの戦いの最も有効な方法であると、私は確信しています。銃剣をもって人を治めることはできません。それが歴史の教訓であり、幾多の戦争の果てにたどり着いた人類の知恵なのです。

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