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http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/shirokuro/news/20070817ddm013070056000c.html から転載。
憲法9条 改憲に賛成?反対?
◇生活とともにある目で、もう一度考えよう
また8月がやってきた。この季節になると全マスコミで、あの戦争とはなんだったのかという検証がおこなわれる。国民の側もしっかりと、こたえているようだ。それはこの62年間変わることはなかった。そのことを、まずぼくは誇りに思います。
今回の白黒はすこしシリアスだし、言葉も硬くなるかもしれない。でも、細かな法律上の解釈ではなく、ぼくたちの暮らしにまっすぐつながる問題として、9条をいっしょに考えてみましょう。
では、メールで圧倒的に少数だった、改憲賛成派からいきます。「9条2項の軍隊を保持しないというのは、現実とまったく乖離(かいり)している。自衛隊を軍隊と認めて敬い、自国を守る専守防衛に専念すべきだ」(大阪府吹田市・敬司さん)。なるほど、それは形としてはすっきりする。「改憲は必要。時は流れ、戦争自体が変わってきた。自国だけで生きているわけではないから、時代の流れに沿って細かいことも変えていくべきではないか」(愛知県阿久比町・ひまわりさん)。この人は47歳主婦。憲法が細かいことなのか、やや疑問。「賛成です。といっても、一切の拡大解釈を許さないほど厳格に軍事力を放棄する方向に改正したい。初めは防衛の名のもとに軍事行動を起こし、やがて過剰防衛から侵略につながっていくのだから」(兵庫県三田市・MOMOさん)。逆方向の改正もまた視野にいれておいていいかもしれないね。
実は以上の3通をふくめて、賛成派のメールは両手であまる数しか届きませんでした。残りは圧倒的な反対派だった。こちらのトーンは厳しいですよ。
「変える理由がわかりません。押しつけ憲法だからなんてのはナンセンス。押しつけられて改憲するくせに」(静岡県下田市・匿名さん)。うん、確かにどちらの場合も超大国の影がさしているね。「現在、日本の大学院で日独の戦後処理の比較研究をしています。9条が日本の国際社会への復帰、近隣国との信頼関係の構築に非常におおきな役割を果たしてきたことを強く印象づけられました。憲法改正が今なお国家関係が不安定な北東アジアで新たな緊張を呼び起こすのではないかと懸念しています」(東京都八王子市・匿名さん)。この人はドイツ人の留学生。9条の果たした客観的な働きは、これに尽きると思う。「絶対反対です。わたしは広島巡業中被爆した移動演劇隊『桜隊』メンバーの遺族です。ハタチのわたしがいうのもなんですが、戦後世代の政治家たちは戦争のほんとうのおぞましさをしらなさすぎる」(東京都台東区・まやさん)。そういえば軍艦の模型が大好きな防衛庁長官もいたよなあ。「反対です。今年男の子を出産してから、その気もちはすごく強くなりました。戦争なんかにやるために、子どもを育てる母親など皆無です」(東京都杉並区・おりっぺさん)。わかるよ、結局どんな兵士も母の子だものね。
今回は男女で比率がまったく違っていた。女性は8割を超える人が9条改正には反対なのだ。よって今回の白黒は、またも女性陣の肩をもたせてもらいましょう。憲法改正はクロということで、とりあえずの決着です。では、最後のメールいきますよ。
「初めてメールします。わたしは塾の講師で、中学生に社会を教えることがあります。彼らにとって太平洋戦争をしることは、平安時代や江戸時代の歴史を覚えることと同じようです。わたしをふくめ、戦争を体験していない世代が増えました。これはたいへんありがたいことだと思います。憲法9条がどのように生まれたかを伝えずに改正しようとすることには反対です。改憲に賛成反対を問うまえに、国民全体が憲法をもっとよくしる必要があると思います。言葉尻をとらえて、時代にあわないなどというのでなく、憲法の精神をしったうえで、今なぜ改憲なのか、自分の問題として考えるべきなのではないでしょうか」(北九州市・匿名さん)。そうやって考えるためにも、夏休みはいい機会かもしれないね。勇ましい言葉や賢すぎる言葉よりも、生活とともにある目で憲法をもう一度考えてみようよ。ねえ、みなさん。
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◇次回は「昔の男と今の男、どっちが魅力的?」=31日掲載
次回の問いは「昔の男と今の男、どっちが魅力的?」です。ネット投票とコメントをお待ちしています。
22日まで投票を受け付け、結果は31日の本欄で紹介します。
投票はMSN毎日インタラクティブの「暮らし」のページ(http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi)。また携帯電話の「毎日新聞・スポニチ」サイト(<右>のQRコードを読めば直結、一部機種除く)からも投票できます。
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<有効票数>3068
(男1318、女1750)
((1)は賛成、(2)は反対)
<全体>
(1)28.5%(2)71.5%
<男女別>
男(1)43.6%(2)56.4%
女(1)17.1%(2)82.9%
<年齢、男女別>
10代以下男(1)45.0%(2)55.0%
10代以下女(1)31.4%(2)68.6%
20代男 (1)48.9%(2)51.1%
20代女 (1)17.6%(2)82.4%
30代男 (1)46.3%(2)53.7%
30代女 (1)18.8%(2)81.2%
40代男 (1)43.0%(2)57.0%
40代女 (1)15.4%(2)84.6%
50代男 (1)36.0%(2)64.0%
50代女 (1)12.6%(2)87.4%
60代男 (1)25.6%(2)74.4%
60代女 (1)10.8%(2)89.2%
70代以上男(1)18.2%(2)81.8%
70代以上女(1)16.7%(2)83.3%
毎日新聞 2007年8月17日 東京朝刊