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筆洗 【東京新聞 コラム】 2007年8月5日
先の参院選挙の結果をめぐり覚えておきたいデータがある。当選した人の過半数、正確には55・7%の人が憲法九条の改正に反対しているという。共同通信社が公示前に行った全候補者アンケートを分析した結果である▼自民党が設置した参院選の惨敗を総括する委員会では、年金や政治とカネの問題、閣僚の不始末という三点セットと、地方の自民党支持層の離反が敗因として挙げられている。それは当然のことだが、九条改正路線の敗北という総括を付け加えることもできよう▼選挙の大きな争点になっていないとの反論はあるかもしれない。でも強烈な改憲論者である安倍晋三首相の登場で、九条の行く末に思いをめぐらす人は増えているように思う。改憲手続きを定めた国民投票法も成立したため、一層無関心ではいられない▼首相は三年後の改憲発議を目指しており、今回と三年後の参院選、次の衆院選を一つの選挙ととらえている。最後には衆参両院の三分の二以上を九条改正派で占める。これが目標になるが、初戦の敗北で次からは圧勝を続けるしかない▼もともと簡単な道ではないので、首相は以前から九条の改正に近い成果を別の手段で得ようともしている。集団的自衛権の行使を禁ずる政府の九条の解釈を見直すことにほかならない▼ここで覚えておきたいデータは、公明党の当選者全員が見直しに反対であることだ。首相が事を急げば、政権からの離脱論が出てもおかしくない。自分の選んだ人が六年間、どんな活動をするのか。公約集は捨てないで持っていよう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2007080502038683.html