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メシが食えないお役人多数放置……これが「公務員制度改革」か? 2007/07/21
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「メシが食えない先生」の次は、「メシが食えないお役人」です。国が率先して「ワーキングプア」をつくっているんだから話になりません。
国家公務員一般労働組合が、このほど調査結果をまとめました。
私は、自治体や、独立行政法人の状況はよく存じているつもりでしたから、その内容には驚きはしませんでした。しかし、改めてあきれ果てています
要点は以下です。
・国家公務員の4分の1が非常勤職員でひどい状況にある。それが、「消えた年金」問題の背景にもある。
・「職場で「バイトさん」などと呼ばれる非常勤職員であるが、任用上は国家公務員であるため、労働基準法や労働組合法は適用されず、法のはざまに放置されたままになっている」(http://kokkoippan.cocolog-nifty.com/より)
そして、中には雇用期間が6カ月を超えると与えられる有給休暇を与えないために、6カ月直前にいったん解雇してまた雇う脱法行為をしている官庁もあったというのですから、あきれてものが言えません。
また、同組合によると、社会保険庁では、正規職員が不祥事の弾除けに非正規職員を利用している観もあるということです。結局、政府は何を考えているのか?以下のようなことでしょう。
「常時勤務を要しない臨時的業務とか変動的な業務に対応する、……業務の実状に応じてその都度採用して、必要な期間だけ雇用するもの」とし、それゆえに、非常勤職員の賃金をはじめとする処遇の統一的な実態調査にはなじまないと主張する。
しかし他方で政府は「(社会保険庁の)徴収事務は、国庫金の徴収についての信頼性を確保しなければならないこと、未納者から保険料を徴収する事務であり、高い能力が必要であることから、正規職員が本来実施すべきところでございますけれども、国の定員削減により増員が困難でありますことから、非常勤職員をもって対処しているところであります」と「本音」をのべている。
まとめると、「建前」は臨時だから処遇は悪い。非常勤というのは女性や若者が多い。「親や夫に食わしてもらっているんだから安月給でいいだろう。社会保険などセーフティネットもなしでよい!」というジェンダー差別、若者差別が根深く残っている。
しかし、「定員削減」の穴埋めで非常勤を雇うので、実際は、「仕事は正規職員並み」。こういう最悪のことになっているわけです。社会保険庁などでも、最前線で国民の批判を浴びるのは彼女ら、彼らです。より、現場で働く人ほど、高級官僚による、「弾除け」にされるのです。
むろん、正職員の組合も、男性が幹部を占めているために、こういう問題への対応がおろそかになる。そのために、結局非正規雇用が拡大し、自分たちも多忙になり、首を絞める結果になっているのは残念です。
愚考しますに、「えらい人」による、「天下り」を廃止して、税金を節約する。一方で、現場や実際に下で仕事を支えている人の待遇を、手厚くしても、何の罰は当たらないのではないでしょうか?
安倍総理は「公務員制度改革」を言うなら、骨抜きの「天下り規制法」などではなく、非常勤の待遇改善を行い、もって、公務の質の向上を図るべきではないでしょうか?
この問題が解決できない安倍総理や自民党に「格差是正」などできるはずがありませんし、「公務員制度改革」もその名に値しません。
総理は、高級官僚の利権は温存、一方、現場労働者はバッシングされるという、最悪の結果をまねいて(あるいは、意図して)います。
まさに、安倍総理こそは、御内人(北条氏の側近=ここでは、耳障りのないことばかりを総理に吹き込む政治家や知識人たち)ばかりを優遇し、御家人(ここでは現場の公務員)を大事にしないで、自己満足の「改革」という名の「田楽」にふける、平成版・北条高時ではないか、と憤りを覚えます。
このような総理大臣が言う、「再チャレンジ」も、「美しい国」もブラックジョークです。
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(さとうしゅういち)
JANJAN
http://www.news.janjan.jp/government/0707/0707209406/1.php