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永田町コンフィデンシャル 第8回(2007年05月23日)
憲法を政争の具にすべきではなかった
ゲスト:野田毅氏(衆議院議員)
http://www.videonews.com/nagata/001010/001086.php
http://www.videonews.com/asx/confidential_backnumber_pre/confidential_008_pre.asx
多くの自民党有力政治家が、1993年の政界再編以来、小沢一郎氏(現民主党代表)と政治行動を共にしてきた。3度の大臣経験がある元大蔵官僚の野田毅氏も、その一人だ。野田氏は小沢氏らにやや遅れて94年に自民党を離党し、新進党の結党に参加。その後自由党、保守党を経て、02年に自民党に復党するまでの約10年間、政界再編の余波に揉まれてきた。
その野田氏は今日、かつての同志・小沢氏を「政策の人ではなく、政局の人」とバッサリと斬り捨てる。現在小沢氏が打ち出している様々な政策も、実際は本人の信念に基づくものではなく、あくまで政局を有利に運営するためのツールに過ぎないと野田氏は見ている。だから、最初から実現の可能性が無い政策でも、選挙で役に立つと思えば、臆面もなくそれを取り上げることに小沢代表はためらいがないと、野田氏は政治家小沢一郎の姿勢を厳しく批判する。
野田氏は、先日の国会で国民投票法案が与党の強行採決となってしまったのも、小沢氏の政局戦略に原因があったと言う。憲法改正を参院選の争点にしたい小沢氏は、自民、民主両党の担当者が実質的には合意に達していた法案を直前で却下した。改憲には両院のそれぞれ3分の2の賛成が必要なため、法案の実効性を確保するためには民主党の協力は不可欠と考えた自民党は、民主党の要求の前に妥協に妥協を重ねたが、最後は民主党案の丸呑み以外は小沢氏が承諾しないことを悟り、与党の単独採決となったのだった。
改憲主義者を自認する野田氏はこの法案が民主党の協力無しに採決されたことで、自民党と民主党の信頼関係が損なわれ、結果的に憲法改正の可能性が遠のいたことを残念がる。
また、外交通として知られる野田氏は、安倍政権の外交政策に対しても、一定の距離を置いて見ている。「隣国の反対を押し切って靖国参拝をするべきではない」と小泉前首相を真っ向批判してきた野田氏は、二元外交の批判を受けた山崎拓氏の北朝鮮訪問についても、「外交でひとつの見方にこだわり、ひとつのチャンネルに頼るのは危険だ」と語り、一定の理解を示す。
政界再編の渦の中で政界の裏も表も見てきた野田氏に、安倍政権への評価から、対中・対北朝鮮・対米外交、靖国神社問題、憲法改正問題、そして次なる政界再編の可能性まで問うた。
ゲスト プロフィール
野田 毅のだ たけし
(衆議院議員)1941年東京都生まれ。東京大学法学部卒。64年大蔵省に入省。保土ヶ谷税務署長などを経て、72年衆院初当選(自民党)。商工委員長、建設大臣、経済企画庁長官などを歴任。94年自民党を離党し、新進党結成に参加。自由党、保守党を経て01年保守党党首に就任。02年自民党に復党。現在、党衆議院議員総会長、党中小企業調査会長。当選12回(熊本2区)。