★阿修羅♪ > 憲法1 > 444.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 焼け跡から生まれた憲法草案(ETV特集) 投稿者 gataro 日時 2007 年 5 月 07 日 09:15:15)
http://plaza.rakuten.co.jp/kidsbasecamp/diary/200702110001/ から転載。
2007年02月11日
焼け跡から生まれた憲法草案 「ニュース(65535)」 [ 時事・社会 ]
土曜日の夜、池田さんの紹介でNHKのETV「焼け跡から生まれた憲法草案」という番組を見た。
安倍内閣や自民党辺りで憲法改正論議があるが、改憲論者の主張の一つに「敗戦後に米国から押し付けられたものだから」という押し付け論がある。
ポツダム宣言を受け入れたことで国際法上、天皇に全権を持たせる明治憲法を改正する必要ができ、当時の幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)内閣の下、松本国務大臣を長とする憲法問題調査委員会が政府案を起草し始めた。
時を同じくして「憲法研究会」という鈴木安蔵をはじめ戦時中投獄されていた当時の憲法、法律の学者の集まりが民間から民主的な憲法を作ろうとしていた。この会の草案には、主権在民や天皇の役割を儀礼的なものに限定すること、基本的人権の保障などが盛り込まれていた。
鈴木作蔵は大正デモクラシーの吉野作蔵との交流、明治時代の自由民権派、植木枝盛の憲法私案などの影響を強く受けていた。他のメンバーもドイツのワイマール憲法から生存権(文化的生活を送れる最低レベルの保障を政府がすること)を主張した森戸辰夫、高野岩三郎、馬場恒吾、岩淵辰雄、室伏高信、杉森孝次郎の七人が参加。アメリカの独立宣言やフランス革命の人権宣言、ロックやルソーといった各国の思想家や憲法を取り入れ、日本に合った独自のものを創ろうとしていた。
毎日新聞が憲法研究会の草案を記事にすると、すぐにGHQは反応しマッカーサーの配下のラウエル法規課長(陸軍中佐)=弁護士にこの案の評価を指示。ラウエルは極めて民主的な案であると評価したが、不足事項として憲法が全ての法律に優先する最高法規であることと違憲立法審査権を裁判所に与えることを加えるべきと指摘した。
その後、松本案(政府案)が毎日新聞に掲載され、その案が天皇の統治権の護持を基本とするものであったため、マッカーサーは即座に反応し、GHQ民政局長ホイットニーが、ケーディス民政局次長(陸軍大佐)、ラウエル法規課長(陸軍中佐)、ハッシー陸軍大佐の三名の幕僚に起草作業案作成を命じ、日本案がGHQに示されたわずか5日後に日本政府に逆提案された。このGHQ案は憲法研究会の民間草案に非常に近いものだった。
その後日本政府はGHQ草案を翻訳したものに少し修正を加え、国会の審議を経てさらに幾度か修正を加えた後、公布された。
賛否両論はあるが結果的には押し付けられた一面は否定できない。
しかし憲法が押し付けられたと主張する人、憲法を改正したがっている人の多くが、
権力者であることには注意が必要だ。
そもそも憲法とは国の最高法規であるだけでなく、根本的にその法の目的が一般の法律と180度異なる。
一般の法律は国家が国民を統治するために必要なもの。近代憲法では個人の権利、自由を尊重する内容になっているが、個人と個人の利害がぶつかり合う時、無秩序な混乱を避ける上での調整機能が必要であり、その役目が法律になる。
一方憲法とは国家権力の行使に歯止めをかけ、間違った法律を作らせないための権力者へ向けた制約である。これが近代憲法の大原則。
私も恥ずかしながらこの原則を知らずに社会に出た。政治に関心を持つようになってから知ったことだが、この大原則が欠落した憲法改正論議が新聞でも展開されているように思えてならない。
憲法の改正の議論は国民の政治への関心を呼び覚ます上でとても良いこと。
改憲であるとか護憲であるとかの主張の前に、子どもたちの未来のため、
権力者に都合のいいようにされないよう、憲法とは何か、国民1人1人の認識が大切になる。
憲法をやさしく学べる良書を紹介。
高校生からわかる日本国憲法の論点 伊藤真[著]
http://www.transview.co.jp/books/4901510339/top.htm
著者の伊藤さんの憲法史の認識には民間の私案の話は出てこないが、
改憲論でもなく護憲論でもない中立的でわかりやすい書籍は少ない。
伊藤さんの書籍にもあったかと思うが、憲法改正の世論調査を見ると、改正賛成の人の中にも
改正したいポイントが少しづつ異なる。
国民投票の具体的方法も決まっていないが、ある一つの案に賛成か反対か問われても、Aの修正には賛成でもBの修正には反対とか、一度に結論を出すことは非常に難しい。
なぜ今改正する必要があるのか、どこを修正する必要があるのか、議論のポイントが明確になれば良いと思う。
NHK ETV 焼け跡から生まれた憲法草案
tp://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2007/0506.html
憲法改正に関する世論調査
http://www.k3.dion.ne.jp/~keporin/siryou.htm#tyousa