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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080526-00000009-gen-ent
中国・四川大地震は、死者7万人超の可能性が出てきた。だが、本当の“修羅場”は、その後の避難生活から始まる。95年の阪神・淡路大震災でも放火や略奪、性犯罪が続発した。30年以内に70%の確率で起こると予想される「首都直下地震」。アナタは家族を守れるか。「防災システム研究所」所長の山村武彦氏に聞いた――。
●首都直下「30年以内に70%」
もし東京や大阪で地震が起きたら、「ひとまず他県の旅館や田舎に戻って復興を待てばいい」と安易に考えている人もいるでしょう。
しかし、それは家族全員が五体満足であるというのが前提です。東京湾北部地震(マグニチュード7.3を想定)ですと、死者数は最大1万1000人。重軽傷者は21万人にも上ります。幼い子が骨折し、老親がやけどを負った場合、病院や仮設療養所で付き添いの看護が必要で、疎開するどころではない。
私は95年1月17日の阪神・淡路大震災発生(M7.3)の2時間後、神戸市のがれきの中にいました。世界中のメディアが日本人の冷静な態度を驚嘆と畏敬をもって伝えていましたが、現実はそんなきれいごとではありません。地震直後から泥棒や暴力犯罪が起き、恥ずべき女性へのレイプ事件も起こっていたのです。
地震の2日後、トラックを目撃しました。もちろん、救援なんかではない。倒壊した家屋から根こそぎ金目の物を盗みにきた略奪集団です。
若い女性が深夜、無理やりトイレに連れ込まれ、レイプされたという報告も聞いています。極限の緊張状態で、すべての男たちの精神が正常であるとは限らないのです。
商店街の店主は4、5人単位で武装し、略奪者から商品を守るため不寝(ねず)の番をしていました。
大地震は、生き残ってからが本当のサバイバル。アドバイスはこうです。
(1)まず、避難所には行ってはいけない。留守宅が強盗や放火被害に遭う恐れが高いからです。家族の誰か最低1人、自宅に残る必要があります。
(2)男手を失った家族は、近所同士で固まる。警察官OBの活用と自警団の組織も重要です。
(3)自転車やスクーターは危険。地震発生から数日、真っ先に狙われるのは移動手段です。金属バットでいきなりボカッとやられることもあり、気をつけるべきです。
(4)女性1人は絶対に避ける。ビルの間、仮設トイレなどは特に危険。
(5)帰宅困難者の移動は、同じ方向の者同士で10人単位の集団を組み、夜間の行動は控える。
防災グッズを揃えればひと安心なんて生やさしいものじゃない。放置された死体による疫病流行の懸念もある。
●四川・12万人超の兵士を動員、東京の治安対策は大丈夫か?
四川省では、自動小銃で武装した12万5000人の人民解放軍が動員され、暴動や略奪犯にも目を光らせている。
東京都の治安対策はどうなっているのか。
「約4万人の全職員が総動員体制で災害救助を担当するが、具体的な治安対策についてはシミュレーションはない」(東京都総合防災管理課)
「4万4000人の警察官で対応します。ただ、治安維持だけが任務ではなく、機動隊員は救助活動、交通課は交通整理、刑事部は死体処理にあたることになる。足りない人員は、他県からの応援をあおぎます」(警視庁災害対策課)
ほかに6万人の学校教職員、1万7000人の消防職員、7万1000人の区役所職員も対応するが、実際の警備体制は「地震が来てから考える」(関係者)という頼りなさだ。頼れるのは、自分だけと思っていい。
政府の地震調査研究推進本部は、今後30年以内に首都圏でM6.7〜7.2程度の地震が起こる確率を、70%程度と予想。宮城県沖(M7.5)が99%、東海(M8)は87%、東南海(M8.1)も60〜70%としている。
日本中、いつどこで地震が起きても不思議じゃない。
●「幼児への性的虐待があった」
実際、どんな犯罪被害が報告されているのか。「災害と女性情報ネットワーク」が、阪神・淡路大震災の事例を紹介している。
〈お風呂に入りたい女子学生が、解体現場に連れ込まれ複数で輪姦された〉〈電柱に張ってあった就職案内のビラを見て面接に行ったビルでレイプされた〉〈風呂にのぞき穴がたくさんあった〉〈避難所の校庭で遊ぶ幼児への性的虐待があった〉〈性的被害にあったが、加害者も被害者だからと(擁護する)声もあった〉
また、新潟県中越地震では、自衛隊員や消防関係者をかたる振り込め詐欺が横行。中国では、公的機関を装ったサイトを設け、義援金を詐取する新手も出始めている。