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□<中越沖地震>ネコ消えた被災地 野生の本能で危険避け? [毎日新聞]
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<中越沖地震>ネコ消えた被災地 野生の本能で危険避け?
7月26日14時52分配信 毎日新聞
新潟県中越沖地震後、震度6強を観測した柏崎市内で「ネコの姿を見かけなくなった」と住民の間で話題になっている。地震による動物の異常行動は95年の阪神大震災や04年の中越地震でも明らかになっている。地震の影響でネコが町から消えてしまった理由は?【関東晋慈】
「そういえば、いないな」。柏崎市内に住む男性は地震発生から1週間がたった23日、飼いネコがいなくなっていることに気付いた。この1週間、「自分たちのことで手いっぱいだった」。急いで保健所に電話した。日本ネコの交配種で毛並みが長く、右ほおにほくろがある。写真を持って保健所や県獣医師会などが設置した動物救済本部を訪れたが、情報はなかった。
県柏崎地域振興局によると、柏崎市、刈羽村に狂犬病対策のため登録されているイヌは4145匹。ペットフードの出荷量などから、ネコはその2〜3倍はいると推計され、野良ネコを含めると市内に1万匹以上いるとみられる。だが地震以降、エサの豊富な避難所周辺でもネコが歩く姿は見かけなくなったという。
柏崎保健所に設置された救済本部には、25日午後2時までに一時預かりやエサの提供など、動物に関する相談が計151件あった。うちイヌの行方不明の相談は3件、ネコは15件。中越動物保護管理センターの阿部久司副参事は「動物パトロールをしているが、特定のネコを捜すことは難しい」と対応に苦慮している。
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太田光明・麻布大教授(人と動物の関係学)によると、群れを成していたオオカミに人間の手が多く加わったイヌに比べ、単独行動でエサを取れるネコは、より野性的な本能を残している。そのため地震に対して敏感に危険回避行動を取り、安全な場所に身を隠していると考えられるという。
救済本部はペットの一時預かりも受け付けているが、25日午後2時現在の預かり希望はイヌの19匹に対し、ネコは9匹のみ。中越地震でもペット相談に当たった中越獣医師会の諸橋一夫会長によると、中越地震よりも今回の方が行方不明になっているネコの報告数が多いという。「山古志村のような全村避難がないことや、中越地震よりも全壊家屋が少ないことがネコの不明報告が多い原因とも考えられる。被災者にとってペットは家族と同然。地震直後から相談を受け付け、できるだけ対応している」と話す。
地震発生から5日後に家に帰ってきたネコもいる。「マグロしか食べないんです。ぜいたくに育てたもので」。同市栄町の派遣社員、戸田真弓さん(54)は笑顔で7歳の雌ネコを救済本部に預けた。全壊した自宅に荷物を片付けに戻ると、倒壊した家屋の間にうずくまっていたという。「ラジオの捜索情報でずっと捜していたので、見つかってうれしい。最初は名前を呼んでも、おびえていたが、だんだん落ち着いてきた」と話す。
太田教授は「阪神大震災以来、地震によって動物がいなくなった報告例は多くある。時間はかかるだろうが、たとえ倒壊した家でもいつもの場所にエサと水、トイレを置いておくと、帰巣本能で戻ってくる可能性はある」と話している。
最終更新:7月26日14時52分