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1月16日22時32分配信 Impress Watch
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000057-imp-sci
総務省は16日、2007年11月から開催してきた「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の最終報告書を公表した。同省が今後推進すべき施策として、広く国民が違法・有害情報に取り組むための「『e-ネットづくり!」宣言」構想などを挙げている。
● 違法・有害情報対策、まずは民間の自主的取り組みで
報告書では、インターネット上の違法・有害情報への対策について、「安心を実現する基本的枠組の整備」「民間における自主的取組の促進」「利用者を育てる取組の促進」という3つの章に分けて、従来の取り組みを整理するとともに、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」(いわゆる「青少年ネット規制法」)が施行される2009年4月1日から2011年度までに講じるべき施策を提言している。参考資料まで含めると、160ページに及ぶ。
1つめの柱となる「安心を実現する基本的枠組の実現」は、対策のベースとなる法制度などの取り組みについての章だ。プロバイダー責任制限法や業界の各種ガイドラインに基づいて普段から自主的に違法・有害情報への対策に取り組んでいるプロバイダーにインセンティブを与える一方で、不適切な管理をするプロバイダーの責任を問いやすくする、「信賞必罰」的な新たな方策について具体的な検討をすべきとしている。
このほか同章では、各省庁や自治体のさまざまな取り組みも紹介しているが、青少年インターネット環境整備法の立法経緯から、「官の役割は自ずと限定されざるを得ない」として、施策の担い手として民間セクターの重要性を指摘している。
なお、その担い手としては、インターネット関連企業や有識者、PTA団体などが発起人となって「『安心ネットづくり』促進協議会」を設立することが、すでに2008年10月発表されており、近く設立予定だ。
● 2009年度中に国民運動「『e-ネットづくり!』宣言」
2つめの柱となる「民間における自主的取組の促進」の章でも、「インターネットの利用環境の整備は、法規制によるのではなく、まずは民間の自主的取組によって推進することが最良の方策」と説明。その1つとして、プロバイダーなどのインターネット事業者だけでなく、Webを活用している一般企業や、ブログでの発信者、掲示板へ書き込みを行う利用者なと、「国民の誰もがインターネットの利用環境整備に関する責任の一端を担う必要があること」を示す必要性を指摘。ハードルの高い自主規制を課すのではなく、あらゆるプレイヤーが賛同できる「自主憲章」的な目標として「『e-ネットづくり!』宣言」(仮称)による国民運動を2009年度中に実施するよう求めている。
これは、地球温暖化防止を目的に2005年4月から行われている国民運動「チーム・マイナス6%」のようなものを想定しており、「自主憲章」に賛同する法人・団体・個人が申請・登録することで「『e-ネットづくり!』宣言」を行えるようにするという。
「民間における自主的取組の促進」の章ではこのほか、児童ポルノへの対策として、ISPで一律に遮断する「ブロッキング」の実証実験に2009年度中に着手できるよう関係者間で協力するよう求めている。また、コンテンツレーティングの普及に向けた実証プロジェクトにもできるだけ早期に着手するよう求めている。
3つめの柱となる「利用者を育てる取組の促進」の章は、ネットリテラシー向上を目指すための施策を提言している。具体的には、これまで行政や学校、民間などで個々に行われてきた情報モラル教育などに加え、これらの取り組みを協調的に連携させることや、ペアレンタルコントロールの促進などが必要としている。
最終報告書を受け、総務省では同日、具体的な施策を示した「安心で安全なインターネット環境整備のためのプログラム―『安心ネットづくり』促進プログラム―」も発表した。報告書で提案された各方策について、必要な支援を行うことなどを示している。