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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu181.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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必ず「端末とネットワークを同時に進化させる必要」があるわけです。
そしてそれが出来るのが、キャリア主導で技術開発をしている日本だけ。
2008年12月9日 火曜日
◆ガラパゴスケータイの真実 12月8日 AIR-internet-EDGE
http://www.phs-mobile.com/?p=468
日本のガラパゴス化、って言う言葉が、最近富にはやっていますね。そんな中でもやっぱり多く聞かれるのが、携帯電話のガラパゴス化。今日はそんな世間の評判について、常々考えていることを一つ。
ガラパゴス化、ってのは、要するに、外界との接触を絶った状態で独自の進化をしていることを揶揄する言葉であるわけですが、確かに、日本の携帯電話業界は、世界から見てもかなり異色の進化を遂げています。
で、大体この言葉が使われる文脈としては、「このような特殊な環境で進化してしまったがために、日本の携帯電話メーカは海外で勝負できない」と言うような否定的な流れにつながっていくわけですね。しかし、私自身としては、このガラパゴス化は決して悪いものではない、と思っていたりします。
それどころか、日本はガラパゴス化さえしていない、と思うんですね。こればかりはきちんと当てはまる言葉があるわけでもないし、私が勝手に言葉を作るわけにも行かないので、一言では言いにくいんですが、あえて言うなら、日本の携帯電話は「壮大な進化実験施設」なんです。
まずもって、日本が海外と大きく異なっているのは、通信事業者、つまりキャリアが、独自に技術開発を行っている、と言うところ。例えば、携帯電話にカメラを付けるとかだったら、メーカが勝手に研究開発すれば良い話ですが、コンテンツを提供するためのプラットフォームと閲覧するためのブラウザ、料金回収代行を行うための通信ユーザとコンテンツユーザの統合システム、と言うのは、キャリアが主導で開発しないと生まれません。事実、iモードをはじめとするキャリアブランドのコンテンツプラットフォームが生まれたのは日本が世界でも最も早かった国の一つです。
ネットワーク・アプリケーションサービスと、端末、と言うのは、切っても切れない関係です。しかし現実には、端末を作るメーカはアプリケーションサービスのノウハウがありませんし、ネットワーク機器メーカはもちろん端末のことなど知りません。端末メーカは標準化された仕様にしたがって淡々と端末を作り、ネットワーク機器メーカも同じくネットワーク機器だけを淡々と作っているだけでは、いつまでたっても「新しいサービス」が生まれてこないわけです。誰かが標準化の場で「こんなことやれるようにしたら面白いんじゃね?」と提案したとしても、誰も実施していない新しいサービスが標準化され便利に使えるものになるのはかなり難しいでしょう。
例えば、WAP。端末からインターネットを見られるプロトコルを定めちゃいましょう、と言うことでiモード以前から標準化は行われていましたが、当初の完成版であるWAP1.0は、お世辞にも使いやすいものではありませんでした。端末への実装も難しいしコンテンツプロバイダに要求する技術的ハードルもきわめて高かったのです。
WAPが本格的に使い物になり始めたのは、WAP2.0から。そして、このWAP2.0が生まれたのは、何をおいても、日本でのiモードの大成功があったからです。WAP2.0ではiモードで培われた多くのノウハウが取り入れられ、結果として、WAP2.0は世界に受け入れられるものになりました。WAP2.0が生まれるには、日本と言う実験場でサービスをしてみる必要があったのです。
このように、何かを新しく始めるには、必ず「端末とネットワークを同時に進化させる必要」があるわけです。そしてそれが出来るのが、キャリア主導で技術開発をしている日本だけ。キャリアを頂点とした封建社会を築いているからこそ、新しいサービスが現れることになります。これがどうも「独自の進化」に見えてしまうんですね。実際には、日本の携帯は単に「世界の3歩先を走っている」だけなんです。
逆の例を挙げてみましょう。例えば、最近はHTがスマートフォンで盛んに日本に参入しています。もちろん、MSの推すWindows Mobileで、です。ところが、このWMスマートフォン、日本の有料コンテンツを使えません(ウィルコムだけは違いますが)。それは、有料コンテンツを端末からワンクリックで購入できるシステムに、世界がまだ追いついていないからです。海外では、いまだにいちいちクレジットカードを登録して決済するのが一般的です。このため、決済システムを独自に構築できるコンテンツプロバイダしかコンテンツを提供できず、結果としてコンテンツ市場はあまり広がりません。一方、日本ではその決済システムをすべてキャリアが肩代わりしてくれています。だから、資本金の小さなベンチャーでも気軽にコンテンツビジネスに参入できるのです。結果、日本のコンテンツビジネスは非常に活発で、毎日何百何千と言う新しいコンテンツが生まれ続けています。
いずれ、これらの「決済システムをキャリアが肩代わりする」と言うシステムに世界が追いついてくるでしょうし(一部のキャリアではすでに実施されています)、これを実現するために端末(ブラウザ)に要求される仕様も標準化されることになるでしょう。そうなれば、WindowsMobileとてその標準に対応するようになるはずです。現在は、まだその段階に到達していないと言うこと。だから、WindowsMobile端末は、いわゆる「公式コンテンツ」的なものに対応していないわけです(ウィルコムだけはかなりの荒業でこれを実現しているようですが、世界的な標準になるかは・・・多分無理;苦笑)。
最近の例で言えば、緊急地震速報やおさいふケータイなども、まだ世界的には標準が定まっていません。結果として、(キャリアからフリーの)端末メーカは何を作ればいいのかわかりませんし、端末に合わせてサービスを考えるキャリアも何を作ればいいのかわかりません。こういった新しいサービスを試すことが出来るのは、キャリアががっちりと端末メーカ、ネットワークインテグレータを押さえている日本ならでは、なんですね。この試行の結果、これが上手く行くとなれば、いずれ世界的に標準化の流れが起こるでしょうし、そうなれば○年を目処にみんなで対応しましょう、と言う話にもなるでしょう。ただ待っているだけの海外の端末メーカ・キャリアと、積極的に新領域に突撃していく日本のキャリアとそれに率いられた日本のメーカ、サービスが全く異なるものになるのは、当然と言えば当然なんですね。
最後に苦言を一つ言うなら、そもそもこういった「新領域突撃ビジネス」を支えていたのは、端末購入インセンティブ制度だったわけです。端末に依存する新サービスを速やかに広め、高めていくためには、やはり端末の買い替えをどんどんしてもらわなければならなかったわけです。そういった「うやむやゾーン」を「悪」として是正を求めた総務省に対しては、改めて「バカ」の言葉をお送りします。おかげで端末は新しい技術の要らない外装焼き直しみたいなものばかりがあふれ新サービス開発は大幅に減速していますし、端末販売数も低迷して、逆に端末メーカの競争力を失わせています。
すでにソフトバンクは「独自技術を持つのをやめました」と戦線離脱宣言、ウィルコムも「脱ガラパゴス」と聞こえはいいですが要するに世界の後追いをしますよ宣言、イーモバイルは海外機器を買い付けるだけの言うに及ばず状態、世界の携帯技術を引っ張っていける日本のキャリアはドコモとKDDIだけになってしまいました。今のインセンティブ不要の風潮がこのまま続けば、KDDIさえ脱落する可能性が高いと言えます。
と言うことで、とかく「ガラパゴス」とまで言われ悪いことのように言われる日本の携帯の独自技術、すべてとは言いませんが、かなりの部分はむしろ「世界を引っ張っている誇るべき技術」なんですよー、と言うことが言いたい一言でした。でわー。
◆日本の携帯ウェブ市場は超先進的―でも世界的なモデルとするのは難しい? 8月11日 TechCrunch
http://jp.techcrunch.com/
成長のきっかけを作った3つの触媒―高機能携帯電話機、大量コンテンツ、要求水準の高いユーザー
携帯テクノロジーのマーケットにおける世界でもっとも進歩した実験室という日本のイメージは間違っていない。現在日本では、驚くべきことに、9千万台もの3G携帯電話機が利用されている。人口1億2700万人のこの国で、70%以上の人々が携帯のウェブ・データ契約を結んでいる。ちなみに3G携帯の普及率を他の地域と比較すると、アメリカ、323.8%(利用されている3G携帯の総数は5200万)、ヨーロッパ、11.1%だ。アメリカで携帯からウェブにアクセスできる契約を結んでいるのは携帯ユーザーの15.6%に過ぎない。
日本の3大携帯キャリヤ(SoftBank、KDDI au、それに首位のNTT Docomo)は、毎年100機種以上の3G携帯電話機をリリースしている。どの機種も鳴り物入りで派手な機能を競い合っている。(iPhoneが日本で発売されたのはほんの先月に過ぎない)。日本の<ケータイ>には、店での買物の支払い(「お財布携帯」)に、公共交通機関の支払いに、2Dバーコードリーダーに、健康管理ターミナルに、辞書に、カラオケ・プレイヤーに、デジタルTVに、音楽プレイヤーに、eブックに、と盛りだくさんなサービスが用意されている。
一部の機種は、ブルーレイ・レコーダーからのビデオ転送機能、最寄りの警察に通報できる防犯ブザー、音声テキスト変換機能まで備えている。6月にDocomoは、Wi-Fi機能を備えた携帯ユーザー向けに、家庭内の無線LANを通じて最大54Mbpsで携帯用ウェブサイトにアクセスできるホーム・サービスを開始した。
先端的機能を満載した携帯が手に入ることが、日本のユーザーの多くがパソコンを所有せずもっぱら携帯だけでウェブを利用する最大の理由だ。これは一時的流行ではない。日本のユーザーはほとんどSMSを使わない。代りに親指テキスト入力で、絵文字やエモーティコン、ギャル語、顔文字その他の流行の表記を利用している。飛行機のチケット予約、洋服の注文、中古品のオークション出品、ゲーム、直接引き落としで映画の切符を購入、といった機能は何年も前から日本の携帯で提供されてきた。
非常によくできたテクノロジー―ただし半分閉鎖された空間
日本企業は携帯電話市場に通常のインターネットのモデルを再現して持ち込もうとはしなかった。その代りに携帯電話専用のサイトとビジネスモデルを構築した。Docomoのi-modeが1999年にローンチしてブームに火が付いたといってよい。ただちにライバル各社がそれぞれ独自のウェブシステムを構築して後を追った。
今日では、日本の携帯ウェブは高速で洗練されており、技術的にも安定した使いやすいサービスとなっている。携帯電話の専用ボタンを1回押すだけで、数秒以内にオンラインにアクセスできる。通常はキャリヤが設定した専用のトップページが表示され、そこから容易にナビゲーションを始めることができる。あるいはユーザーは携帯ウェブサイトの直接URLを入力して所望のページを訪問することもできる。この場合、1キーのショートカットを使って簡便にブラウズが可能だ。
携帯版ではない通常のウェブサイトの閲覧も可能だ。たとえばDocomoの場合、独自の改変を加えたhtmlとi-modeのみサポートするプロトコルのミックスを用いている。つまり、auのEZwebの契約者はDocomoのウェブ環境にはアクセスできない(その逆もまた真)ことを意味する。ちなみに、WAPは日本ではほとんど普及していない。
しかしさすがの日本の携帯ウェブ産業もすべてがバラ色というわけではない。不適切なCSS、クッキーが利用できない、スクリプトがサポートされていないなど、デベロッパーはキャリヤの提供する環境が不十分なことに悩まされている。最近デベロッパーが特に大きなダメージを被ったのは日本政府とキャリヤによるコンテンツ規制―子供に有害なコンテンツを排除するための規制だった。
強力なトリオ―政治家、キャリヤ、コンテンツ・プロバイダがいずれも前向きに取り組んでいる
日本の携帯ウェブ・プロバイダはエンドユーザーから料金を得る料金の他に、デフォr−ルト・メニューの目立つ位置にコンテンツを掲載することでコンテンツ・プロバイダから多額の料金を徴収している。携帯キャリヤはまた各種の支払いを一括管理する役割を果たし、携帯上での取引をきわめて容易にしている。たとえば、ユーザーがi-modeサイトからゲームをダウンロードした場合、Docomoは手数料として約10%を徴収し、コンテンツ・プロバイダに残りを支払う。ユーザーは月々の携帯電話料金に合算された額を一括して支払えばよい。
つまり、日本の携帯ビジネスでは、キャリヤとコンテンツ・プロバイダの協力の上に3本柱のキオスク・モデルが打ち立てられている。
携帯キャリヤは、
安定した通信環境と技術的インフラを提供する。
迅速かつ確実は支払いシステムを提供する。(エンドユーザーとコンテンツ・プロバイダ向け)
収入の折半を受け入れる
このフレームワークに基づいて、コンテンツ・プロバイダは、
魅力あるコンテンツを開発する。
自身のサービスをマーケティングする。
売り上げの一定割合をキャリヤに支払う。
携帯ウェブ・マーケットは日本政府の強力な支援のもとに発達した。つまり、日本政府が政策的判断により3G携帯の導入を図ったため、携帯キャリヤは新たな帯域のために1円も支払う必要がなかった。これに比べて、2000年に英国、2001年にドイツが3G携帯を導入した際には、それぞれ$58B(580億ドル)、$78(780億ドル)をライセンス料としてキャリヤから徴収している。日本では国庫の収入を図らず、マーケットの立ち上げを重視する政策が採用された。これが成功を収めた。
日本の総務省によると、2007年の日本の携帯電話の売り上げは$106B(1千60億ドル) (2006年に比べて23%アップ)、携帯通販は$67B(670億ドル)、携帯コンテンツは$39B(390億ドル)に上る。ひとつだけ例を上げよう。携帯電話を通じた音楽ダウンロードの売り上げは$10.2(102億ドル)で、2006年から42%のアップとなっている。
日本は急速に超携帯社会へと変貌を遂げつつある。他の地域でこれを真似するのは、少なくとも同じようなペースで実行するのは相当難しいだろう。注目すべきは、アメリカその他の社会が、携帯ウェブの構築にあたって、よりオープンな標準を採用し、閉ざされた空間となることを避けることによって急速な発展を遂げ、日本を追い越せるかどうかだ。この点の成否については将来に待つほかない。
一方で、日本はいかにも日本らしく、すでに次世代の環境づくりに邁進している。次世代携帯ネットワークだ。今年3月にDocomoはスーパー3Gシステムの実験で、パケットを250Mbpsの速度で送信することに成功し、2009年中のローンチに向けて準備を急いでいる。
(私のコメント)
インターネットはパソコンよりも携帯電話で利用する事が主流になってきました。携帯電話なら何処にいてもネットに接続できますが、ノートパソコンを持ち歩いて仕事をしている人はわずかだろう。さらにパソコンだけではネットに繋がらず携帯電話を繋げなければならない。ならば携帯電話でネットが出来るようになればいいわけです。
最近ではパソコンはネット端末としてよりもテレビ観賞用に進化しているように見える。その証拠にディスプレイと一体化したパソコンが増えて大型化している。ネットの動画サイトも見られるテレビも出てきたし、携帯電話でも動画サイトが見られるようになって来ました。
携帯電話でユーチューブなどを見るには、端末の進歩と通信の進歩が無ければ出来なかった事ですが、端末メーカーだけでは出来ないし、通信電話会社だけでも出来ない。日本では通信電話会社が主体になって一括買取で端末メーカーに開発を促してきましたが、そこから日本の携帯電話の多機能化が始まった。
外国ではもっぱら携帯電話は通話が主体であり、携帯電話でインターネットを利用するなどといったことはアップルからiPhoneG3(アイフォーン) が出てきて始めて実用化された。G2ではブログを1ページ受信するのに2分もかかっては実用性が無い為だ。
このように日本では新世代の携帯電話がいち早く実用化されてきたのですが、この事を日本のエコノミストたちは「日本はガラパゴス化している」といって警鐘を鳴らしている。しかしG2のGSM携帯とG3の携帯は別物であり、DOSパソコンとWindowsパソコンは別物であり、OSからアプリケーションまで全部違うようなものだ。
日本の携帯電話は70%以上がネットを利用できるが、ヨーロッパでは11%、アメリカでは15%に過ぎない。海外で使われているのはまさに携帯電話ですが、日本で使われている携帯は電話というよりも情報端末になっている。さらに日本ではスーパーG3の次世代携帯ネットワークが作られ、パケットを250Mbpsで交信が出来るようになる。
このように日本ではインフラと端末とが一体になって進歩が進んでいるのですが、海外でがようやくG3インフラが普及し始めたばかりだ。紹介した二つの記事にもあるように日本は携帯電話の可能性を探る実験場のようなものであり、日本の携帯にはありとあらゆる機能が詰め込まれて、ユーザ−はとても使いこなせないほどの機能が詰め込まれた。
世界でこのような先進的な実験ができるインフラと市場規模を持った国は無いのであり、携帯でインターネットを利用できる代わりに高い利用料金を支払わされている。また高い利用料金を払って、新しいものに飛びつく国も日本しかないのであり、経済力と高い技術力と使いこなせる高い国民資質が必要だ。
問題は日本の開発スピードと欧米の開発スピードが段違いに異なる事であり、日本で成功したモデルを欧米やその他の世界でそのまま適用できない事だ。日本人ですら使いこなせないような多機能携帯は外国人には宝の持ち腐れになってしまう。それよりか安いほうが良いと言う事になるだろう。
iPhone3Gはアメリカやヨーロッパでは画期的なモバイル端末として話題になっていますが、携帯では出来るのにiPhoneは出来ない事が多い。しかも通信が不安定でよく落ちる。ソフトを改良していけば改善されていくのでしょうが、安さで売らないと普及は難しいだろう。アメリカではウォルマートで99ドルで投売りされる。
日本でも1円の携帯が売られていた事がありましたが、これからは機能よりも安さで売れるようにしなければ世界に普及は難しいだろう。携帯が情報端末として成功するにはネットを利用できる事と参入のしやすさだ。アプリケーションがダウンロードして自由に使えるようになれば世界的に普及するのは夢ではない。しかし現在は通信電話会社と端末メーカーがアプリを独占している。
昔のパソコンなどではNECや富士通がハードもソフトも囲い込んでいましたが、DOS/Vパソコンの普及で全滅してしまった。携帯電話でも同じ失敗を繰り返すのだろうか? だから日本のエコノミストたちは日本の携帯をガラパゴス化していると批判するのでしょうが、パソコンは通産省がアメリカに配慮して日本のパソコンのOSとCPUを実質的に潰してしまったのだ。