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9月2日14時33分配信 Impress Watch
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080902-00000011-imp-sci
米Googleは、独自のオープンソースブラウザ「Google Chrome」を開発中であり、9月2日に100カ国以上でベータ版を公開すると発表した。
Google Chromeは、昔のGoogleホームページと同じく、シンプルで高速なデザインだという。それぞれのタブは“サンドボックス”に分離されているため、1つのタブのクラッシュが他のタブに影響を与えることを防ぐ。速度と反応の速さを改良したほか、独自の強力なJavaScriptエンジン「V8」を搭載し、既存のブラウザでは動作できないアプリケーションも使用できるとしている。Chromeには、AppleのWebKitやMozilla Firefoxのコンポーネントを利用しているとしている。2日に公開するベータ版はWindows版のみだが、現在Mac OS版とLinux版の開発も進めている。
Google Chromeを発表した同社公式ブログにおいて、Googleプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントであるSundar Pichai氏と、エンジニアリングディレクターであるLinus Upson氏は、日常的にWebを使用しているうちにブラウザ自体を考え直す必要に迫られたことについて触れている。「我々が本当に必要としたのは、単なるブラウザだけでなく、Webページとアプリケーションのためのモダンなプラットフォームだ。それこそが我々が始めたものなのだ」。
このコメントは、ブラウザを、アプリケーションを実行するためのプラットフォームに仕上げようとする意図を感じさせる。それだけに、巨大なプラットフォームであるWindowsを持つMicrosoftとのこれまでにない本格的な対決を予感させる。
かつてNetscape社は、ブラウザをOSに代わるものとして位置付け、技術開発を進めたため、Microsoftとの長く激しい法廷闘争を戦わざるを得なくなった。Netscape社はその後AOLに買収され、今では存在すらしていない。
これまでGoogleはMozillaの開発に携わっている著名なエンジニアを雇用したり、Microsoft Officeの代替となりうるオフィスアプリケーションスイート「Google Docs」を公開している。そのため、Microsoftとの対決について噂されてきたが、Googleは表向きそれを否定していた。しかし独自ブラウザを開発したとなっては、それも不可能になるだろう。
一方、Netscapeのブラウザ開発を引き継いだMozillaは、Googleと良好な関係にある。先に述べたように、Googleには多数のMozillaエンジニアがいる。それだけでなく、8月にはMozillaにおけるGoogleとの検索契約が2011年11月まで3年間延長されたことが明らかにされた。これによってMozillaは安定した財政基盤を得ることができている。また、Google Chromeは、Firefoxのコンポーネントを利用しているとされる。今後、MozillaとGoogleがどのように共存するのか、あるいは部分的に競争関係に発展していくのかについては未知数だ。
Googleは、Google Chromeの発表日を、米国の大きな休日であるLabor Dayの9月1日に選んだ。この日はほとんどの会社が休日であるため、ニュースの数が大幅に少なくなる。Googleはそれに合わせて主要なブログに対して事前に情報を提供していた。こうした理由のため、Google Chromeは瞬く間に多くのブログに取り上げられることとなり、大きなセンセーションを巻き起こしている。Google Chromeを世界100カ国以上で同時に公開することと併せて、同社の決意の程が見て取れる。ベータ版が公開される時にさらにどのような反応が起きるかが注目されるところだ。
最終更新:9月2日14時33分
Impress Watch