★阿修羅♪ > IT10 > 448.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
詐欺まがいネット広告、ブログで増殖…成功報酬型が特徴 (読売)
「素人が1日20万稼ぐ法」「画期的な即金ノウハウ」――。そんなうたい文句の
広告がインターネット上で増殖中だ。
こうした情報商材の年間売り上げは総額200億円と推測されるが、「詐欺
まがいの内容」との苦情も急増。多くの販売者が購入者に「あなたのブログに
広告を張り付けて。売れたら報酬を払います」と持ちかけているのが特徴で、
損をした人が元を取り戻そうと誇大広告をばらまき、別の人がまた損をする
という構図になっている。「負の連鎖」の広がりに、「まるでネットのネズミ講」
との声も出ている。
1万円で購入、稼ぎは80円
神奈川県内の会社員女性(43)が、ネット上で「在宅で簡単安定収入」という
キャッチコピーの商材を見つけたのは今年4月。体調を崩して長期休職中で、
ローン返済に困っていた。
「初心者の私でも月収98万」「これで借金生活から脱出できました」。
そんな成功体験談に心が揺れ、約1万円をクレジットカードで決済し、ファイルを
ダウンロードした。
開いてみると、中身は「広告メールをクリックしてポイントを集め換金する」
という内容。指示に従い、1か月間毎日大量にクリックし続けたが、換金できた
のはたった80円だった。
それ以来、女性の元には同じような情報商材の広告メールが、1日1000通
以上送られてくるようになり、結局、約30種類(計約60万円)の商材を購入。
しかし、ふたを開けると、「消費者金融で金を借りまくって自己破産する」
「出会い系サイトのサクラをする」「売春の元締になる」など、実行に移せる
内容はなく、「結局、借金が膨らんだだけだった」と女性は肩を落とす。
経済産業省によると、情報商材を巡る相談は昨年から急増。宣伝が虚偽であれば、
消費者契約法に基づいて返金請求できるが、販売元の住所が架空で連絡が取れない
ことも多いという。
被害者が加害者、「まるでネズミ講」
被害が急増した背景には、宣伝に使われる「アフィリエイト」(成功報酬型
広告)というネットビジネス特有の仕組みがある。
個人のブログに広告を張り付けてもらい、それを見て誰かが商品などを購入
すれば、購入価格の一部を報酬として支払う仕組みで、情報商材の場合、他の
商品より高い約3〜5割が相場。購入者に「この商材を宣伝すればもうかる」と
あおる商材も多い。
このため、詐欺まがいの商材だと知った後も、少しでも損失を回収しようと、
自分でブログを多数開設し、逆に宣伝する側に回る人が少なくない。60歳代の
男性は「報酬目当てに『私ももうかった』とブログにウソを書いたこともある。
だまされた人がまた別の人をだます。ネズミ講のようだった」と打ち明ける。
100種類以上の商材の内容を検証した出版社「トレンドライフ」(東京)に
よると、主要な販売サイトで売られている商材は約2万2000点に上り、一度
でも購入したことのある人は50万人以上いるという。同社の山岸悟さんは
「被害者が加害者になり、ネズミ算的に増殖する構図となっている。対面して
他人をだませる人は少ないが、ネットでは罪悪感が薄いため、気軽にやってしまう
面もある」と話す。
情報商材
「稼ぐ方法」のほか、投資やギャンブルの必勝法、美容やダイエット法など、
ネットで売買される様々なノウハウ。販売者は個人や業者だが、主に専門のサイトで
売られている。多くが一般書籍の10倍以上と高額だが、購入するまで中身が
わからない。
http://www.yomiuri.co.jp/net/security/s-news/20080707nt05.htm
(2008年7月5日 読売新聞)