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(回答先: がんばれ!!ゲイツ君番外編107 「食料使って人間支配」 投稿者 こげぱん 日時 2008 年 3 月 06 日 23:52:57)
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1186478_629.html
*題名:No.806 食料使って人間支配*
>From : ビル・トッテン
Subject : 食料使って人間支配
Number : OW806
Date : 2008年01月15日
連続13年世界一の富豪の座に輝くビル・ゲイツ氏の資産は、推定で560億ドルと
いわれる。自由競争社会がもたらす富の独占を考えると、同じ名前、同じコン
ピュータ業界のためか、いつも彼のことを思い浮かべる。
(ビル・トッテン)
食料使って人間支配
ゲイツ氏が富を築いたのは、利益を独占するために知的所有権を行使してすぐに
陳腐化するバグのある製品を消費者に高い値で提供したか、社員に十分な給料を
払わなかったからだというのが私の持論である。そして巨額の利益が特定の人に
集まる仕組みそのものよりも、結局は倫理、道理の問題なのだと思っている。
パソコンソフトの事実上の標準という寡占状態を築くために必死に働いて5兆円
を超す富を築いたゲイツ氏は、(私を含む)多くの経営者が老害といわれても地
位にしがみついているのとは裏腹に、マイクロソフトの経営から離れ、慈善団体
「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」の活動に専念すると発表した。
ゲイツ基金は、米国政府に税金を払わないですむ慈善団体のステータスを維持す
るために、年間15億ドルを使わなければならない。日用品となったパソコンソフ
ト市場を独占したゲイツ氏が、巨額のお金をどのような活動に投じているのかわ
れわれは知っておくべきかもしれない。
最も興味深いのは、北極圏ノルウェー領土のスヴァールバル諸島の不毛の山に
作っている「種子(たね)銀行」である。正式名は「あらゆる危険に耐えうるよ
う設計された世の終わりの日の北極種子金庫 (Doomsday Arctic Seed Vault
Designed to Withstand All Perils)」というプロジェクトで、核戦争や地球温
暖化などで種子が絶滅しても再生できるように保存するというのが目的だとい
う。このプロジェクトをサポートしているのはゲイツ基金のほか、ロックフェ
ラー財団、ノルウェー政府、モンサント、シンジェンタ財団等だ。
この世の終わりに備えて、未来の多様性のために300万からの種子を世界から集
めて保管するプロジェクトのスポンサーであるゲイツ氏や、農薬・種子をビジネ
スとするモンサントやシンジェンタ、ロックフェラー財団は、いったいどのよう
な「未来」を想定しているのだろう。
ロックフェラー財団は、食糧危機を克服するというふれこみで始まった「緑の革
命」の裏方だ。これは、在来種より収穫量の多い「高収量品種」を化学肥料を投
入して収穫を増やすことで東南アジアやインドの飢餓問題を解決するというもの
だった。ロックフェラー財団の農学者ノーマン・ボーローグはその指導者として
1970年にノーベル賞を授与されている。しかし「緑の革命」は、石油製品である
化学肥料・農薬を大量に使用し、結果的に土地を痛め、また新しい種子は年ごと
に収穫が減少し、さらに化学肥料に依存する悪循環をもたらした。農薬による自
然破壊や健康被害もおき、時がたつにつれてそれは伝統的な農業における食料連
鎖のコントロールを農民の手から多国籍企業の手に移すプロジェクトに過ぎな
かったことが明らかになっている。しかしこれによって石油を支配するロック
フェラー家や種子を握るモンサント社等が利益を得たことはいうまでもない。
ゲイツ氏を含むメンバーは「アフリカの緑の革命のための連合」にも投資してい
るが、これもアフリカの農業を化学製品やハイブリッド種子による単一作物栽培
へ、そして遺伝子組み換えに依存するシステムに移行させる、「緑の革命」と同
じ道をたどると思われる。
種子銀行に参加しているモンサントやシンジェンタの持つ「ターミネーター」と
呼ばれる技術特許についても触れておきたい。これは種子をまいて育てて、でき
た種子が発芽しないという技術である。つまり、どんな状況でも農家は、必ず毎
年種を買わなければならない。食料生産をコントロールするような技術を、果た
して彼らは人間の幸福のために使用するだろうか。
緑の革命のロックフェラー財団、ターミネーターのアグリビジネス企業、そして
独占を得意とするゲイツ氏が「終わりの日」のために世界の種子を集めている。
富と権力を持つ人がどのような「終わりの日」を想定しているか知る由もない
が、彼らが食料を使って人間を支配しようとしていることは明らかだ。ビル・ゲ
イツ氏が種子を独占する前に、2008年、私は社員を含め回りの人々に家庭菜園を
始めることをこれまで以上熱心に勧誘していこうと思う。