★阿修羅♪ > IT10 > 357.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
携帯で“足” 警察、2万台超のデータ解析 07年
2008/03/05, , FujiSankei Business i., 21ページ,
≪05年の1・6倍に≫
昨年1年間に全国の警察が事件捜査のために押収するなどしてデータ解析をした携帯
電話が2万507台に上ったことが4日、警察庁のまとめで分かった。統計を取り始め
た2005年と比べ1・6倍に急増。消去されたデータから殺人事件の解決に結び付い
たケースもあり、携帯電話の解析は事件捜査の重要な手法となっている。
証拠隠滅のため、携帯を破壊したり、メールや画像、通話記録などを消去したりする
ケースが多く、警察庁は昨年から消去されたデータを復元する手法などをまとめたマニ
ュアルを作成。捜査現場で技能向上のために利用できるようにしており、年間の解析数
も今回初めて明らかにした。
警察庁によると、携帯の解析数は05年には1万2865台、06年は1万7675
台だった。
≪殺人事件解決≫
昨年1月に宮城県で起きた母子殺人事件では、母親=当時(36)=が首をつった状
態で見つかり、当初は無理心中とみられていたが、携帯電話のメールが不自然に削除さ
れていることが発覚。
交際していた男が、被害者との関係を隠すため殺害後に消去していたことが分かり、
殺害時刻の特定や男の逮捕にこぎ着けた。
携帯電話をメモ帳代わりに利用する人も増えており、行動確認の資料としても重要性
を増しているという。
また、交通事故後に出頭した人物の携帯の着信記録を調べ、知人に依頼されて身代わ
り出頭していたことが判明したケースもあった。
警察庁はパソコンなど電子データの解析を行うため1999年に解析担当課を設置。
捜査に活用するための研究を進めている。
◇
≪データ修復にも手間…担当者「日々訓練が必要」≫
携帯電話のデータ解析は事件捜査に不可欠なものとなっているが、多くのデータは故
意に消去されており、解析には経験と知識が必要だ。
薬物密売人など常習的な犯罪者は、通話のたびに消去するといい、警察庁の担当者は
「後ろめたいことをしている人間は故意にデータを消す」と指摘する。
NPO法人(特定非営利活動法人)デジタル・フォレンジック研究会の萩原栄幸理事
によると、携帯電話は電話会社やメーカー、機種によって基本ソフト(OS)やファイ
ル形式が異なっており、パソコンに比べて修復に手間がかかる。
さらに、逮捕間際の犯人は携帯電話を折ったり、水没させて電源が入らなくするなど
激しく抵抗することがあり、警察庁の担当者は「相手も必死。解析には苦労しているが
、日々訓練し技能を磨いていくしかない」と話す。
電子データの解析は、オウム真理教事件の捜査でも成果を上げた。滋賀県警が199
5年3月に信者の車から押収したディスクに大量の機密文書が保存され、分析してサリ
ン製造を解明。警察が解析に力を入れるきっかけの一つともなった。