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仙台市若林区の沖野商店会は今年の仙台七夕まつり(8月6―8日)で、商店街に竹飾りを出すのを見送る。1990年から飾ってきたが、売り上げの低迷と店主の高齢化で撤退を余儀なくされた。仙台七夕は市中心部に加え、周辺の商店街も独自の竹飾りで彩りを添えるのが特徴。ここ数年、離脱するケースが目に付き、商店街の衰退を印象づけている。
沖野商店会の撤退は6月の総会で決まった。中心となる役員が店を畳んだり、高齢の役員が体調を崩すなどしたため、継続をあきらめた。飾りは竹1本分で7000―8000円。これまでは2、3店で1本分の費用を出し合っていたが、負担に感じる店も増えたという。
飾り付けを始めた当時、加盟店は30店を超え、30本以上が店頭を彩った。後継者不足などで廃業する店もあるなど、現在は24店に減った。商店会で負担する経費も毎年約10万円の赤字で「ばかにならなくなった」(商店会)という。
労力的な問題も小さくない。竹は商店会役員が市内の林から切り出していたが、高齢化で重荷になってきた。2007年は地元の老人クラブに手伝ってもらい、ようやく24本を飾った。
今野久郎会長(76)は「積極的にかかわる人が減り、継続を断念した。不景気で祭りどころではない部分もある」と打ち明ける。
仙台七夕はメーン会場以外の商店街も竹飾りを用意し、市内全体が祭り一色に染まる。近年は主会場に近い青葉区の本町商店街振興組合、春日町商店街振興組合、仙台市大町会が04―06年、高齢化などを理由に撤退するなど離脱が目立つ。
仙台商工会議所によると、竹飾りを出す商店街はピーク時(98、03年)は29団体を数えたが、今年は26団体。年ごとに新たに参加する団体がいる中、それを上回る団体が不参加を決め、商店街の「地盤沈下」を物語っている。
商議所は「周辺商店街の七夕飾りは主会場の豪華な飾りとは別の素朴な味わいがあり、不参加は残念。商店街の衰退など地域課題を抱え、解決は難しい」と話している。