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http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200806200101.html
2010年に奈良県で開かれる平城遷都1300年祭に、またも新キャラクターが登場した。公式キャラ「せんとくん」について、「頭の鹿の角は仏様への侮辱」と批判していた奈良の僧侶有志が20日、聖徳太子の少年時代をモデルにしたキャラ「なーむくん」を発表。同祭をめぐり、市民有志が独自公募した「まんとくん」を含め、三つのキャラが乱立する異例の事態となった。
「なーむくん」をつくったのは、奈良市や周辺の19寺でつくる親睦(しんぼく)団体「南都二六会(なんとにろくかい)」(会長、橋本純信・十輪院住職)。十七条憲法を制定した太子にちなんで眉と目で「一七」を表現し、愛称は南無阿弥陀仏などからヒントを得たとしている。
同会有志は3月、1300年祭を主催する奈良県などでつくる事業協会に対し、公式キャラの再考を求める意見書を提出した。それを知った高松市の自営業平野重夫さん(73)がプロのデザイナーと協力し、「なーむくん」を描いて同会に郵送。「仏教を繁栄させた太子のキャラを1300年祭で用いることで、寺院や僧侶が多くの人に親しまれるようになれば」と採用することにした。
今後、祭に向けた同会のイベントで活用するほか、一般にも利用を呼びかけていく。同会は「せんとくん」について批判的な姿勢を変えていないが、市民有志「クリエイターズ会議・大和」がつくったまんとくんとは「仲良くしたい」としている。
これに対し、事業協会の一柳茂・事務局次長は「せんとくんをすべての人に愛してもらえるよう努力していきたいが、好みの問題もある。まんとくん同様、新しい友達が増えたという印象」とコメント。クリエイターズ会議・大和の村上正師・事務局代表は「民間のキャラ同士、お互い祭を盛り上げていきたい」と話している。(石原孝)
●三つキャラが立ったところで、かなり面白くなったのではないだろうか。
二つのキャラ、せんとくんとまんとくんだけでは、公式対非公式の構図が浮かび上がるだけだった。
そうなると、意図とは逆に、せんとくんの「公式」性を強めるだけの役割になってしまう懸念があった。
そうしたつまらない構図が、なーむくんの登場で崩れるのではないか。
それぞれのキャラが自由に使われるようになれば、今度は逆にせんとくんの正当性が問われるようになるだろう。
税金が湯水の如く使われるのがなぜせんとくんだけなのか、多くの人にそうした疑念を呼び起こすようになるのではないか。
もちろんキャラが乱立すればいいというのではなく(それは逆の意味で公式対非公式の構図が浮かび上がるだけだ)、ある程度の正当性、支持層を持たなければならない。
その点で、市民雄志が作ったまんとくん、19寺の親睦団体の公認を得たなーむくんは良いところを行っていると思う。