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ネットで集結 500の意志 チベット支援、名古屋でデモ(中日新聞)
2008年4月20日 朝刊
チベット動乱を武力弾圧した中国政府に抗議するデモが19日、名古屋市中心部であった。政治活動にも市民運動にも縁のない人たちがインターネット上で発案。賛同した“ネット市民”ら約500人が繁華街を行進した。
「チベットの現状はネットに流れる海外メディアの映像で知った。受け身ではいられなかった」と、チベットの平和を訴える手作りTシャツ姿の会社員伊藤尚子さん(35)=愛知県豊橋市。
集まったのは、多くが東海地方の20−40代の会社員や学生、主婦ら。「チベットの虐殺や投獄のニュースはネットの動画サイトなどで見ている」という名古屋市千種区の女性会社員(31)も「一人では何もできないけど、皆と一緒なら」と、夫(33)と参加した。
中区栄周辺を約1時間半行進。参加者それぞれが、ネット上で購入したり画像を印刷して作ったりしたチベットの雪山獅子旗やプラカードを掲げ「チベットに自由を」「弾圧をやめろ!」と訴えた。
デモは、岐阜県の女性会社員(29)がネットの「掲示板」で呼び掛けた書き込みがきっかけ。参加者の大半はこのデモで初めて顔を合わせた。デモを知らせるホームページを自発的に制作した会社員の伊藤秀昭さん(29)=愛知県一宮市=は「見て来てくれたという人が結構いました」。
黒の法衣姿で歩いた同県豊田市の曹洞宗円通院住職、高辻哲洋さん(43)が知ったのも会員制サイトの「ミクシィ」。「チベットで同じ仏教徒が死ぬ気で立ち上がっているのに黙っていられない。善光寺の聖火リレー辞退は英断だった」と語った。
発起人の一人、同県岡崎市の林英樹さん(34)は「多くの人は弾圧の情報をネットで積極的に入手し、できることがあればやりたいと内心思っていた。既成の政治団体ではなく、素人がネット上で手作りしたから自発的に参加しやすかったと思う」と話した。
◆出発式辞退は「英断」 善光寺に電話続々
長野市で26日に実施される北京五輪聖火リレーで、出発式の式典会場の辞退を表明した善光寺に19日、決断に賛同する電話が全国から相次いだ。
寺事務局によると、若麻績(わかおみ)信昭寺務総長が市実行委員会に申し出た18日午後から電話が鳴り始めた。19日夕方までに200件以上にのぼり、9割以上が「英断だ」「苦しい選択だっただろうがよく頑張った」など支持する意見だった。
「政治と聖火リレーは分けるべきだった」など、善光寺の判断に批判的な意見や抗議は、わずかだったという。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008042002005020.html