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児童の心に夢の種を 元トヨタマン、41歳・新人教師(中日新聞)
2008年4月6日
元トヨタマンで41歳の新人教師、水野晴仁さん=日進市岩藤町=が、同市梨の木小学校で第一歩を踏み出した。県の教員採用試験の社会人特別選考で合格し、小さい時からの夢をかなえた。「子どもたちには、夢を持つことの大切さを伝えたい」と張り切っている。
日進市出身の水野さんは、愛知教育大で小中高の教員免許を取得したが、所属研究室の教授からの薦めでNECへ進んだ。「一度、民間で自分の力を試した後に先生になってもいいのではないか」。そう考えて、配属された「教育部」で、コンピューター技術を学ぶ教材開発などをした。
その後、人材開発コンサルタントとして、2000年からトヨタ自動車を担当。人事関係のシステムを開発した縁で、06年に同社に転職し、人事部主任として勤務した。しかし「いつか自分は先生になるんだ」との思いは消えなかった。
教職にあこがれたのは小学生時代。4、5年生の時の担任で、東郷町諸輪中の元教諭、下原九州男(くすお)さん=日進市=との出会いがきっかけだった。下原さんは放課後も一緒に遊び、授業で手を挙げられない児童には「分からない人はグーで挙げる」と指示するなど、思いやりと工夫にあふれた指導者だった。「こんな先生になりたい」との思いが芽生えていた。
小学校卒業後も交流を続け、教員採用試験に合格し、昨年10月に報告に訪れた。下原さんは喜ぶとともに、自身が末期がんであることを打ち明けた。水野さんは連日、下原さんの自宅に通い、学級運営のこつや、教師の心構えなどを教えてもらった。
その下原さんは今年3月、59歳で亡くなった。「葬式の日、私が教師になることを知った小学校の同級生から『まるでバトンタッチのようだね』と言われた」と振り返る。
始業式の8日、初めて教壇に立つ。「民間で培ったパソコンの能力を、授業にも生かしていければ」と水野さん。「私が下原先生にしてもらったように、子どもたちの心に夢の種を植えたい」と意気込んでいる。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080406/CK2008040602001358.html