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http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007123090072301.html
2007年12月30日 07時23分
愛知県岡崎市に伝わり、独自の製法で知られる八丁みそに、脳の学習能力を向上させる効果があることを、名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授、原田直明准教授らのグループが、マウスの実験で突き止めた。岡嶋教授は「この地方が戦国時代に三英傑を生み、岡崎出身の徳川家康は天下を治めたのも、八丁みそと関係があるのかもしれない。ぼけ防止の効果も期待できる」と話している。
岡嶋教授らは、5匹ずつのマウスに八丁みそと普通の豆みそ、みそ以外のえさを4週間食べさせた。その後、それぞれのマウスを直径120センチの円形プールの中で泳がせ、直径10センチの丸い台を探して到達するまでの時間を計測。その結果、豆みそと普通のえさを食べたマウスに比べ、八丁みそを食べたマウスの到達スピードは3日目以降急激にアップし続け、目的の台を探し出す学習能力が向上していることが分かった。
脳の学習能力をつかさどる海馬の神経細胞を活性化させるタンパク質「インスリン様成長因子−1」(IGF−1)の濃度をはかると、八丁みそを食べたマウスの方が、豆みそや普通のえさを食べたマウスに比べて1・8倍に増加していることが分かった。
知覚神経が刺激を受けると、神経末端からアミノ酸の複合体「CGRP」が放出され、CGRPが若い細胞に働きかけIGF−1の生成を促進するというメカニズムが分かっている。
豆みそと八丁みその製法は発酵まで同じだが、八丁みそはその後、約2年半、石積みしたたるの中で熟成させる。岡嶋教授は「熟成期間にIGF−1生成を促進させる何らかの成分ができているはずだ」とみて、成分の特定を急いでいる。
(中日新聞)