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http://www.nnn.co.jp/news/071228/20071228002.html
2007/12/28
鳥取県日南町茶屋の大仙谷集落の住民が、住職のいなくなった寺の鐘を毎日朝晩、鳴らし続けている。「ゴーン、ゴーン」と里に響く鐘の音は地域に元気を与え、住民は鐘を突くたびに里への思いを強くする。今年の大みそかも地域の人や帰省した懐かしい顔が寺に集まり、百八つの鐘を鳴らす。除夜の鐘に、古里を守る決意を込めて。
鐘を突いているのは、大仙谷集落の有志十三人。同町茶屋の常桂寺(じょうけいじ)の住職が二〇〇三年に病気で亡くなったのを機に、それまで住職が朝晩突いていた鐘は鳴らなくなった。現在、米子市内の寺の住職に葬式や法事の際に来てもらっているが、常駐の住職はおらず、鐘のならない寺は寂しいと住民が〇四年七月、当番制で鐘を突く「カネナリカイ」を結成した。
毎日午前六時半と午後五時に、七−九回、一週間交代で鐘を突く。有志の善意の活動で、都合で突けない時があっても誰もとがめない。しかし、「毎日、鐘の音が聞こえるのはいいね」という住民の声に応え、雨の日も雪の日も、暑さにも寒さにも負けず、三年間、ほぼ途絶えることなく鐘を鳴らしてきた。
寺は高台にあり、鐘突き台からは集落を見渡せる。鐘を突きながら、日の出や夕日に照らされた農村の光景を眺め、祖先を供養するとともに古里を守る思いを深めた。
除夜の鐘突きは、結成の年の大みそかから始めた。集落の住民や帰省者ら三十−四十人が集まり、午後十一時半から鐘を鳴らし始め、百八つ突いて、年が明けたら集落内の神社へ恵方参りに行く。今年で四年目を迎える。
カネナリカイの代表、坪倉博則さん(79)は「鐘突きで培われた奉仕の精神と継続力が、農村の生き残りをかけたむらづくりに必要な協調心と実行力につながると信じている。これからも続けていきたい」と話している。