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住職らに導かれて「投入堂」の下のがけを登る参拝者=14日、鳥取県三朝町で
http://www.asahi.com/life/update/1115/OSK200711140086.html
2007年11月15日03時29分
鳥取県三朝町の三徳山(みとくさん)中腹にある三徳山三仏寺(さんぶつじ)の国宝「投入堂(なげいれどう)」で14日、開山1300年を記念した修復工事の完了を祝う落慶法要があり、約60年ぶりに一般の参拝者3人がお堂に足を踏み入れた。
投入堂は平安時代後期に建てられ、現存する神社本殿形式の建築では最古級。高さ約100メートルの断崖(だんがい)絶壁の岩穴にしがみつくように建つ姿から、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が投げ入れてできたと言い伝えられている。
事故防止のため、戦後間もないころから一般の立ち入りが禁じられてきたが、落慶法要に合わせて同寺が3人限定の特別拝観を企画。全国各地から殺到した応募の中から、作文などをもとに広島市の飲食店経営岩島美枝子さん(60)、横浜市の大学院生木下知威さん(30)、札幌市の会社員伊藤美子さん(29)が選ばれた。
3人は、わら草履に作務衣、輪袈裟(わげさ)姿で米田良中(りょうちゅう)住職らとともに本堂を出発し、ほら貝の音がとどろく中、約1時間半かけて標高差約200メートルの険しい行者道を投入堂の下まで到着。命綱を腰に巻き付け、ほぼ垂直のがけをはうようにして登り切ってお堂に入った。
聴覚障害者の木下さんは、「お堂から眼下を見下ろすと、山が笑っているような声が聞こえました」。堂内で涙が止まらなくなった伊藤さんは、「生かされていることを強く実感しました」と感激していた。
米田住職は「特別拝観はあくまでも修復落慶法要の一環。次の機会は早くとも100年後でしょう」と話している。