| Tweet |
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/kurashi/yanaka/history.html
2006.6.29付
谷中村／半分が原野、漁業盛ん／鉱毒被害対策で遊水地に
谷中村は一八八九年、町村制により内野（うちの）、恵下野（えげの）、下宮（したみや）三カ村が合併して誕生した。三百七十戸、約二千五百人が暮らす村の約半分は原野で、田よりも畑が多く、漁業なども盛んだった。
しかし、渡良瀬川上流の足尾製銅所から流れ出た鉱毒が、下流の沿岸地域に被害を及ぼすようになる。村は、他町村の被害民たちと鉱毒問題の対応に乗り出す。
政府が設けた第二次鉱毒調査委員会は一九〇三年、鉱毒・洪水問題を解決すべく、谷中村付近に遊水地を造る案を答申する。度重なる洪水被害に疲弊していた村民は大部分が買収に応じ、周辺の市町村や遠くは那須、北海道に移住、村は〇六年七月一日、藤岡町に強制合併された。
廃村後も十六戸の村民は田中正造と村に残り抵抗を続けたが、県は家を強制破壊。残った村民もやがて村を後にした。
旧谷中村の大半をのみ込んで造られた渡良瀬遊水地は栃木・群馬・埼玉・茨城四県にまたがり、面積三千三百ヘクタールを有する。貯水池「谷中湖」は首都圏の水がめとしての役割を果たす。広大なヨシ原には多数の動植物が生育、生息し自然の宝庫として多くの人に親しまれている。
■谷中村の歴史
１８８９（明治 ２２）年 ４月 内野、恵下野、下宮の三カ村が合併し「谷中村」に
１８９０（ 〃 ２３）年 ８月 大洪水が発生し、鉱毒問題が表面化
１８９１（ 〃 ２４）年１２月 田中正造が帝国議会で初めて鉱毒問題を取り上げる
１８９２（ 〃 ２５）年 ８月 谷中村など被害民と古河側との示談成立
１８９４（ 〃 ２７）年 日清戦争（〜１８９５）
１８９６（ 〃 ２９）年 ３度の水害で鉱毒被害が激化
１０月 雲龍寺に栃木群馬両県鉱毒事務所を設置
１８９７（ 〃 ３０）年 ３月 鉱毒被害民が鉱毒停止を請願するため東京へ
第一次鉱毒調査委員会開会
１９００（ 〃 ３３）年 ２月 第４回押し出しで、川俣事件が発生
１９０１（ 〃 ３４）年１２月 田中正造が足尾鉱毒問題について天皇に直訴
１９０２（ 〃 ３５）年 ３月 第二次鉱毒調査委員会設置
９月 暴風雨で谷中村など水没
１９０３（ 〃 ３６）年 １月 県が上程した谷中村買収費を県議会が事実上否決
３月 第二次鉱毒調査委員会が報告書で貯水池案を提示
１９０４（ 〃 ３７）年 日露戦争（〜１９０６）
７月 田中正造が谷中村に入村
１２月 県議会が谷中村買収費である堤防改修費を可決
１９０５（ 〃 ３８）年 ３月 県が谷中村の貯水池化と村民の移住方針を告示
１０月 谷中村民の移住が始まる
１９０６（ 〃 ３９）年 ４月 谷中村議会が藤岡町への合併案を否決
５月 県が藤岡町への合併を告示
７月 谷中村廃村、藤岡町へ合併される
９月 明治期最大級とされる大洪水が発生
１９０７（ 〃 ４０）年 ６月 旧谷中村残留民に対し強制破壊が行われる
１９０８（ 〃 ４１）年 ７月 県が旧谷中村堤内に河川法準用を告示
１９１０（ 〃 ４３）年 ８月 大洪水が発生し、関東に大規模な被害及ぼす
１９１３（大正 ２）年 ９月 田中正造死去
１９１４（ 〃 ３）年 第一次世界大戦（〜１９１８）
１９１５（ 〃 ４）年１１月 県が旧谷中村堤外地に土地収用法を適用
１９１６（ 〃 ５）年１１月 県が旧谷中村残留民に立ち退き命令
１９１７（ 〃 ６）年 ２月 旧谷中村残留民が移転
１９４１（昭和 １６）年 太平洋戦争（〜１９４５）
１９４７（ 〃 ２２）年９月 カスリーン台風により戦後最大の洪水被害
１９７０（ 〃 ４５）年 渡良瀬遊水地第１調節池が完成
１９９０（平成 ２）年 ８月 渡良瀬貯水池の愛称が「谷中湖」に決定
１９９１（ 〃 ３）年 ４月 渡良瀬遊水地に谷中村史跡保全ゾーン整備
インデックスhttp://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/kurashi/yanaka/index.html
http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/kurashi/yanaka/history.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,ＭＬを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。