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http://www.news.janjan.jp/living/0710/0710033390/1.php
「豊洲移転はいやだ」 築地の業者ら銀座デモ 2007/10/04
中央卸売市場の豊洲への移転に反対している築地の仲卸業者らが3日、銀座をデモ行進し、農水省と環境省に移転計画の見直しを求める申し入れをした。
3回目となる今回のデモには仲卸業者をはじめ国会議員、都議会議員、市民団体など約500人が参加した。「移転反対」を呼びかけるお揃いのTシャツで身を固めている。
出発に先立ち「市場を考える会」の山崎治雄代表が決意表明した―
「石原都知事は選挙で300万票(正確には281万票)取ったけど、消費者の票じゃないか。消費者を裏切ってどうするんだ。知事から『白紙撤回』の言葉をもらいたい。すばらしい市場に再生したい」。
正午、築地市場を出発したデモ隊は「毒物の上に市場を作るな」「世界の築地ブランドを守ろう」とシュプレヒコールを上げた。わずか30分前まで魚河岸にいた仲卸業者たちは、うろこの臭いを漂わせながら銀座通りを歩いた。こんなところからも、生活感がにじみ出る闘争であることがわかる。
新党日本の田中康夫代表は環境問題から築地市場の豊洲への移転に反対してきた。マイクを握り「築地が移転すると皆さんの好きな寿司も食べられなくなりますよ」と呼びかけた。
ちょうど昼休みに重なり、街頭を行くサラリーマンやOLは足を止めデモを見つめた。
30代の男性サラリーマンは「築地のいいところは、銀座で飲んだ後、食べに行くことができること」。
管理職とおぼしき60代の男性は「築地は長い間の親しみがある。あんな所(豊洲)に行ったら誰も行かなくなる」。
東京都に責任おっかぶせる農水省
デモの終点にあたる日比谷公園では、鈴木寛参議院議員(民主)が「今国会最大の課題として頑張る」と力を込めた。鈴木議員は今から5年前、国会で初めて豊洲の環境問題を取り上げた政治家である。
法律の不備の見直しなどを求めて「市場を考える会」の山崎治雄代表、斉藤隆夫幹事長ら幹部が環境省と農水省を訪れた。
豊洲をめぐっては土壌汚染対策法の抜け穴である「附則3条」がある。法律の施行(2003年)以前に使用を終えた用地は法律の適用を受けない、とするものだ。環境省所管の法律となる。
「考える会」の幹部は環境省の白石順一審議官と面会し、この「附則3条」の改正を申し入れた。取材陣はシャットアウトとなった。
同席した川内博史衆院議員によると白石審議官は、「もし仮に『附則3条』を改正したとしても、法律の(原則である)『不遡及性』から豊洲に土壌汚染対策法を適用するのは難しい」と答えたという。
農水省では岡島正明・総合食料局長と面会した。農水省は中央卸売市場開設の許認可権を持つ。「市場を考える会」は、豊洲への移転を決定している「第8次中央卸売市場整備計画」を白紙に戻すことを求めた。
岡島局長は「私どものスタンスは、松岡大臣(故人)の4月27日の(衆院農水委員会での)答弁通りです」で押し通した。
松岡勝利農水大臣(当時)の答弁とは「環境規制を行う当事者であり市場開設者の東京都が『安全・安心の対策を行います』と言ったのが分科会で認められたから」というものだ。
分科会とは市場の整備計画を審議する「食糧総合分科会」のこと。ところが科学的知見を有するメンバーが入っていなかったことを、農水省も認めている(4月11日、衆院環境委員会)のだ。いい加減な会議だったことがよく分かる。
自治体(東京都)に責任をおっかぶせて自らの責任を回避しようとする農水省の姿があった。
いったん作った法律、決定した政策を覆すことの難しさを突きつけられた霞ヶ関訪問となった。
(田中龍作)