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安中出身の孤高の詩人 大手拓次 自筆原稿を発見【東京新聞】
2007年9月2日
安中市出身の孤高の詩人、大手拓次(一八八七−一九三四年)が詠んだ詩二編の自筆原稿が東京・神田の古書店で見つかり、安中市が買い取った。同市の調査により、拓次が旧制中学時代に使った署名入りの漢文教科書や母校・早稲田大の卒業写真も発見。拓次の生誕百二十周年を記念し、同市上間仁田の学習の森・ふるさと学習館で十月下旬から来年二月初めまで開催される企画展で初公開される。 (菅原洋)
自筆原稿のうち、「びろうどの沼」はB4判の原稿用紙に万年筆でつづられている。一九二四(大正十三)年に発行された雑誌「詩情」に載り、幻想的な世界を表現している。署名や詩の筆跡が本人の文字に一致した。
「秘密の花」は二枚合わせてA4判の大きさとなる原稿用紙に万年筆で記され、三六(昭和十一)年に発刊された最初の詩集「藍(あい)色の蟇(ひき)」に入っている。女性への愛を率直に詠んだ内容。署名はないが、筆跡が本人と同じである上、原稿用紙のブランドや紙質がほかの自筆原稿と一致しているため、真筆と判断された。
二編とも七月に同じ古書店から購入。いずれも拓次の日記などから、二四年の一月二十七日に詠んだ作品と判明した。
一方、教科書は和紙に印刷され、A5判、四十五ページ。松井田図書館の書庫にあった。巻末に毛筆で「大手拓次」と署名され、筆跡が一致。一九〇〇(明治三十三)年に発行され、拓次が旧制安中中在学時に使ったらしい。「T・O」と英語の署名を四回練習するなど無数の書き込みが残り、当時の拓次の様子をうかがわせる興味深い資料だ。
早大の卒業写真は一二(明治四十五)年の卒業アルバムに含まれ、名簿の名前と住所が一致しているため、本人と確認された。安中市は拓次が大学に入学した当時の写真は三枚把握しているが、卒業当時の写真が見つかったのは初めてという。
同学習館の担当者は「教科書には(本文とは関係のない)“徴兵”という書き込みがあった。日露戦争を前に、思春期の拓次が戦争を意識したのでは。企画展は独自な詩の世界が理解できるように、拓次の生きざまを掘り起こす内容にしたい」と準備に奔走している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20070902/CK2007090202045821.html
大手拓次【つれづれの文車】
http://www.nextftp.com/y_misa/ote/ote.html