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板橋・練馬界隈にアジアの観光客 東京『絵本の聖地』【東京新聞】
2007年8月17日 夕刊
外国人観光客に人気の「東京」といえば、思い浮かぶのは秋葉原、原宿、浅草−。ところが、最近、アジアから、板橋区や練馬区に訪れる若者たちがひそかに増えている。そこには、絵本の“聖地”があるからだ。 (中山洋子)
板橋区赤塚の板橋区立美術館にはここ数年、アジアからの観光客が目立つ。お目当ては、毎夏恒例の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」だ。同館では一九八一年から、イタリアで開かれる世界最大規模の絵本原画展の巡回展示を続け、ワークショップなども開き、絵本作家の“卵”たちを応援している。今年も十九日まで開催中で、日本人作家十七組を含む今年の入選作品を展示している。
同館学芸員の松岡希代子さん(45)は「日本人客かと思って話しかけたら、言葉が通じないケースが今年もあった。昨年の巡回展では、韓国からの団体客も見かけました」と話す。
特に近年、急速に絵本人気が高まっている韓国では、同展目当てに来日する出版関係者や若い作家の卵が相次いでいる。イタリアに行くよりは安上がりなのが魅力という。あまりの人気ぶりに今年末には、日本に続いてソウル近郊で韓国初の巡回展も開催されることになった。
アジアの若者らが、板橋の次に向かうのは、隣の練馬区にある“世界初”の絵本美術館だ。
ちひろ美術館(同区下石神井)は一九七七年に開館。いわさきちひろ作品とともに、世界二十八カ国の絵本画家の原画約二万六千点を収集している。ここ数年、来館者ノートに韓国語や中国語などの感想が増えた。タイの若者も多いという。
「昔は子どもの本の挿絵として一段低くみられ、出版社でも原画をほとんど保存していなかった」と広報担当者。アートとしての絵本原画にいち早く着目した同美術館を嚆矢(こうし)に、日本の“絵本文化”は開花した。
絵本作家を志して十年前に来日した東京都武蔵野市在住のイラストレーター張連秀さん(38)は、「昨年も、知り合いのイラストレーターらがウェブ上で誘い合わせ、二十人くらいで韓国から“絵本の旅”に来ていた。日本には絵本のギャラリーや専門店が本当に多い。絵本の勉強をしたいアジアの若者たちには大きな魅力です」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007081702041779.html