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命がけでやる!! 杉並区“住民税ゼロ”構想の本気度 【ZAKZAK】
松下政経塾出身・山田宏区長
増税の大波が庶民のフトコロを直撃するなか、住民税ゼロを目指す首長が現れ、話題になっている。東京都杉並区の山田宏区長(49)がその人。今年4月の区長選で公約としてブチ上げ、7月には学者による研究会も立ち上げた。住民税がタダという夢いっぱいの構想は実現可能なのか。半信半疑で山田氏を直撃すると、「実現可能」と言い切った。
山田氏がブチ上げたのは「無税自治体構想」と呼ばれるもので、内容はこんな感じだ。杉並区の年間の総予算約1500億円のうち、1割に当たる150億円を毎年積み立てて運用する。これを2%複利で運用したら、53年後には住民税の2分の1、78年後には全額をまかなうことができる。つまり住民税をゼロにできる計算だ。
これが3%複利になると、36年後に2分の1、53年後に住民税をゼロにできるという。
ただ、これはあくまで机上での計算。実現可能性について、山田氏を直撃したところ、「決意すれば90%、10年間続けることができればほぼ100%、この構想は実現可能」と言い切った。
実はこの構想には下地がある。松下グループの創業者、故松下幸之助氏が掲げていた「無税国家構想」だ。
山田氏は1981年に京都大法学部を卒業後、松下政経塾の2期生として入塾。その後、東京都議や衆院議員をへて99年に杉並区長に初当選し、現在3期目だ。
「塾生だった当時、松下さんは2カ月に1度ほど顔を出し、そのたびに『無税国家構想を研究してくれ』と話していた。ところが、大部分の塾生はそんなことできるはずがない、夢物語だという感じでした。卒塾して二十数年経ってようやく師の気持ちが分かってきた」と山田氏は話す。
並々ならぬ意気込みを感じるが、クリアすべき課題もある。
まずは、どの自治体もカツカツの状態で、積み立てをするだけの体力的余裕がない場合が多い。その点については、杉並区の借金である区債残高を2006年度までの8年間でほぼ半額の518億円まで減らした一方、基金の積み立てをしっかり増やしてきた実績をあげ、「8年間の平均で予算の12.5%を債務の償還と基金積み増しに振り向けてきた。この努力を続ければ、1割の積み立ては非現実的な話ではないだろう」(山田氏)と説明する。
また、現在は自治体が減税を行った場合には起債が制限されたり、東京都からの交付金が減らされたりするという問題点もある。
「制度という手かせ足かせはあるが、できないわけではない。それに動き始めて世論も盛り上がれば、国も自治体を縛っておけなくなるだろう」とみる。
「私は命がけでやります」と“本気印”の山田氏は7月に、法政大経済学部の黒川和美教授ら5人の専門家による研究会を発足させた。ここでの検討結果を来年、書籍として刊行予定で、「その本を持って、区内全域を回って説明して歩く」という。
ただ、「住民税をタダにするには、持続的な経済成長による金利上昇や物価安定が欠かせない」(エコノミスト)とみられ、簡単には実現できそうにない。が、増税して庶民のフトコロからお金を引っ張り出すことしか考えていない財務省の役人よりはよっぽどマシ。住民税がタダとまではいかなくても、多少なりとも減税できれば成功といえそうだ。
ZAKZAK 2007/08/07
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007080723.html