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“筋書き”事前に了承か 枚方談合 市長、官民の歩調合わせ【東京新聞】
2007年8月2日 夕刊
大阪府枚方市の談合汚職事件で逮捕された枚方市長中司宏容疑者(51)が、「入札−応札なし−工事費増額−再入札」という“シナリオ”を事前に了承していた可能性が強いことが二日、大阪地検特捜部の調べで分かった。特捜部は、高額で受注したい大林組側と、談合防止を掲げていて関与を疑われたくない中司容疑者ら市側が官民の歩調を合わせて筋書きをつくった疑いもあるとみて調べている。
調べでは、中司容疑者は二〇〇〇年ごろ、元枚方市議の府議初田豊三郎被告(49)=談合と収賄罪で起訴=が元大林組顧問森井繁夫容疑者(64)=贈賄容疑で再逮捕=に「受注させる」と持ちかけた会合に同席。以降、協議を繰り返す中で、二回入札することが決まったといい、森井容疑者らもこれに沿う供述をしているという。「第2清掃工場建設工事」の入札は当初、工場棟と煙突のみの建設を対象とし、予定価格約三十九億円で〇五年八月に実施された。しかし、ゼネコン側は「利益が出ない」と入札に応じず、成立しなかった。
その後、市は管理棟などの工事を入札の対象に追加することを決め、予定価格も約五十六億四千八百万円と約十七億円増額。十一月の再入札には三者が参加し、大林組と浅沼組の共同企業体が予定価格の98・42%に当たる五十五億六千万円で落札した。中司容疑者は逮捕前、枚方市の入札制度について「談合防止に向けて他市よりも進んだシステムをつくってきた。私が直接関与しない仕組みになっている」と話していた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007080202038065.html
【私説・論説室から】あぁ…なんてことだ中司君 2007年8月5日
先月の末、夕刊各紙が一斉に伝えた。「中司宏・大阪府枚方市長逮捕」。元府警の警部補や副市長、府議、大手ゼネコンの絡んだ談合汚職に関与した容疑がかかる。
地検特捜部に拘束され、車の後部座席で前かがみになって顔を隠す中司市長の写真が本紙夕刊には載った。
まだ二十代だった彼の政治記者時代を知る一人として複雑な思いにとらわれる。一体何が君をそうさせたか、と。
中曽根政権当時の首相番や自民党田中派を担当した、と履歴にある。もう二十年以上たっていたか、と感慨深い。
彼は産経新聞社の若手記者で、赤みの差したほおに、いちずな瞳が印象的だった。権勢を振るっていた実力者の夫人が「あの子、いい目(の光を)してるわねぇ」と評していたことも思い出す。
政治家の道はそのころから志していたようだ。姿が見えなくなって間もなく大阪府議選に当選したと知って驚いたが、それなりに納得できた。
市長となり再選を重ねて四期目。改革派で地方政界に名の売れた若手首長になっていたから、いずれ国会に颯爽(さっそう)と転身してくるかな、と仲間と話したこともあった。
地盤固めへ危ない橋を渡ったか、それとも多選の落とし穴にはまったか。出身の新聞が「市長辞職は当然」としながら、「現段階では金銭の授受などはなく」「談合があった席では黙って聞いていただけといわれ…」と書いた。
救われる気分の半面、こう思う。なぜ顔を隠さねばならない窮状に陥ったか、失敗の教訓をぜひ開示してほしい。政治を志す有為の若者たちのためにも。それが中司君、さしあたり君の選ぶべき道ではないか、と。 (谷 政幸)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2007080502038690.html