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“隠れた”画家・丹羽有芳に光を はるひ美術館、11月に企画展【中日新聞】
2007年7月7日
大正から昭和初期にかけて活躍した春日町の画家、丹羽有芳(にわ・ゆうほう=本名・丹羽大三郎、一八七〇−一九四六年)の眠っていた作品や外部には知られていなかった作品を集めた企画展を、春日町のはるひ美術館が企画している。これまで一部の関係者しか知らなかったふすま絵など、初めて一般公開される作品も多い。同美術館は「より意義ある展示となるよう、有芳の作品、資料などの情報を寄せてほしい」と協力を求めている。
有芳は、富裕な庄屋の長男として生まれた。当時、東枇杷島町(現清須市)を拠点に活躍した画家石河有鄰(いしこ・ゆうりん)に師事し、花鳥を描くのを得意としたほか、信仰心が強く仏画も多数描いたという。
しかし、同美術館学芸員の阿野文香さんによると、有芳についての調査、研究はまだほとんどなく、阿野さんは「付き合いのあった人の家族や一部の関係者の記憶に残っている情報をまとめる最後のチャンス。町の歴史にきちんと、有芳の名を残しておきたい」と企画展の意図を説明する。
企画展に向け、関係者宅や地元の寺院などを調査するうち、数カ所で有芳の作品を発見。春日町下之郷の天桂寺では、本堂のふすまに有芳が描いたハスを見つけた。有芳の落款と「昭和九年」とあり、本殿を建て替えて本尊を安置したときに描かれたらしい。ハスがおおらかな筆致で描かれ、信心深いとされた有芳の人柄が伝わってくるような作品だ。
阿野さんは「天桂寺さんと一部の檀家(だんか)さん以外、誰も知らなかった有芳の作品です。眠っている作品はもっとあるはず」と話す。現在、掛け軸やふすま絵、びょうぶ絵など約四十点の作品を展示予定だが、有芳が精力的に活動したと思われる五十歳前後の作品は、ほとんど世に出ておらず、「作風の傾向などを探る上で、まだまだ作品や資料が足りない」という。
企画展は十一月に開催予定。有芳の情報提供などは、はるひ美術館=電052(401)3881=へ。
(小蔵裕)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20070707/CK2007070702030210.html