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長寿医療制度:「高齢者に大きな負担」県医師会、撤回求める 当事者に戸惑い /茨城【毎日】
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20080405ddlk08040044000c.html
1日始まった後期高齢者医療制度を巡り、茨城県医師会(原中勝征会長)が都道府県レベルの医師会で初めて、制度撤回を求める声明を発表した。運用開始当日に福田康夫首相の指示で急きょ「長寿医療制度」に呼び替えることが決まるなど、異例の船出となった。対象となった高齢者から戸惑いの声が聞こえる。【八田浩輔】
制度は75歳以上の高齢者全員が対象で、国民健康保険などから新しい医療保険に移行した。窓口での自己負担1割は従来と変わらないが、保険料は所得により異なり、年金受領額が年18万円以上の場合は年金から天引きされる。背景には、膨らみ続ける高齢者医療費抑制の狙いがある。
これに対し、県医師会は先月22日に開いた理事会で反対する方針を決定。同月末に「制度は高齢者に大きな負担をもたらし、医療を制限する萎縮(いしゅく)医療そのものだ」として、制度の撤回を求める声明を発表した。ポスターを作って全会員に配布し、来週から署名活動を展開する。原中会長は「制度について、高齢者も医師もよく分からない状態。世界一の健康長寿国を支える今の(国民皆保険)制度をなぜ壊そうとするのか。この国を立て直してきた高齢者に対して、早く死ねということか」と疑問を投げかける。
「何で線引きされなければいけないの」。水戸市の伊部豊子さん(79)は不安を隠さない。13年前に夫を亡くし、収入は月約11万円の年金のみ。貯蓄はほとんどない。リウマチなどの持病があり、医療費は月2万円以上。食費や生活に必要な車の維持費などを取ると、手元に現金はほとんど残らないという。制度移行に伴い、知人に保険料の計算を頼んだところ、月々の負担は若干だが上がる見込みであることが分かった。「やっていけないよ。今更(長寿医療制度に)名前を変えても本質は一緒。言葉だけじゃなく、高齢者を本当に大事にする制度にすべきだ」と嘆く。
県内の運営主体「県後期高齢者医療広域連合」(水戸市)は、約31万人の被保険者を抱える。1日から問い合わせ用の電話回線を5本から10本に増やし、相次ぐ問い合わせに対応している。4日までに大きな混乱はないという。黒川英治事務局長は「従来と同じように医療が受けられることを引き続き周知していきたい」と話している。
毎日新聞 2008年4月5日 地方版