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-----新小児科医のつぶやき から転載---------------------------------------
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080402
2008-04-02
長寿医療制度に急遽名称変更
中国春秋時代、斉の国の都の臨淄では、斉公の寵妃戎子の嗜好を反映した丈夫の飾りと言われるファッションが大流行していました。丈夫の飾りとは一種の男装で、その颯爽とした様子が好まれたのです。ロイヤルファミリーの真似をしたがるのは今も昔も変わらず、都の中では猫も杓子も丈夫の飾りが溢れかえる事になります。あまりの流行に顔をしかめた時の君主である霊公は禁止の通達を行ないます。
ところが君主の通達であるにも係わらず、一向に丈夫の飾りの流行はやみません。怒った霊公は役人に厳命を下し、
□ 帯を切り、服を引き裂いても中止させよ
命令を受けた取締り役人は、町で見つけ次第、帯を切り、服を引き裂いて取り締まりに励みました。何日か厳しい取締りを行ないましたが、今度は役人の方がビックリしました。あれだけ厳しい取締りを行なったのに一向に丈夫の飾りは減らないのです。自信を無くした役人は霊公に報告し、責任を取って職を辞すると伝えることになります。霊公は辞職を押し止め、この対策に苦慮する事になります。事はたかがファッションの事とは言え、君主である自分の命令が守られない事に苦悩したのです。
霊公は考えます。もっと厳罰にして取り締まるべきであろうか、とは言えファッションで死刑はやりすぎだし、どうしたら良いかと考えあぐねます。そこで偶々目に入ったのは、最近近習として仕え始めた晏嬰です。霊公からの諮問を受けた晏嬰は恐れもせずに真正面から答えます。
□ 丈夫の飾りに関しては、宮中でこれをお許しになり、外で禁じているだけでございます。これは店先に牛首を掲げながら実態は馬肉を売っているのと同じでございます。宮中での丈夫の飾りを禁止されれば、外の事はなんら御心配される事はありません。
この言葉に従い宮中での丈夫の飾りを禁止にしたら、たちまち都の中の丈夫の飾りは姿を消したと伝えられます。この逸話は本来「牛頭馬肉」であったものが、伝聞の過程で「羊頭狗肉」と間違って拡がりましたが、現在でも残る有名な故事成語となりました。この時、晏嬰は弱冠二十歳であったといわれています。
さて現在の日本。実態無視の医療費削減狂騒曲に踊る政府は、従来の保険制度ではこれ以上の削減は困難と考え新制度を作り出します。その名を後期高齢者医療制度。国民の負担は高くなる代わりに医療の質を低下させ、さらに裁量でいくらでも医療費を削れるようにできる制度です。この制度の実態を知る現場の医師たちは猛反対をしましたが、医師の意見を代表するとされてきた日医まで転んで制度は出来てしまいした。
現場の医師はこの制度をこう評します。
□ 現代の姥捨て山制度
他にはこう呼ぶものがいます。
□ 後期高齢者不要制度
例によって例の如く、医師の危惧とは裏腹に患者の反応は鈍く、法案は粛々と成立し実行されています。
ところが時の政府は前年の参議院選挙の惨敗で半身不随になっています。またこの政府は二代続きで総選挙の洗礼を受けず、さらにやれば確実に現在の絶対過半数を失うのは火を見るよりも確実なので、それもできないジレンマに陥っています。それでも総選挙は近い将来必至なので、選挙対策を嫌でも考えなければなりません。そこで「痛み」を感じ始めればかならず反感を抱くであろう後期高齢者医療制度もなんとかしなければと考えます。
とりあえず少しでも「痛み」を感じなくするために保険料の凍結・緩和方針を打ち出し実施します。これは誰が見ても総選挙までの先延ばしですが、まずこれを打ち出しました。4月1日になり後期高齢者医療制度が本格実施されると、不安になったのかさらに小手先の案を考え出します。あまりに小手先過ぎて驚くほどですが、4/1付MSN産経ニュースより、
====sankei.jp.msn==============================================================
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080401/wlf0804011856003-n1.htm
「後期高齢者」やめます 長寿医療制度に急きょ名称変更
厚生労働省は1日、この日にスタートしたばかりの75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」の名称を「長寿医療制度」に変更すると発表した。スタート初日に、制度の名称が変えるのは極めて異例。ただ、周知期間がないままでの変更だけに2つの制度があるかのように誤解される可能性があり、新たな混乱が起こりそうだ。
急遽(きゅうきよ)変更となったのは、「75歳以上を後期高齢者と呼ぶのは失礼」などといった世論の批判を受けて、福田康夫首相が同日の閣僚懇談会で舛添要一厚生労働相に変更を指示したため。厚労省は「長寿医療制度実施本部」も設置し、制度や名称変更の周知、相談体制の強化を図るとしている。
後期高齢者医療制度をめぐっては、高齢者に「負担増につながる」などの不満の声が強く、野党4党は今国会に廃止法案を提出した。名称変更や実施本部の設置はこうした批判をかわす狙いがあるようだ。
厚労省によると、「長寿医療制度」はあくまで通称で、公式文書などには引き続き「後期高齢者医療制度」も使用するという。ただ「突然の上からの指示だったので、使用基準は決めていない」(幹部)というドタバタぶり。
後期高齢者医療制度については、3月には2億5000万円もかけて政府公報を配布したばかり。あまりに場当たり的な対応に、野党は反発を強めている。
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後期高齢者制度の実態は狗肉を売るどころではなく、正体不明の食べる事さえ不安な屑肉です。そんな物を売っている店の看板を
□ 長寿医療制度
これに付け替えるというドタバタです。さぞや厳命を受けた厚労相は驚いた事だと思います。本音では「首相御乱心」と感じたかと思います。もっとも厚労省自体はその体質が真性の朝令暮改ですから、文字通り4月1日の朝に法令が発せられ、夕方に改められようが日常茶飯事ですから何にも感じなかったかもしれません。
しかしどれだけの愚策か首相は本当に分かっているか不安です。考えようによってはマンションの強度偽装や、食品の産地偽装、賞味期限の偽装と同じぐらい悪質です。悪質と言う表現はどうも適当ではなく幼稚とした方が相応しいかと思います。偽装問題は本当は質が悪い事を隠蔽した工作です。一方で後期高齢者医療制度の看板の付け替えは、不良品のパッケージを上品にして誤魔化そうとするものです。悪質でなく幼稚の方が適当でしょう。
例えれば、現在誰もが不安視しているあの中国の会社の餃子を「中国四千年、秘伝の最高級餃子」と政府公認で名づけ、「だから不安は無いから心配するな」と言っているのに等しいと感じます。首相の周囲でその幼稚さを諌言できる人物はいない事が良く分かります。斉の国の故事である羊頭狗肉は、晏嬰の見事な諫言とともにもう一つ大事な事を伝えています。政府のやり方を国民が真似するという事です。この国の政府は、どんなに質の悪い物でも、パッケージさえ変更すれば「それでOK」である事を見せ付けたことです。
国が衰えれば指導者は小粒となります。小粒であるだけでなく質も低下します。さらに質が低下するだけでなく、それを補佐する人材の質も低下します。補佐する人材の質の低下は、個人の資質はともかく、正しい事を正しいと言い、正しくない事を正しくないと言える人物が枯渇します。そういう時代になっていると言う事のようです。
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コメント
麻酔科医 2008/04/02 09:21 >長寿医療制度
エープリールフールの記事じゃないんですか?東京新聞の特集首都圏あたり(毎年エープリールフール記事を載せている)あたりに載せていたらすごかったのに。
暇人28号 2008/04/02 09:26 いっそのこと、横文字を使えば誤魔化せるかも知れませんよ? →福田首相(笑)
某巨大掲示板では、厚労省役人が「まあ、保険料収入が増えるだけよしとするか」と発言したとかしないとか....
最近の報道を見ていると、どうもお金のことだけに目が行っていますね。しかし、この制度の問題の本質は医療費が包括になり、さらに皆保険の縛りにあい、満足する医療が、たとえお金持ちであっても受けられなくなることのあるのですが、それはほとんどのマスコミがスルーしています。9月中に、一般病院に入院中の IVH患者さんが追い出されます。場所は自宅か療養病院。療養病院は可能な限り置いてくれますが、今までのフルカロリーの点滴はできません。高熱が出ても抗生剤は1−2種類しか使えません。恐らく数ヶ月で栄養失調や感染症で死亡することでしょう。
もしも、フルカロリーでのIVHを希望するならIVHポートを入れて自宅で面倒を見ることになります。あるいは、なんとか胃ろうを入れるかですが。
ちなみに、私はこの二者択一を家族に問いましたが、皆さん「それでは早死にしてもいいから療養に入れてください。家に連れ帰って面倒を見ることは出来ません」との返事でした。
水面下ではどこの病院でも動き出しています。
「長寿医療制度」とは名ばかりで、実際には「早死に促進法案」でした。
通りすがり 2008/04/02 10:24 障害者管理加算の要件変更について、誰も突っ込まないのはなぜでしょうかね?
重度肢体障害(身体障害者1〜2級)であったものに、
「(脳卒中後遺症及び認知症によるものを除く)」と追加されただけで
全国の病院から脳卒中後遺症で寝たきりの老人が追い出されるのですがね
要件の対象患者7割の枠外を利用できるかと思ってたら、後期高齢者での
「90日越えの入院は927点丸め」ルールで入院不可能になりました
熱出して抗生剤使ったら、それだけで大赤字ですから、怖くて入院させられません
私の勤務する病院でも、病棟再編を画策してますが、
どうやらベッド削減も視野に入れざるを得ない状況です
療養病棟に転換しても潰されるのは目に見えてますし、どうしようもないですね
本格的にベッド削減を実行してきたなと思います
28万床削減計画、本気でやってますね、あいつら
地方から崩壊していくでしょうから、阿鼻叫喚の地獄絵図になりそうです
Seisan 2008/04/02 10:32 日本語の文化の特徴として「言霊」というのが挙げられると思います。
これは、言葉というものがそのものの意味を作る、という理解をしているのですが、この無理大臣、思いっきり悪用してますね。
「後期高齢者」を「長寿」と言い換えることで、制度を何も変えることなく、「いい制度」だと思うようにしてください、という主張ですから。
まあ、日本という国は昔からこの手の「目先のごまかし」を繰り返してきた国ですからね。
まあ、「癌」を「腫瘍」と言い換えたら、「そうか、私はガンではないんだな」と変な納得をされる患者さんがいらっしゃいますもので、昔は現場の医師も似たようなことしてましたね(笑)。でもそういう納得をした人に限って意外と治っちゃったりする。
moto-tclinic 2008/04/02 10:44 毎度のことながら、流れに逆らうアマノジャクですみませんが、「長寿医療」いいネーミングだと思います、わたしは。素直に。
「これだけ長生きしたから、もういいじゃないですか」て、直接にはなかなか言えません。暗に遠まわしに示唆してます。
揶揄したり皮肉ったりは、できますが、長寿医療、うまい語だと思いましたよ。
もちろん、ネーミングと制度の中身とは、別物なんで、誤魔化されてはいけませんけどさ。
Yosyan 2008/04/02 10:56 moto様
ネーミング自体は悪いとは思いません。ただ本来は「名は体を表す」であって、実態を上手く言い表すものが求められます。今回のネーミングはそうではなくて「名は体を誤魔化す」、つまり後付けで羊頭狗肉をしようとする点が問題かと思います。
もちろんそんな事は百も承知と思いますが、念のために。
rijin 2008/04/02 10:59 この政権も追いつめられてきましたね。
もともとエスタブリッシュメントの願望に無理があるのに、それに付き合うのは大変です。
moto-tclinic 2008/04/02 11:03 >Yosyan様
いや、医者が「長寿医療」のネーミングにケチつけるっていうか、「あんなものは長寿医療じゃない、姥捨て山医療だ」って、言い出すと、お年寄りたちは、医者に対して誤解・反感を持つだろうな、と、まあ、思った次第で。
ここは、長寿医療はいいネーミングで、それにふさわしい内容にすべきだ、と声を上げるのが正解かと。
Bugsy 2008/04/02 11:12 実に多くの地方自治体で小児医料を補助しています。都内23区のほとんどが中学3年生まで上限を上げました。この財源を高齢者の医療補助にまわせないんですかね?
たしかに地方によっては小学生より老齢者の人口に占める割り合いが多いところもあるのかもしれませんが、せめて高齢者の保険料くらいを自治体でカバーしてもらいたいものです。
それにしても片寄っていますね。
通りすがり様のおっしゃるように
「90日越えの入院は丸め」ルールで入院不可能になりました。
かといって老人健康施設での薬剤投与はすべて自費です。これをほとんどの方が理解出来ないか、苦痛の御様子です。昨年度までは2ヶ月単位で老人健康施設を転々されるお年寄りが多かったのですが、病院をも渡り歩かざるをえない状態に突入したようです。ベッド利用率を極端にあげなきゃ病院経営は立ち行かないのですが、優先順位として後期高齢者の慢性疾患の方に入院していただくというのは大変苦しいというのが 本音じゃないですかねえ。
暴利医 2008/04/02 11:32 Seisan さまご指摘のとおり、我が国の「言霊」信仰の強さを端的に現していると思いました。信仰そのもののぜひはともかく、政策という具体的な問題を言葉という抽象的な記号におきかえることによって、議論が本質から容易に脇にそれてしまいます。
暇人28号 2008/04/02 11:32 Bugsy 様:
>病院をも渡り歩かざるをえない状態に突入したようです。
もう渡り歩くことすら出来なくなりました。
なぜかというと、前医の在院日数も過去3ヶ月に関しては当該入院時の在院日数に組み込まなければならなくなったからです。つまり、前医で90日入院したら、当院に転院してきた時点で91日目となるわけです。初日から包括診療一日9270円ですることになります。長期入院はいきなり療養病床に行くことになります。
暇人28号 2008/04/02 11:51 とにかく、日常生活が自立できない人は、
1 療養病棟に入れてもらう。
2 老人保健施設に入ってもらう
3 特別養護老人ホームに入れてもらう。
4 自宅に連れて帰る。
これしかないわけです。
1の場合入院の条件がきつく、多くの場合入院できない。出来たとしても数ヶ月で栄養失調か感染症で死亡するのを待つ。
2の場合、入所条件は比較的軽いが、反対に重症者は入所できない。今後入所希望者が殺到した場合、入所できるか分らない。
3は御存知のように待機者数が100人を超えるところがザラ。入所まで何年も待つ必要がある。
4は介護地獄が待っている。
Yosyan 2008/04/02 12:07 1 療養病棟に入れてもらう。
2 老人保健施設に入ってもらう
3 特別養護老人ホームに入れてもらう。
4 自宅に連れて帰る。
1.は血眼で削減中、2.と3.は抑制に躍起ですから、必然的に4.にしか流れようがなくなるわけです。もう少しだけ補足すると、
一般病床 → 療養病床 → 老健 → 特養
この流れの下流を削減・抑制し、最上流の一般病床内での循環を押さえ込めば、制度的に在宅に流れざるを得なくなると言うことです。もちろんそのために在宅美談番組でプロパガンダを行い、在宅医のかき集めに診療報酬の梯子をかけています。
これもできちゃいましたから、次のステップは介護地獄で世論が起こることです。来年がそういう意味では楽しみです。
TOM 2008/04/02 12:22 >介護地獄で世論が起こることです。来年が...
その時は「儲けにならないからと言って老人を受け入れない病院が悪い」と、マスコミと世間は言っていることでしょう。
>1.は血眼で削減中、2.と3.は抑制に躍起
私の近所でも、ほんの数年前に併設の介護施設を作った病院さんとか、厚生省にいきなり「やめろ」と言われて頭を抱えています。
暇人28号 2008/04/02 12:48 今回の診療報酬改定で2年間のうちに起きることは、
1 ベッド数の大幅削減。
「老人病院」と言われていたような一般病院がなくなります。療養病床に転換するところもあるでしょうが、数としては少数でしょう。療養も大幅にベッド削減します(なにしろ、入院する患者さんは数ヶ月から長くても半年で死亡確定ですから)。
2 在宅介護の急増、あるいは死亡者数の激増
「人の命は地球より重い」と考える人権重視派の方はどうぞ自宅に連れて帰って24時間365日の介護を実践してください。入院の継続を希望するなら、療養病棟で数ヶ月で死亡です。恐らく平均寿命は下がるでしょう。
さて、この先に(遅くとも来年までに)次の衆院選挙があるわけですが、その時に皆さんがどのような投票行動に出るのでしょうか。「小泉万歳」としてまた自民党が大勝するでしょうか、それとも民主党に流れるでしょうか。ちなみに、私は今後の医療情勢を家族に話して二者択一を迫るときに、「これはあくまで今までの自民党と政府の政策による結果です。現場ではどうすることも出来ません」と話しています。
Level 6 2008/04/02 13:13 Yahooニュースにて
無理心中 介護
で、クロス検索してみました。
ま、氷山の一角なのでしょうが。
moto-tclinic 2008/04/02 14:23 低〜中所得者層への影響は読みやすいんですが、高所得・富裕層は、どう動くんでしょうか?年間数千万払っても、これまで通りの医療サービス受けたい人たちもいると思うんですが、そういうのに対応してる医療施設って、あんまり無いですよね?
・・わたしが知らないだけかな?
元ライダー 2008/04/02 15:12 今のところ外来診療に関しては天寿、いや長寿医療制度の影響はほとんどありません。
アクセス制限は結局無かったし、従来どおりの出来高算定も可能だからです。高齢者だけ下がったのは外来管理加算5点だけです。
従来どおりの算定が可能なら、意味のない紙を渡して、無駄な指導をして、にもかかわらず、たった600点でマルメを選択するのはマニアック診療所くらいでしょうね。コストパフォーマンス悪杉です。
主治医研修はどうするんだろうと思っていたら、介護保険の主治医研修等で代用するようです(暫定かもしれませんが)。今のところそんな研修を受けるのは無意味です。もっとも「次回の改定でアクセス制限が導入されるかもしれないから受けておこうか」と例年なら考えるのですが、次回改定では政権が変わっているでしょう。政権交代が無いとしても衆院2/3再議決は確実にできなくなりますから、今が底と考えて良いかと。
厚労省役人は「次回改定では・・・」なんて語っていますが、従来のように改定作業ができると考えているとしたら大甘ですね。
Yosyan 2008/04/02 16:03 >厚労省役人は「次回改定では・・・」
確かに。参議院のねじれは少なくとも後2年弱続きますし、下手すると次の次の参議院選挙まで続く可能性があります。現在の政権がなんとか保っているのは小泉遺産の衆議院2/3ですし、いかに与党が健闘しようがこれの保持は絶対無理です。もっとも次回総選挙で与党が過半数を確保すれば問題は余計に複雑化し、最悪国政が動かなくなります。
そうなると2年後の改定はどうなるかは神のみぞ知る世界になるかもしれません。誰が政権を握り、どんな医療政策を打ち出すか。これを今の時点で予想できたら大したものです。当然ですが現在の厚労省幹部の顔ぶれもどうなっているかは予想できません。
Bugsy 2008/04/02 17:17 話題がずれてすみませんが。
実はオイラの外来に米国の大学病院に勤務する外科医の友人から紹介状をもらって香港在住の患者さんが飛行機で定期的に診察に来られています。
その人の口コミもあってか 友人にあたる中国や台湾の方が続々と受診に来られることが増えました。皆さん英語も達者で家族の幾人かはカナダや米国に在住されてるそうです。
医学英語のレッスンにもなるし、皆さん丁重な方なんで親切に診療にあたっています。
まずは米国で手術を受けた後の 術後のfollowを私の外来で放射線診断をしつつ行う形なんです。ついでに人間ドックもOK,再発が万が一あっても日本で入院したいそうです。
診療報酬に関しては事務が処理するので詳しくはないのですが、多分自費でしょうかね。彼らが口々にいうのは「それでも日本の医療は大変cheapだ。」と喜んでいます。
せめてreasonableぐらい言って欲しいと内心でつっこんでいます。確かに手術を米国で受けたとしても 入院治療費、そのあとの滞在費や定期的に受診するのが予約が中々とれなくってと、一様にこぼしています。物価が安く見える彼らの母国でも 治療や診断を受けるとなると金銭的にも厳しいんだとも伺いました。だから日本の医療費がたとえ自費であろうと飛行機代を使っても割りに合うと気づいたともです。
自分は心中複雑です。勤務医なので特にビジネスチャンスとまでも思いません。ただ彼らが無邪気に感謝し、喜んでいるのを見ると どうして日本政府やマスコミ、国民が日本の医療を痛めつけるのかわかりません。
喜んでもらえるのももうじき終わりですかね。
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