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---ポンコツ研究日記〜悩める産婦人科医のブログ〜 から転載--------
http://ameblo.jp/y-gami/entry-10083720991.html
2008-03-28 23:55:42
裁判官が決める日本の産科医療の行く末
引継ぎ等で立て込んでて・・・。
更新が不定期でごめんなさい。。。
==
さて、私のブログの1年ちょっと前の記事
麻酔科がいなきゃ、お産ができない?
http://ameblo.jp/y-gami/entry-10026867658.html
の2審の判決が出ました。
大和市立病院医療過誤訴訟:2審も過失認める /神奈川
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080328ddlk14040184000c.html
この件の詳細とそれに対する意見については以前の記事でも書きましたけれど、
今回の判決では一応賠償額は減額になりました・・・。
が、
>高裁判決は1審と同様に「胎児の心拍数の一時低下症状が表れた際、速やかに帝王切開していれば、
>重い障害は残らなかった」と指摘し、医師の過失と障害との因果関係を認めた。
>一方で「母親の入院当初から胎児は相当程度の低酸素状態にあり、障害の一因になった」と判断し、
>賠償額を4割減らした。
裁判官というのは神様なんでしょうかね。
母親の入院当初から相当程度の低酸素状態で障害の原因
としているにもかかわらず、
速やかに帝王切開していれば重い障害が残らなかった
と決め付けることができる根拠が知りたい。
それも1時間以上かかったから、重い障害が残ったら、
何分以内だったら障害が残らなかったのか。
ぜひ教えてほしいです。
==
遅いよりは、そりゃ早いに越したことはないかもしれません。
しかし、早いから障害が残らなかったなんて、誰もいえない。
ましてや、「入院当初から相当程度の低酸素状態」だったとするならば、
低酸素状態に陥ったのは、入院前。
つまり、低酸素状態になったのは具体的にいつからだったかわからないことになります。
となれば、低酸素状態になってから児を娩出するまではもっと時間がかかっている。
仮に入院1時間前から低酸素状態だったと仮定すれば、
児が娩出されるまでの低酸素状態は2時間以上。
入院後30分以内に児を娩出できたとしても、1時間半以上低酸素状態であったといえます。
そうなってしまえば、児娩出まで30分以内なら障害は軽くて済み、
1時間以上だと障害は重くなるなんて、とても言えないでしょう。。。
院長は
>ただ、(医療現場の)限界は認められたのかと思う
と言ってますけれど、この判決の影響は大きいです。
これがまっとうな判決というなら、
帝王切開決定から児を娩出するまで30分以上かかる病院は
すべてお産の取り扱いを中止すべきでしょう。
ただ、そうなれば今ある分娩施設の半分以上がお産をやめざるを得なくなる・・・。
そういった現実を前にしても、こんな判決がまかりとおるのですから、
産科の行く末は真っ暗だと思います。。。
コメント
■あたひの職場も…
帝王切開って決まってから手術室入室し、ベビーが出てくるまで2時間はかかります…
しかも、夜間なら更に…
オンコールの麻酔科医を呼び、手術室の看護師を呼び…
病棟では、妊婦に寄ってたかってルート取ったり、オペ着に着替えさせ…他にも沢山の術前準備をし…
そんな状況のなか、現場の人間は、1分でも早く終われる様に、髪振り乱して皆必死こいてやっているのに…
現場を知ってから判決を出して欲しいものです…
書類で決めるんじゃない!現場を見てから判決出してくれ!!!ヽ(`Д´メ)ノ
裁判官も、どんだけ現場が忙しいか見に来ればいんだ!
しっかし…低酸素状態にあったのかも、って…
その裁判官、過去の状況を書面で見て、低酸素状態って透視出来るのでしょうね〜!Σ(゚∀゚ )そうだ!
その裁判官、裁判官なんてやらずに、現場に来てもらって、あのベビー低酸素状態にあるからはやく手術!!!って言って欲しいものです
ふぃりあ 2008-03-29 11:03:59