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医師の受難。放置は国民が自らの首を絞めているということ。高知県医療センター脳神経外科の現状
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投稿者 忍 日時 2008 年 2 月 27 日 11:40:23: wSkXaMWcMRZGI
 

医師の受難。放置は国民が自らの首を絞めているということ。高知県医療センター脳神経外科の現状
テーマ:医療崩壊

あまり知られていないが、産婦人科、小児科、内科、外科だけでなく、全国の多くの基幹病院にある脳神経外科の勤務状況は、一般の方の想像を遥かに越えるほどに過酷である。過労死がいつおこってもおかしくないところも少なくない。

その状況を高知新聞が生々しく伝えている(全国医師連盟に教えて頂いた記事です、ありがとうございます)。


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医師が危ない 

高知新聞

十七年三月に誕生した高知医療センターでは、多くの医師が激務をこなしている。中でも一刻を争う脳や心疾患担当の医師は負担が大きく、今、全国的に医師不足が問題化している産科、小児科の予備軍とも言われる。本県は高齢化先進県。今後、脳卒中の発症増は確実なのに、肝心の医師がピンチでは大変だ。過酷な医療の現実を追った。

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(1)燃え尽きそうや

 高知医療センター(高知市池)に勤める脳神経外科医、溝渕雅之医師(48)と会ったのは平成十八年夏のことだった。

「燃え尽きそうなんやから。一カ月の時間外労働が二百時間近い。もう(妻子のいる)岡山に帰りますわ」

その十日ほど前、彼は辞表を出していた。

高知市出身、岡山大卒。米国に二年半留学。パーキンソン病関連の論文で博士号を取ったベテラン。大阪の救急病院にもいたから関西弁が交じる。

脳外科医として働く一方で、救命救急科にも属し、急患にも対応していた。それは彼の言葉によると「血で血を洗うような生活」だった。

「脳疾患以外の人も救急車やヘリコプターで次々来るんやから。交通事故や転落はもちろん、包丁で胸を刺されたとか、風呂でおぼれたとか、リストカット…」

昼間は複数の医師で対応するが、夜の救急車対応の当直医は一人。それであらゆる急患に対応するからきつい。ちなみに、救急車以外の自力で来る「ウオークイン」患者は別の当直医が診る。

そしてもう一つ、彼の場合、特技が自分の仕事を増やしていた。

「脳脊髄(せきずい)液減少症」という難病治療。交通事故や転落、衝突などが原因で脊髄から髄液が漏れ、痛みやしびれの出る病気。「むち打ち損傷」で片付けられることが多かったが、近年、診断・治療技術が進み、劇的に治るケースも出てきた。

 マイナー分野ながら、彼はその症例研究で世界のトップグループに属し、国際学会でも二度発表している。彼のような専門の医師は中四国で数人しかいないため、週一回の一般外来には県外からも患者が来ていた。

難病ゆえに時間も掛かる。初診だと一時間半コース。そんなわけで外来が終わるのは夜。それから病棟を回診し、紹介状の返事書き。入院治療内容の要約を打ち、頼まれた書類を作成。さらに学会発表の準備もあったりで、帰宅は午前二時から四時になる。一般外来以外の日も、救急医として昼夜、間断無く呼び出される。そして脳外科医としての手術や検査。

あまりの忙しさに、研修の大学生から「先生はいつ寝てるんですか。体が慣れるんでしょうか」と驚かれたこともある。

「四十代後半じゃ体がついていかない。老眼も出てきたし」

脳疾患はわずかのミスが命を左右するだけに、疲労困憊(こんぱい)では危険だ。消耗ぶりが激しかっただけに、彼は言葉通り、てっきり高知医療センターを辞め、岡山に帰ったものだと思っていた。

だから一年後の昨夏、高知で再会した時は驚いた。聞けばまだ高知医療センターで頑張っていたが、事態は悪化。一般外来はやめたという。

「急患がどんどん来始めて、このままじゃ、脳外科は皆、倒れるかも…」

長い話を終えたのは日曜日の夜中。「これから紹介状書きとレセプトをいくつか仕上げて、寝るのは朝の四時ぐらいかな」。そう言って、彼は病院に戻っていった。


(2)疲労で起きられず

 一年半前、溝渕雅之医師(48)と最初に会った時の話に戻る。

   ◇  ◇

高知医療センターの救急外来は、他の病院が休みの週末が多忙になる。

「僕らはそれを『週末医療』と呼んでるんですけどね。次から次へ患者さんが来るから、もう、そこら中が大変。金曜日の朝からICU(集中治療室)のベッドをどんどん空けておかんと、満床で受け入れできんなってしまうんですから」

彼の一般外来担当は月曜。

「だから、土、日、月は必死ね。日曜日の夜間に救急車で八回呼ばれたりするから」

一睡もせず、そのまま朝から外来診察へ。患者さんを診ながら、ふっと意識が遠のいたこともあるそうだ。

救急車で来る患者のうち、最も多いのは心臓疾患で約30%。次いで脳卒中などの神経系が25%、さらに外傷の整形外科が続く。

心臓系の診療科も大変だが、「心疾患は心臓外科と循環器内科の両方が診るから、医師の数は合計で十五、六人。人数的には大軍団。でも、脳外科は少ないし、交通事故とか、整形の患者でも頭打ってたらすぐ呼ばれるから出番が多いんですよ」。

高知医療センターの医師は全部で百数十人。その中で残業が月百時間以上の医師は十人から二十人。脳外科は四人いるが、全員が軽く百時間を超える。

「脳外科は皆、救急で呼ばれますからね。僕以外の先生も、昼間の予定手術があったり、外来を診たり、血管造影の検査で忙しい。そこへ緊急オペが入る。脳梗塞(こうそく)の血栓を溶かす血管内手術なら、家族への説明時間も入れて四、五時間、開頭して動脈瘤(りゅう)のクリッピングなら六、七時間」

そういう手術は複数の医者が入る。

「だから、どんどん“たれもつれる”わけ。それが終わってからやっと病棟の回診。消灯が九時半やから、その前に行けるかどうか皆、必死ですよ」

しかし、それでも終わらず、帰宅が翌日になることは既に書いた。

「だけど、うちの脳外科のトップの先生は、もっとすごいんです。五十代半ばやのに、僕より長時間病院にいるんやから。今、この時間(午後十時すぎ)も間違いなく仕事しとる」

四十歳前の、血管内手術を受け持つ医師も激務という。

「僕の前に救命救急科でヘリに乗ってたんやけど、三日に一度しか家に帰れんかった。最初のころは時間外が月二百四十時間弱。連日連夜で朝、めまいで起きられんかったことも。僕も動けんなって、昼から出てきたりすることが最近あるから」

残業、一カ月二百四十時間。単純に三十日で割っても一日八時間。殺人的である。

「そう。で、『もうこれ以上やると倒れる』ってところで帰るわけね。僕はすぐ近くの官舎で単身赴任やから朝の五時に帰っても大丈夫やけど、小さい子供のおる先生とかは非常につらいわね。ちなみに、アメリカの医者で一番離婚率が高いのが脳外科なんですよ」


(3)後継者が激減

自分の命を削って他人の命を救うような激務。高知医療センターの溝渕雅之医師(48)の話に驚きながら、素朴な疑問が浮かんだ。それほど寝不足で手術して大丈夫なのか。

「だってほかにおらんから。だから、僕は忘年会や歓送迎会も出ない。お酒飲むより、横になって体を休めた方がましなんです」と言って、こう例えた。

「車ならアクセル全開ですっ飛ばしてるようなもの。高速道路を百七十キロぐらいでずーっと飛ばし続けて、オーバーヒートして、シュルシュルシュル…となりそうな」

胃潰瘍(かいよう)や血圧の薬、安定剤をいくつも飲んでいるという。しかも、断り切れない学会発表や論文の締め切りもあり、さらに寝られない。

「コーヒーなんかもガブガブ飲む。週のうち、二日だった徹夜が四日になったら、もう持たんでしょう」

―こうやってしゃべる時間ももったいない?

「そう。降り積もる雪みたいなもの。雪かきしても全然、降りやまない。雪は春が来れば解けるけど、ここは春が見えないんやから。だから、僕は思うわけ。自衛隊が派遣されていたイラクのサマワは、こんなものかなって。病院と官舎の往復だけの缶詰状態なんですよ」

   ◇  ◇

全国的な外科医不足。中でも脳外科はかなり深刻だが、あまり注目されていない。

日本脳神経外科学会に入会した医者の数は、平成十五年度までずっと二百人台だったのが、百人台に落ちた。

理由は「訴訟が多い」「休みが取れない」。産婦人科や小児科と状況は似ているが、さらに十六年度から始まった研修医の新臨床制度が響いた。医師免許取得後の二年間、研修が義務化されたのだが、その中に脳外科の研修は原則的にはないのだ。

「循環器や消化器内科・外科、精神科とかは順番に二カ月間ずつ、必ず回るわけです。小児科は医師確保にものすごく力入れてるから。点滴とかも最初のうちは血管が細くて取れないんやけど、頑張ってるとできだす。そうやって一つ難しいのを越えると皆、興味を持つじゃないですか。そしたら、小児科医になりたい人間も出てくる。だけど、脳外科には最初から来ないんですよ」

専門性が高いから後回しなのか。それが後継者不足を助長している。

「顕微鏡を使うにしても六、七年目。後頭蓋窩(こうずがいか)という、頭の後ろ側の血管手術ができるには十年以上かかるといいますからね」

実は十九年度、中四国地区の脳外科入局者は、十大学で合計十一人しかいない。高知大も七年ぶりにやっと一人、入局したところだ。

「脳外科も少子高齢化で、新しい人材が出てこない。そしたら、僕らは、いつまでこういう生活を頑張ったらいいんですか? という話ですよね。まさかこんな時代が来るとは、誰も思わなかったんだから」

   ◇  ◇

十八年夏、溝渕医師が語った脳外科の窮状はまだ続いたが、話を一年後、昨夏の再会の場に移そう。

(4)“防波堤”崩壊

一昨年の夏、溝渕雅之医師(48)が辞表を出した後、高知医療センター脳神経外科の医師は二人増えた。三カ月後に県内の民間病院で勤務していた大卒後七年目の女性医師が、さらに昨年四月には、自治医大を出て十二年間、県内で地域医療に携わった内科の認定医が「一番忙しい所で自分を試してみたい」と戦列に加わったのだ。 気を取り直した溝渕医師は辞表を取り下げた。

しかし、残業二百時間近い状況は一向に変わらなかった。なぜか。それは県東部の病院の脳外科が力を失ってしまったからだった。

その端緒は既に書いたように、平成十六年から始まった新卒医の新臨床研修制度だ。以前のように大学の医局に残らなくても、どこで研修してもよくなった。

「研修は好きな所で受けられるとなったら、若い人はやっぱり、都会に出て行きますよね」

それだけでは収まらなかった。「研修医が自由に勤め先を選べるのなら、自分らも」と中堅どころが医局を飛び出し始めたのだ。仕事がきつく給料も安い公立病院の勤務医を辞め、待遇の良い民間病院に出たり、独立して開業するケースが増えた。

人手不足に陥った各大学は、派遣先から医師を引き揚げた。その結果招いたのが、現在の全国的な医師不足である。

県東部の拠点だった県立安芸病院も例外ではなかった。十八年三月までに、岡山大から来ていた二人の脳外科医が去った。さらに安芸郡田野町と香南市野市町の病院も、二人から一人に減った。

そうなると戦力的に全く違う。一人では、手術中に別の入院患者の容体が急変した場合が怖い。その差は「ゴールキーパーなしでサッカーをするようなもの」と溝渕医師は言う。

「攻めにいってボールを奪われたら、たちまち失点。だから、一人だと脳動脈瘤(りゅう)とかの大きな手術がやれない。そうなると腕も鈍る。ますます手術から遠ざかる。ゴルフだって、たまにコースに出ても、スコアが出せないのと同じです。ただ、ゴルフはミスしても挽回(ばんかい)できるけど、人の命はそうはいかんから」

昼間は外来と入院患者の対応。そこへ夜中の緊急手術が入ると体は持たない。というわけで、県東部の脳疾患への対応力は衰退。その結果、多くの救急車が最も近い高知医療センターへ向かい始めた。

さらに、脳外科の拠点が近くにあることで頑張っていた周囲の内科系病院も、けいれんや意識障害といった神経系の急患には、最初から腰を引き始めたという。

「患者さんの命を落としてしまったら大変ですから。家族も大病院志向になる。ちょっとぐらい遠くても『設備が整って専門医のいる大きな所へ』と。だから、『急にどうして?』というほど患者さんが増えたわけ」

“防波堤”を失った高知医療センター脳外科。そこへもう一つ、新たな波が襲ってきた。


(5)想像超すヘリパワー

高知医療センターの負担増に拍車を掛けたのは、ヘリコプターだった。

「室戸にヘリポートができたでしょ」と脳神経外科の溝渕雅之医師(48)。県立安芸病院から脳外科が消える直前、平成十八年二月のことだ。

「あのころから東部の急患が、どんどん来始めたんです。どこから来てるか聞いたら、救急車は安芸方面から。ヘリも、それまであまり来なかった室戸からの要請で、突然のように舞い降りてね。午前中だけで二回、室戸へ飛んだこともあったから」

高知医療センターの屋上にはヘリポートがある。遠方で重症患者が出ると、高知空港から高知医療センターへ飛んできたヘリに救急医が乗って現場へ直行。室戸なら二十五分で往復し、一階の救急外来へ直行する。

当然、救命率は上がるし、それまで救急車で一緒に付き添ってきた医師も、病院を何時間も留守にすることがなくなり、へき地医療にとっても恩恵は大きくなった。そのPRが行き届いたためか、室戸だけでなく、県内全域からヘリが来るようになった。

そうなると、救急車と同じような問題が起きてきた。軽症の患者もヘリで運ばれてくるようになったのだ。

「脳幹出血だから」と老健施設から送られて来た人は、単なる排便性の失神だった。「脊髄(せきずい)損傷」ということで整形外科医が迎えに行ったら、単なる打ち身だったことも。

「そんなのが西から東から三回続いたこともあったからねえ」

県消防防災ヘリ「りょうま」。今、注目を集めている空飛ぶICU「ドクターヘリ」と比べると装備は落ちるが、時間短縮効果は抜群だし、ヘリの中で医師が呼吸を助けるための気管挿管ができるだけでも威力は大きい。

「まさか、ヘリの力がこんなにあるとは想像できなかった。はるかかなたから急にポンと来るようになったんですから。軽症の患者さんが来るのも、ある程度は織り込み済みなんだけど、事前にCTとかエックス線の画像を伝送してくれていたら、こっちからの指示だけで済んだ場合もあるから」

軽症患者への対応で消耗してしまうとストレスがたまり、重症患者に全力投球しづらい状況が発生するという。

かといって、へき地の小さな病院は人手も少ないし、CTやMRIといった検査機器がない所もある。「無理して自分が診るより、専門医に任せた方が患者のため」という気持ちも当然、出てこよう。

ヘリ搬送を頼んだ経験のある医師に話を聞くと、「救急車の搬送でいいかな」と思う患者でも、家族から「ヘリで送って」と言われると、断り切れない時があるという。もし、後で何かあった時にトラブルになりかねないからだ。

一回の飛行で七十万円近い経費が掛かるが、それは税金で賄われるから、利用者は気軽に頼みやすい側面もある。

「だから、そこの見極めが難しいんですけどねえ…」と溝渕医師。

同じ高知市内の高知赤十字病院や民間の近森病院も救急車を数多く受け入れているが、ヘリは直接飛んで来ない。

「ヘリが来るとなると皆、緊張しますからね。仕事を止めてスタンバイする。警戒の度合いも負担も違うわけ。だから疲労感が大きいんですわ」

(6)既にデパート化!?

県東部の脳神経外科の衰退と、ヘリ搬送の急増にあえぐ高知医療センター(高知医療センター)脳外科。溝渕雅之医師(48)はもう一つ、違う角度からの悩みも漏らした。

「救急病院のコンビニ化が問題だって言われてるじゃないですか。それはもう、ひと昔前の話。患者さんが要求しているのは夜も開いている専門店。『おにぎりじゃなくて、シェフの作りたてが食べたい。夜中にわざわざ来たんだから』。そういう人が増えたんです」

例えば耳の調子が悪い患者に「当直医は外科です」と言うと、「じゃあ、耳鼻科の先生が来るまで待ちます」。自宅待機の当番医が呼び出されることになる。

「デパート化ですよ。夜中の救急処置なのに、何から何まで担当科の医師が呼ばれる。そんなことしてたら皆、へとへとになってしまうのに」

彼の話は高知医療センター全体を覆う疲弊感に広がった。

昨年九月、高知医療センターは当直体制を変えた。医師が減少して、当直医が減ったためだ。四十数人で回していたのが三十人を割り、「これじゃ、体が持たん」ということに。副院長以下、ほとんど全員総出で日直、当直をするように改めたのだ。

減少の背景には、大学の医局の引き揚げもあるし、人間的な生活を求めて外へ出た医師もいる。実は、驚いたことに、高知医療センターの大看板「救命救急センター」のトップ二人も十九年夏、相次いで去っていった。

医者が次々と消えていく。心療内科も昨年三月限りでなくなった。神経内科は昨年六月までに、三人いた常勤医が消えた。

神経内科の崩壊は、脳外科にとっても痛手だった。けいれん発作や、脳卒中のうちの脳梗塞(こうそく)を診てくれていたからだ。心療内科も、脳障害の後、うつ状態になったり、夜間の妄想でわれを忘れる患者についての相談ができなくなった。

「脳外科が二人増えても、神経系が四人減っているから全然、楽になっていないわけです」

そしてこう漏らした。

「世間は高知医療センターを、建物が大きくて立派なんで、医師もすべての科がそろっていると思っているかもしれないけど、実は全然違う。医師はマシンじゃないんだから。百メートル十秒で走り続けろと言われても無理。ナースは三交代勤務で、その上、手厚い看護とかで『七対一看護』なんて言ってるけど、ドクターは出ずっぱりなんですから」

そうした余裕のなさの上に、高知医療センターの医師はさらに“仕事”を背負う。

「外来でプライバシーを守るため、医師が患者さんの所まで行って小声で呼ぶじゃないですか。血圧も医師が測る。確かに大切だと思うけど、その時間があれば電子カルテが打てるし、患者さんの待ち疲れも少しは減らせるんですよ」

高知医療センターのキャッチフレーズは「患者さんが主人公」。

「それはその通り。時間が無限にあればそれもできるけど、今の現実とは、懸け離れてるわけです。そういうのが嫌になって、ここだけでなく、日本のあちこちで医師がひっそり消えていっている。僕の言ってることはおかしいですか?」

溝渕医師の口調は激しさを増していった。

その話からしばらくして、私は彼の言う「現実から懸け離れた世界」へ足を踏み入れた。

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大手のマスコミと違い、高知新聞の記者は医師に密着してきちんと取材し、問題提起をしています。


一カ月の時間外労働が二百四十時間.....

こんな状態を知っておきながら放置している行政はどうなっているのでしょうか?

労働基準監督署は何をしているのでしょうか?

こんな状態が持続可能なはずがありません。

高知県の医療が崩壊寸前です。

にもかかわらず、残念なことに、高知県の住民の方々の声は届いてきません。


天夜叉日記
http://ameblo.jp/showatti/entry-10075756805.html

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