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先日、兵庫県神戸市で開催された講演で、「県立柏原病院の小児科を守る会」(ホームページはこちら)の丹生裕子さんたちにお会いしました。同会は、「こどもを守ろう、お医者さんを守ろう」の署名活動とともに、「コンビニ受診を控えよう」という呼び掛けを行っている全国的に有名な市民団体です。 同会が配布するパンフレットには、「市民の皆様へ ママ達からの緊急メッセージ」として、はじめに「柏原病院の小児科医が1人もいなくなってしまうかもしれません」と、同院の危機的な状況が訴えられています。 最後には「私たち親も、子供が少し熱を出した、軽いケガをした、といって簡単に柏原病院に行かないようお互いに気をつけませんか?」と一般市民を対象に呼び掛けが書かれています。 正直、私は、核家族で不安な親の立場で、よくここまでの覚悟と行動ができたものだと、敬服するばかりでしたが、一方で、なぜこの地域では、このように医療側への理解が深い運動が行われるようになったのか、不思議でした。 柏原病院小児科の和久祥三先生に話を聞いて、その疑問が解けました。どうやら医療者と現地のメディアの方との情報交換がうまくいっていたことが基本にあったようなのです。 その一例として、和久先生から2007年3月18日の丹波新聞のコラム「記者ノート」を紹介してもらいました。私はこの文章を読んで、大変うれしく感じましたので、以下に紹介したいと思います。 ◇記者ノート◇ 2つの提案先日、ある病院の時間外救急外来に患者の付き添いで行った人が、ひどく怒っているのを聞いた。「あんなにひどいとは思わなかった」「ろくな医者がいない」と言うので、「ろくな医者がいないなんてことはない。今いる医師は、この地域の医療を守る使命感がある人、特別義理堅い人たちでしょう」と反論した。 今、医師の世界は、超売り手市場だ。公立、公的病院で常勤医として働くより、非常勤医でいくつかの病院を掛け持ちしたほうが、身入りは増える。しんどい当直からも外れられ、自分の時間も持てる。 昨年の3月から1年間、病院の医師不足問題を追って来た。報道するたびに「私たちは、どうしたらいいの」と言われる。2つ提案したい。 1つは、近隣市も含め、どこにどんな医者がいるかを知ること。病院の体力低下を認め、以前は丹波地域で完結できていたことが、できなくなっている事実を受け入れること。 2つ目は、がんばっている医師の気持ちを絶たないこと。診察の後は不平でなく感謝の言葉をかけよう。ひと言「先生、ありがとう」と。そういう地域にならないと、勤務医は定着せず、今いる医師にも愛想をつかされる。(足立智和) 医療は命の安全保障、国民が不幸なままで日本の繁栄はありません。医療従事者のみならず、市民団体やメディアに向けて、たゆまない情報発信をしていこう、と勇気をいただきました。 |