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ノーベル賞(自然科学分野)の国別ランキング
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3933.html
の賞別のバランスを見ておりますと、日本のバランスが悪いように思います。医学・生理学賞が少ないのです。日本では受験生の成績トップのほとんどが医学部・歯学部に入った時代がずっと続いておりました。また、ほとんどの医者が博士号を持っていると思います。これだけ優秀な人たちががんばっても、医学生理学賞は理学部出身の利根川さん一人だけです。
昨日ニュースで、以下の記事がありました。
研修医 違法バイト98人
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_08012910.cfm?from=goo
<メモ>臨床研修医
2004年度に導入された新医師臨床研修制度で、医師免許取得後は病院などで2年間の研修が義務づけられた。アルバイトは禁止され、月30万円程度の収入を保障するため、国から研修先病院に補助金が交付される。(2008年1月29日 読売新聞)
この問題は、根が深いと思います。門外漢の立場として、昔、医員をしていたときは年収170万円位でした。これではさすがに、暮らしていけないので勉強代も含めて月30万円ももらえる制度が出来たのだと思います。こんなことをしていては、研修費用を削られて、次の世代に迷惑がかかるの目に見えています。漱石の時代には、学生さんは勉強しなさるのだからと、篤志家からお金をもらったり、食事代もまけてもらったりして社会からも支えられ、勉強に遊びにと青春時代を過ごしていたと思います。この大事な時期に小遣い稼ぎに走っていてはもったいなすぎると思います。篤志家がいなくなった現在、半人前の医者に対する、この月30万円のお手当ては税金からでています。つまり、社会からの期待を込めて支払われているのです。
また、昔の、教授、助教授は兼業しなかったものです。今は、大学の先生も教授自ら兼業したりしているようですが、こういうことが続くと、社会的信用がなくなってくると思います。今の時代、月30万円といいますと、5人に1人の開業歯科医より多い年収になると思います。卒後、2年としては充分な年収と思います。また、アルバイト、アルバイトとで稼ぎまくっているお医者さんはいつ勉強するのでしょうか?バブルの時代に医学部の大学院生が8千万円のマンションに住んでいたこともありました。よほどうまいアルバイトの口があったのでしょう。
もう一点、最近の研究は、この雑誌に載れば何点、あの雑誌に載れば何点といった市場経済顔負けの点数主義になっていると聞きます。地道に一つの研究をじっくりしていると、点数が稼げないほうが多いと思います。逆に、昔「廊下トンビ」といわれた、あっちの教室、こっちの教室を訪ね歩いて、何か良いことないかなと グループ研究バカリしている、自分のテーマで研究しない要領だけの輩が多いとも聞きます。
このままでは、業績の評価が点数主義になると、ポピュリズムがはびこるのでは無いでしょうか。小柴さんや田中さんが医学部で研究者として生きてゆけたでしょうか。もっと昔は研究費が無かったのですが、今は研究費がそこそこあるにもかかわらずノーベル賞がとれない理由はこういった所にあるのではと思います。
何れにしても、お医者さんが厚生省と同じように、若いときから経済ばかり見ていて欲しくはないです。