★阿修羅♪ > 医療崩壊1 > 372.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 技工士の需要が縮小したため? 歯科診療にかかれない人たちの処遇も問題。 投稿者 memento mori 日時 2008 年 1 月 25 日 17:35:49)
歯科医療全体の問題なので、範囲が広すぎて上手く書きにくいのですが取りあえず。
歯科治療は小児期は虫歯と歯並びの治療、成人になると歯周病と虫歯の治療、老人になるとそこに口腔ケア、リハビリテーションが加わります。これら全てをサポートするのが歯科医です。また、デンタル・コスメティックに需要があるのも事実です。すでに予防中心の歯科を行って成功している医院も多数あります。在宅医療に力を入れている歯科もあります。また、口腔ケアやリハビリテーションはこれからの分野で、大学、病院と行政が連携して試行錯誤している状態です。手術後の入院患者に口腔ケアを施すと入院日数が短縮するとか、誤嚥性肺炎の予防になるといった報告がなされている状況です。
予防歯科分野に関しては、具体的には、回りを見回して3か月或いは6か月毎に歯科医院に定期的に通っている人がほとんどいなければもっと伸びてゆく分野でしょう。しかし、もうすでにほとんどの人が定期的に歯科に通っているのであれば伸びる余地はありません。伸びてゆく余地がある場合も、モチベーションの喚起をどうするのかが問題なのです。要は「国民と対話をもって,国民の生活の質を支える歯科医療を構築していくこと」の具体性が見えてこないのです。今、保健で出すことが義務づけられている説明用の用紙は答えになりません。
結局、開業歯科医がやっていることは、検診や歯科治療できた人に説明をしてリコールはがきを出すという、地道な努力です。また、口腔ケアに関しては、来院されていた患者さんが、寝たきりになったときにも主治医として往診しますよという意思表示です。歯科医院が増えた今、大多数の歯科医院がかかりつけ歯科医師としてこれらのサービスをやっていくと思います。それが自然な流れではないでしょうか。こういった観点から、コンビニより多い歯科医院になって時間に少し余裕が出来たことは良いことだと考えています。1部の歯科医院だけが予防歯科で成功したり、1部の歯科医院だけが往診車を走らせて在宅医療を賄っているようでは本物といえないと考えています。こういった観点から、歯科医院がやっと適正数になったと思ったのですが、その途端にワーキングプアー問題が出てきたのです。歯科医師の平均年収は549万円です。これでは、新規開業医院は借金が返せませんし、既存の歯科医院も10〜20年ごとの医院の改築、機械設備のメンテも出来ません。歯科医師のほとんどは開業医で勤務医ではありませんから、その倍の年収が最低限必要です。その年収減の元凶が今も主役である従来型の歯科の保健点数が台湾並に低く抑えられ続けていることです。足下が崩れては次のステップに踏み出せません。 連日のように、もうかりますよという触れ込みで、予防歯科対応ソフトウェアー、歯科往診マニュアル、往診車システムのコマーシャルがいやおうなしに入ってきます。しかし、1部の医院だけが勝ち組になればいい問題ではなく、やっと適正になった医院数を国民の生活の質を支える歯科医療に生かすような政策が必要と考えます。
医療行政はこの2年のうちに、保健点数の操作で歯科単独で700億円の減収を行いました。これは歯科医院1軒あたり100万円の減収に当たります。また、この10年間で歯科医院1軒あたり30%近く減収しています。その結果、最大で総医療費の12%を占めていた歯科医療費は7.7%まで下がりました。これを、10%台に回復することと、再診料等のメディカルとの不平等を是正することを望むものです。
また、保健点数を減らすことばかり考えるのではなく、多くの歯科医院がなれていない往診支援、予防歯科行政の推進を図り、産業としての歯科を発展させて景気回復の一助と成すようなことも必要と考えます。具体例として、スウェーデンではインプラントは保健で出来ます。それは、インプラントがスウェーデンの大学で開発され、それを産業として育成するためにまず保健採用することで国内需要を増やし、輸出産業化するための基盤整備をおこなったのです。こういう、ポジティブな発想もお願いしたいものです。
資格別年収ランキング
http://nensyu-labo.com/2nd_sikaku_nensyu.htm