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http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14174.html
高齢者の医療狭き門≠ノ!?
今年4月の診療報酬改定で、75歳以上の国民から医療が遠ざけられる危険性が指摘されている。75歳以上の国民が複数の医療機関にかからないようにするため、原則として患者1人について1人の「高齢者担当医」(仮称)とする制度の導入が検討されているからだ。複数の疾病を抱える高齢者の継続的な医学管理を行う担当医を1医療機関に限定すると、国民皆保険制度を持つ日本医療の特性である「フリーアクセス(いつでも・どこでも・だれでも)」に制限が加えられかねない。こうした動向に多くの医療関係者が「医療保障の原則を崩し、医師の裁量権を奪い、医療崩壊・健康破壊を助長させる」などと強く反発している。
「高齢者担当医」に関する問題点は、1月24日に東京都内で開かれた全国保険医団体連合会(保団連)主催の「医療問題を考えるマスコミ懇談会」で示された。
今年4月の診療報酬改定をめぐっては、厚生労働大臣の諮問機関「中央社会保険医療協議会(中医協)」が具体的な内容を検討。1月18日の中医協で確認された「現時点の骨子」には、「高齢者担当医のもとに、主病と認められる慢性疾患の治療に対して1医療機関のみにおいて(診療報酬を)算定する」と記されている。
この高齢者担当医に関し、保団連は「慢性疾患に対する管理を通じて、高齢者が複数の医療機関にかからないように受診と服薬の管理・抑制を図る」と指摘。複数の疾病を抱えている高齢者の継続的な医学管理を行う担当医を1医療機関に限定することに対して、「他の医療機関が行う必要な治療が制限されかねない」、また「担当医の受診が優先されてフリーアクセスに制限が加えられかねない」などと、国民皆保険制度にかかわる問題点を挙げた。
また、地域によっては、高齢者担当医が身近に存在しない事態が生じる可能性にも触れ、「1人の医師が患者情報を一元管理し、生涯にわたり総合的な医学管理を行うことは、『(患者の登録数に応じて診療報酬を人頭払いする)登録人頭制』導入の布石ではないか」という危惧を示した。
加えて、医療行為や医療材料をまとめて包括した定額制の診療報酬の導入が企図されていることについても、「個々の患者さんの病態に応じて、必要な治療を何回行っても、同じ報酬。診療の難易度にかかわらず、支払われる報酬が同じとなるため、手厚い治療をするほど医療機関の持ち出しになる」と、医療経営に与える影響を指摘。この包括定額制と担当医制の組み合わせに関し「決められた報酬で総合的に患者さんを診ることを強いられれば、医療内容が乏しくならざるを得ない。きめ細やかな対応が必要な高齢者への医療を制限しようとしている」と批判し、既に声明を出している神奈川県保険医協会などと同様、高齢者担当医制や包括定額制の撤回を強く求めている。
更新:2008/01/24 キャリアブレイン